MIS.W 公式ブログ

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CG研員によるUTAU調声挑戦記【カウントダウンカレンダー2018冬20日目】

はじめまして!ギリギリ53代CG研のここなつと申します。ギリギリというのは、秋学期になってから入ったからです。つまり超新人です。なんで超新人がこれを書いているのか……それは新人ゆえの勘違いと勘違いの賜物なのですが、話すと脱線するので割愛します。割愛しますが、新人ゆえに強そうなことは全然書けないという事実は割愛できません。

と、いうわけで!逆に!全くの門外漢のものに挑戦して記事にしよう!というわけです!

題して『CG研員によるUTAU調声挑戦記』!

 

そもそもUTAUとは?

UTAUとは、広く認識されてる使用用途から乱暴に言えば『フリーのVOCALOID』です。(VOCALOIDについては流石にご存知だと思うので説明しません)形容詞の長々しさから察していただけると思いますが、正確に言えば違います。UTAUとは元々『人力ボーカロイド支援ツール』です。

人力ボーカロイドとは、キャラクターの声を切り取り、ピッチをいじったりタイムストレッチをほどしてから並べることで、擬似的にキャラクターに歌を歌ってもらう、というものです。いわゆる音MADの一種ですね。UTAUはキャラクターの声を切り取ったものをピアノロール譜面通りに並べ、ピッチを調整し、タイムストレッチをかけてくれるソフトなのです。

しかし、現在は人力ボーカロイドというより、UTAUで使用することを目的として録音された音源を使用するケースが多いです。有志が作成したUTAU用の音源は国内外で何千と存在し、その多くは無料で配布されています。そしてそれらを使って作成された歌唱データが数多くネット上で公開されており、中にはVOCALOIDの著名曲に肩を並べるような曲もあります。『吉原ラメント』や『おちゃめ機能』等は、VOCALOID曲をよく聞く方なら名前くらいは知っていることと思います。もしくは名前は知らずとも聞いたことくらいは……?

今日、無料であることに惹かれた初心者から、すでにVOCALOIDを所有しながら無数とも言える音源に魅力を感じた上級者にまで、UTAUは『歌唱合成ソフトとして』選ばれているのです。

興味が湧いた!という方は、まずニコ動でUTAUカバー曲を調べてみてください。個性豊かで、かつ滑らかな歌声に驚くことになるかと思います。

 

なんでUTAUに挑戦を?

UTAUについてはそれこそ普段から扱っている人がmis.w内にいるわけです。イラスト描くのが仕事のCG研員がわざわざ挑戦する意義とは?

はい。前述の解説の熱量からお察しいただけると思いますが、私は聞く専ながらUTAUに長年はまっています。(オタクとかマニアとか名乗るのは気がひけるのですが!)大昔にUTAU本体をダウンロードし、いくつか音源を落としてみたりしたくらいには前々から興味がありました。しかし、残念ながら今までちゃんと使ってみないまま今日まで来てしまいました。

というわけで、何か書いてみなければならない!というこの機会を利用し、一度仕上げてみようということなのです。なんか書いてから見返してみたら「は?」ってなってるだけの感想文なのですが、お付き合いいただければ幸いです。

 

使用ソフトとか音源とか

『UTAU』というソフトは、実はWindows専用です。しかし、Mac用に移植された『UTAU-Synth』というソフトがあるので、マカーの私はこれを使用します。

これを含め、使用したソフトは以下の通りです。

 

Aria Maestosa DL:http://ariamaestosa.sourceforge.net

UTAU-Synth DL:http://utau-synth.com

 

今回使用する音源は『朝音ボウ』の単独音音源。UTAUには収録方法によって単独音とか連続音とかいろいろあるのですがその辺は置いておきます。まっすぐで中性的な声の女の子音源です。

配布サイトはこちら 

asane.coresv.com

 

そして、今回歌ってもらう曲は『サンタが街にやってくる』。有名なクリスマスソングです。ほら、クリスマス近いですし。というかクリスマスに向けたアドヴェントカレンダーですし。

ustと呼ばれるUTAU用譜面ファイルが配布されているのを探して使うのが楽ですが、尺稼ぎ挑戦ということであえて譜面作りからやってみようと思います!

 

midiファイル作成

UTAUはmidiの読み込みに対応しています。midiで音程を作ってしまえば、あとは歌詞を入れて微調整するだけということです。

譜面を作るのはきっと専用ソフトの方が良いに違いない。なんか良さげなツールを探すの大好き人間の私はmidiシーケンサを導入しました。それがAria Maestosaです。

DLしてデフォルト設定で新規ファイルを作ってピアノロールを表示して。短い曲ですし耳コピは簡単。さああとは打ち込むだけ!

ぴあのろーる

……。

気づきました。ピアノロール、見辛い。

わざわざ左端を見に行かないとどこなのかわからないの辛くないですか?

でも安心してください。ちゃんと解決法、ありました!

すこあ

ピアノロールより見やすくなりました。ピアノ習ってたのでこの形式の楽譜は感覚でもなんとなく読めるんですよね。ギターとかドラムの譜面にもできるらしいのでそっちに詳しい方にも良いのではないでしょうか?

コピペとか削除キーで消せたりとか便利なのですぐ打ち終えられました。デフォルトのテンポだとちょっと遅かったのでBPMを180に変更して……完成!

どんなものになったのか載せるためにオーディオを出力……

しゅつりょく

は?

……。

エラーの直し方わからなかったのでおとなしくmidiだけ出しておきます。

www.dropbox.com

 

UTAU!

生成したmidiファイルを使っていよいよUTAUを使っていこうと思います。

『インポート』を選んでいざインポート!

はい?

これ、は……?

 

Track02を選んでみたらちゃんと表示されました。ボウちゃんを音源に選んで仕切り直しのスタートです。

さいしょ

痛恨のミス。音符が足りない。

足りないものは仕方がないのでだいたいで入れていきます。めりくま!

そうして、あった音符に歌詞だけ流し込んだものがこちらになります。

なかなか愉快な感じですが仕方ないですね。

 

次に、足りなかった歌詞の分音符を追加して行きます。

その過程で『くぃ』の音があることに気が付いたりしたので変更したり。

さしこみ

削除キーが使えなかったり色々と……面倒です……。

次があるならばmidi作るときに発音の数をちゃんと数えておかないと。

そうこうして出来上がったものがこちらです。

どうにも『くりすます』の『す』みたいにちょこっと発音する音が強すぎますね……そして輝くとぅたーうーん。

ともかく、一応音程と歌詞は出揃ったわけです。

 

調声っぽいことを

というわけで、わかりやすく変になってる音を削ったりオーバーラップしてみたいと思います。

すっす

こんな風にすの音の音量を下げたり後ろの方を削ったりしてみました。下の部分が音量を示してるんですねぇ。一気に自然な感じがします。

たーうーんのほうはどう直せばいいのか……

おーばーらっぷ

これだー!

オーバーラップを600にしたらいい感じになりました!やった!

そうこうして言葉の部分をいい感じにしたものがこちらです!

だいぶいい感じですね!

さて、いよいよUTAU調声といえば、というイメージのピッチ弄りに入りたいと思います。調声晒し動画のうねうねのピッチ曲線、ああいうのを入れればきっとすごくなるはず!

ぴっち?

あ、あれ……?
なんか思ってたのと違いました……自然にならない……自然になる気配もない……。むしろやらない方が自然……?

どうやら私にはピッチ曲線うねうねは早すぎたようです。無念。ピッチ直線で行きます……。

『まちきれないで』の『ま』みたいに音がギュインとなってるところはなんか変に聞こえるのでその辺だけ直して私のピッチ弄りは幕を閉じました。

でもこれだけで済ますのはなんか……なんか癪……。というわけであっちこっち触ってみたら気がつきました。

じーふらぐ

gフラグマイナスにするとなんかいい感じになる!口角上げて歌ってるみたいな楽しそうな感じになる!母音がいの音がなんか自然になる!

というわけで、gフラグを引きまくって、それで、完成!こんな感じになりました!

 

あとがき

こんなわけで手短ながら私の挑戦記は幕を閉じます。正直、調声晒し動画みたいなうねうねしたピッチをつけてすごい人みたいな歌声!っていうのを漠然と夢見ていたので砕かれた部分はありましたが、初心者でも右往左往しながらこんな感じにはなるんだなって感じです(音源の完成度に助けられたところは多々ありますが)

ここまでにかかった時間はざっくり一、二時間くらいでした。試しにやってみるだけならば形にはすぐなります。もしもいるとしたら私の体験記をご覧になって歌唱合成に興味を持ってくださったという方、一度UTAUを落としてやってみてはいかがでしょう?

 

明日の記事は!

papiさんによる記事『プロ研でもわかるボカロ講座』だそうです。私のあちゃこちゃした体験記とは違い、講座です。わかってる人が書いてます。詳しい方も初心者の方も、是非是非お楽しみに。