MIS.W 公式ブログ

早稲田大学公認、情報系創作サークル「早稲田大学経営情報学会」(MIS.W)の公式ブログです!

キャラクターイラストを描くためにファッションのインプットを習慣化した話【カウントダウンカレンダー2018冬23日目】

こんにちは、53代Web班(デザイン周り)・MIDI研・CG研・デザイン班のfuchiです。来年はデザインを頑張ります。

 

私はGW頃にiPad Proを購入し、そのタイミングからデジタルイラストを描き始めました。かれこれ7ヶ月ほどになります。

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アナログを含めてちゃんとイラストを描いた経験はこれまでにナシ、絵を描いたのは中学校の美術が最後だったので、最初は「何がダメなのかすら分からないよ〜」という状態で本当に大変でした。

 その後模写やトレース練習を見様見真似で繰り返して、ようやく顔のパーツが最低限違和感なく描けるようになった頃、私はある一つの具体的な問題に直面しました。

 

 「あれ、服ってどう描いたらいいんだ?」

 

服、描けない問題

パーカーのフードが描けないとか、シャツのシワが描けないとか、そういう高度な次元の技術の話ではないです。そもそも首から下に何をどう描いたらいいのか分かりませんでした。

 とりあえず首の下に襟(らしきもの)を描いてみよう…」「ここには肩があるはずだから曲がって、そして腕があって…」と確信無く描いていった結果、出来上がったのは服というよりも体を覆ってる変な布でした。

 

顔の模写やトレースばかりしていて服の模写をしてこなかったから、というのも勿論あります。しかし、この「服が描けない問題」の根本の理由は別の部分にありました。本記事のタイトルからもお分かりでしょう。

 

自分に圧倒的に足りなかったのは「ファッションのインプット」でした。

 

 ファッションのインプット

 知らない物を描けるはずがない、当然です。

 

プログラミングの知識が身についていないと良いコードは書けない、普段からカッコいい音楽を聴いていないとカッコいい音楽は作れない、何をするにしても知識や情報のインプットは大切です。

ところが、イラストを始めたばかりの私は、絵が描ける( = 良い線が引ける , 良い塗りができる)ようになることばかりに囚われれていて、自分が描きたいもの( =リアルな服を着たキャラクターイラスト ) に関する情報のインプットをおろそかにしていました。キャラクターにスカートを履かせたいなら、例え自分が男でもスカートの構造やスカートに合わせるトップスについて知っている必要があるのです。

 

 それまで私はファッションに対して特別に興味があったわけではなかったのですが、インプット不足に気づいたタイミングからファッションに関する情報のインプットを意識的に始めました。

 

インプットを習慣化する 

ここからは自分のファッションのインプットの具体的な方法を紹介していきます。

1. 人間観察

文字通り、街行く人のファッションをひたすら観察します。侮れないインプット方法の1つです。

この方法が優れているのは、「性別・年齢層・趣味嗜好を問わない、幅広いファッションをインプットできる」という点です。後述するインプットの方法やファッション雑誌は、年齢層・自分のファッションの好み等でどうしても情報が偏ってしまいます。その点、観察という方法は半強制的に幅広い層のファッションをインプットすることになるので知見が広がります。また、”季節”や”流行”という要因で大きく傾向が変わるのでバリエーションも多彩です。「幅広い年齢層のキャラクターが描きたい!」「季節感に合った服を描きたい!」という思いがあるなら、観察は非常に大切だと思います。

 

一方、気に入ったファッションを見つけても記録に困るのが観察のネックです。他人の写真を無断で撮るのは絶対にやめましょう。

 

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自分は気になったアイテムやファッションの特徴を、メモアプリやノートアプリ(自分はEvernoteを使っています)に文字でメモするようにしています。小説家が思いついたアイデアを手帳にメモする、作曲家が思いついたフレーズをボイスレコーダーに録音するのと同じ感覚でしょう。

”正しい名称で書く”ことよりも、”自分が後からメモを見て思い出せる”ことが重要です。「ベージュのオーバーサイズステンカラーコート」でも「ベージュ・ワイシャツみたいな襟・めちゃ長いコート」でもいいのです。

 

2. WEAR

有名ファッションコーディネートサイト(アプリ)のWEARです。趣味によりけりな部分はありますが、「大学生が着てそう」「国内」「流行り」のファッションが描きたいなら確実に使えます。

季節感・流行にマッチしたファッションをインプットしたいなら「ランキング」タブのコーディネートを見ましょう。”それっぽい”ファッションが一覧で見れます。

 WEARにはコーディネートの下にアイテムの名前やブランド名が表示される機能があります。「観察」したけど分からなかったアイテムの名前を知れる、など地味に便利です。また、気になったブランドの名前はメモをする習慣をつけましょう。後述するインプットの方法でとても役に立ちます。

 

  さらに、実際にイラストを描く時の話になりますが、WEARに上がっている写真はキメッキメの構図とポージングで撮られた写真が多いです。そのため、キャラクターイラストを描く際の構図やポージングの参考例としても非常に使えます。描きたい服とポーズが揃っていれば、シワの付き方や布の折れ方もそのまま流用することもできます。

 

3. Pinterest  

Pinterestは、インターネットのWebサイト上やPinterest上にアップロードされている画像を自分の”ボード”にブックマークするように集めることが出来る画像収集サービスです。

強みはなんと言っても画像の量とバリエーションです。WEARと違い、80年代のDCブランドファッションから現代のガチガチのストリートスタイルまで国内外問わず幅広くカバーできます。

 

私は台湾・香港・韓国の若者のストリートファッションや、Techwear(テックウェア)と呼ばれる機能性を重要視したハイテクノロジーファッションが大好きなのですが、そういったファッションに関する情報・資料はWEAR等ではあまり得られません。Pinterest様様です。

 ある程度画像をボードにピン(ブックマーク)すると自分の好みに合わせて画像が自動収集されるので、効率よくインプットが出来るのもPinterestの良い点です。

 

 

一方で、「検索に少しコツが必要」という難点もあります。PinterestはWebサイト上の画像を検索・収集するサービスなので、通常の検索と同様、日本語のキーワードで検索した場合は主に日本語のサイトから画像が検索されます。つまり、海外の画像を多く収集するためには、外国語(主には英語)で検索する必要があります。

 

ここで難しいのが、国内で使われているファッションに関する英語とネイティブの使うファッションに関する英語のズレです。

例えば「海外のストリートファッションをインプットしたい」と思って「street fashion」と検索します。しかし、street fashion ( = street style) と検索すると、いわゆるストリート系ファッションではなく「街で撮られたファッションスナップ全般」が出てきてしまいます。実はストリート系ファッションを検索するためには、「street faschion」ではなく「streetwear」という言葉を使う必要があります。

 

では、このような言語のズレをどのように解消すればよいのでしょうか。

自分が用いる方法の1つが「固有名詞」、つまり「ブランド名」を使って検索することです。ブランド名は固有名詞であるため、言語間の表現にズレが生じません。日本語だろうが英語だろうが変わりません。

先ほど、「WEARで気になったブランドの名前はメモをとることを習慣にする」と書いたのはこのためです。国外でも名の知られたブランドであれば、Pinterestでブランド名を検索するだけでインプットできる情報の絶対量をグッと増やせます。

また、ブランド名検索で見つけた海外のページで使われているネイティブの英単語をメモしておくことで、次に調べる時に海外の情報がより得やすくなります。ファッションに関する英語も学べて一石二鳥です。

 

後書き

キャラクターイラストを描けるようになるために始めたファッションのインプットですが、今では日常的に行う習慣になり、イラストの傾向もいつの間にかファッションが中心要素として位置するようになりました。同時に自分自身もよく古着屋に行くようになったり、スニーカーにハマったり、と自分自身の趣味嗜好も大きく影響を受けました。

 

私は以前にフォントにハマった時期があり、街の広告の文字や店の看板の文字の見方がフォントを勉強したことで大きく変わったという経験があります。

服でも、車でも、建物でも、音楽でも、アプリでも、チラシでも、インプットの対象になると、日常的に見てきたモノも見え方が変わって毎日がちょっと楽しくなるかもしれません。

 

少し胡散臭いセミナーみたいな締めになってしまいましたが、「インプットを習慣化すると役に立つし、それに楽しいぞ!」 ということが伝われば嬉しいです!長文になりましたがお読み頂きありがとうございました!

 

 明日のアドカレは51代しらすさんの記事です。プログラミング言語の機能の比較についてだそうです。わたし、気になります