MIS.W 公式ブログ

早稲田大学公認、情報系創作サークル「早稲田大学経営情報学会」(MIS.W)の公式ブログです!

こんなに楽しい3DCG(2019 ver.)【新歓ブログリレー2019 6日目】

これから入るサークルを選ぶ新入生のみなさんは、何を考えてサークルを選んでいますか?

「友達がほしい」「恋人がほしい」「自分の趣味のことをやりたい」「スキルアップをしたい」「過去問を手に入れたい」等々……サークルを選ぶ基準は人それぞれだと思います。一昨年の春、僕は「何か新しいコトを始めたい」と思ってサークル選びをしていました。そんな僕はMIS.Wに入って3DCGを始めました。この記事では、主に「何か新しいコトを始めたい」と考えている新入生向けに3DCGの魅力を解説します。 f:id:Enshin:20190321105454p:plain

もくじ

3DCGとは?

そもそも3DCGが一体どんなものなのかご存知でしょうか? 世間一般で言う”CG”を思い浮かべてみてください。例えば、映画で実際に撮影できない映像を作り出す”CG”、ゲームでリアルな描写をするための”CG”、アニメの戦闘シーンやライブシーンに使われる“CG”……実はこれらの多くは3DCGなのです。

本来CGとは、単にパソコン上でお絵かきをすることや画像を作り出すことを表します。そのなかでも、パソコン上で3次元の操作をして画像や映像を作り出すことを3DCGと呼びます。(ただし、MIS.WではCGと言うとほとんど2DCGのことを指します。)ちなみに、最近流行りのVRVTuberにも3DCGは欠かせないものであるので、3DCGの需要は高まっていると言えます。

3DCGの魅力

(1) 初期投資がいらない

3DCGは実際に映画やゲームでたくさん使われていて、しかもそれらはプロが作ったとてもリアルなものなので、なんとなく敷居が高い印象を受けるかもしれません。しかし実際は、そんなことはありません。むしろ2DCG(パソコン上でのお絵かき)よりも初心者に優しいと思います。なぜなら、3DCGには初期投資が不要だからです。ソフトは無料で高機能なものがありますし、周辺機器もマウスさえあれば十分なのです。

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3DCG制作ソフトBlender。無料なのに高機能。

(2) 絵心が必要ない

絵をうまく描けるようになるためには絵心が不可欠です。しかし、3DCGでは絵心は必要ありません! また、陰影や遠近法についての知識も必要ありません。と言うのも、パソコン内の空間上にカメラやライトを置くことで、それっぽい描写を勝手にソフトがしてくれるからです。

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それっぽい描写をソフトがしてくれる

(3) 操作が直感的で楽しい

3DCGの実際の制作は、立体の一つ一つの頂点や辺を移動・変形するような感じになります。この操作はねんど細工やプラモデルに近いものであるので、直感的で楽しいです。プログラミング的な知識は一切不要です。

(4) 作ったものを動画やゲームとして動かせる

3DCGで作った立体は、unityなどで制作したゲームの中でそのまま使うことができます。従って、自分が作ったものが実際にゲームの中で動いているのを見ることができます。一枚の絵として魅せることもできるし、アニメーションにして魅せることもできる、それが3DCGなのです。

www.freem.ne.jp

↑MIS.W制作のレーシングゲーム"MIS CART"。筆者が制作した3Dモデルも使われている。

3DCGの制作の流れ

次に、実際に3DCGを制作する流れを見ていきましょう。今回は例として「野球バット」を制作してみます。

(1) 作るモノの形をイメージする

3DCG制作で最も重要なことは、制作するモノの形を正確にイメージすることです。制作に入る前に、Google画像検索などで制作するモノの画像をしっかりと観察しましょう。 またこのとき、下絵になる画像を用意します。なるべく正面や真横から見た画像を使うとやりやすいです。

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下絵となる画像を用意する

(2) モデリング

立体物の形を成形していくことをモデリングと言います。3DCG制作でメインとなるのがこの作業です。野球バットの場合、円柱にくびれや膨らみがついた形をしています。従って、円柱をもとにして変形していくことでバットの形を作ります。

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下絵を円柱を置く
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円柱の長さと太さを下絵に合わせる
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円柱の側面に頂点を入れる
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入れた頂点が作る円の大きさを変えてバットのくびれを作る
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この操作を繰り返してバットの形を作る

(3) UV展開

モデリングをしただけでは、作った立体物は白いのっぺりとした表面になっています。この表面にする、色や質感の設定のことをマテリアルと言います。このマテリアルの設定次第で、作った立体物はとてもリアルになります。野球バットにもマテリアルの設定をします。 しかし、マテリアルの設定をする前には必ず「UV展開」という操作をする必要があります。「UV展開」とは、立体物の展開図を作成することです。この展開図は立体物と関連づけられているので、展開図に色を塗ることで、立体物にも色を塗ることができます。

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UV展開をして展開図を作成する

(4) テクスチャ描画

それでは、先ほどの展開図に色を塗っていきます。僕は色を塗るのに「Substance Painter」というソフトを使っています。このソフトを使うと、リアルなテクスチャが使える上に、立体物に直接色を塗っているような感覚で色塗りができるので、とても楽しいです。今回は、金属バットとして色塗りをしてみました。

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テクスチャ描画ソフト"Substance Painter" リアルなテクスチャが簡単に描ける。

(5) 完成

完成品が以下になります。下のリンクの再生ボタンを押すと、ブラウザ上でモデルをぐるぐる動かして観ることができます。

skfb.ly

さいごに

ここまで書いて自己紹介をしていないことに気が付きました! 申し遅れました、3DCG班長のえんしんと申します。

実は僕は去年にもほとんど同じ記事を書いています。 blog.misw.jp

しかし、決してコピペをして楽をしたわけではありません!(本当だよ!) あえて去年と同じような記事を書くことで、自分がどれくらい成長したか比較できると思ったのです。僕はMIS.Wに入ってから3DCGを始めたので、3DCGをちょうど2年間やっていることになります。なので、「経験1年と2年でこれくらい違うんだ」という参考にして頂ければ思います。 最後に宣伝になりますが、僕の作品が見れるリンクを貼っておきます。見ていただければ幸いです!

sketchfab.com

それでは、ここまで読んでいただいてありがとうございました! 明日は53代白くんによる「競技プログラミングを始めてみた話」です。お楽しみに!