MIS.W 公式ブログ

早稲田大学公認、情報系創作サークル「早稲田大学経営情報学会」(MIS.W)の公式ブログです!

3DCGを始めたい人が読むといいかもしれない記事

この記事はMIS.W新歓ブログリレー2日目の記事です。

みなさんどうもこんにちわんこそば
f:id:udemegane:20200401220008p:plain 53代:美少女に敬意を払おう研究会のうでメガネ柳田です

この前のCGLTではぐだってしまいすみません... 


まえがき

この記事はタイトルに「3DCGを始めたい人が読むといいかもしれない記事」とあるように、なんか3DCGやってみたいなーって思っている人向けになります。

具体的にこの記事の対象としているのは、

・ 3dcgに手を出してみたいが、どのソフトを使って、何をどうやったら作りたいものができるのか、が全然わからない人

になります。

既に何かしらの教材を買ってソフトを入れて(blenderとかc4dとかmayaとかとかとか、、)ニヤニヤしながらPCの画面と向き合ってマウスをカチカチやっている人は既にこちら側の人間です。
こんな記事読んでないでぜひそのまま進めてください。そして一緒に沼にはまりましょう。

また、いわゆる3DCGソフトの基本操作や、モデルの具体的な作り方、小技といったものを紹介するものではありません。
そういった類の情報は僕の解説より、高い評価を持つ書籍や現場のプロが書いた記事・動画などのほうがよっぽど優秀です。
3DCGはあくまで芸術作品なので最低限の技術的知識さえ備わっていれば初学者でもプロの作品、手法は非常に有益な情報となり得ます。

では何を紹介するかというと、

・3DCG作品を作るまでの流れはどのようなものなのか
・そのためにどのようなソフトウェアを使わなければならないのか
・無数にあるソフトウェアのそれぞれの強み、弱みは何か

といったことを紹介しようと思います。
つまり、上記に述べたプロの有益な情報にたどり着いて、そこにある情報を理解するのに必要なことをこの記事に書きます。

僕は3DCGを始めた直後、上記の知識がなかったがためにボコボコのフルボッコにされて春休みが吹き飛びました。みなさん気を付けましょう。
また、アニメ見たりゲームしたりで時間がない方も多いとおもうので、どうしても俺が言いたいことをまとめると、、

Blenderはver2.8で覚醒したから初心者はとりあえずこれ使おう

みんなBlenderだから俺は別のがいい!!とか、なにこれわかんないほげーーーっていう人はCinema4D使おう あれの操作性は素晴らしい

俺は芸術家だぜって人とか造形の神になりたい人はZBrushが最強 こいつは異次元の表現能力がある こいつより多彩な表現ができるソフトは存在しないし現れる気配もない

初心者でもプロの動画、記事はめちゃめちゃ参考になる。特に英語の記事は無限にある 内容もyoutubeの自動翻訳で普通に理解できるので英語できなくても兵器 3dtotalとか行けば良質な記事はたくさんある


本題

さて、前置きが少し長くなってしまいましたがここから本題です。
ここで一つ皆さんに質問なのですが、みなさんはなぜ3DCGに興味を持ったのでしょう?おそらく大半の人は、「美少女」なり「ロボット」なり何かしらの「作りたいもの」があるから興味を持ったのではないでしょうか?少なくとも僕はそうでした。逆に、作りたいものは特にないけど3DCGの技術が知りたいから興味を持った、という方はかなりの少数派だと思います。
なぜこんな質問をしたかというと3DCGモデルの規格が皆さんの想像よりも遥かに複雑だからです。
以下のフローチャートps4やスイッチ用のゲームキャラクターモデルを作成するときの一例です。
僕のような趣味で3dcgを扱っている人間もプロの人間も基本的に手順は同じです。

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3dcgキャラクター作成のフローチャート
いかがでしょうか。こんなにめんどくさいの?と思った方もいるかもしれません。しかしこれが現実です。非情です。
3DCGと聞いてほとんどの人が想像するシーンはマウスをカチカチして面を組み立てる様子だと思いますが、これはフローチャートのうちメッシュ作成、つまりモデリングと呼ばれる部分だけであり、全体の工程の4分の1程度に過ぎません。何かしらの3DCGモデルを作りたい場合は全体の作業工程を理解する必要があります。
では上記工程を一つずつ解説していきます。

作業工程の解説


ハイポリの作成:

3DCGメッシュは以下のように点と線からなる面で構成されていますが、この面のことをポリゴンと呼びます。
f:id:udemegane:20200401194712p:plain 作りたいもののラフなイメージができたら、まずハイポリモデルを作成します。ハイポリとはハイポリゴンメッシュの略で、ハイメッシュなどと呼ばれたりもします。その名の通りポリゴン数が非常に高い(数百万~数億)モデルです。

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筆者が昔作成したキャラクターのハイモデル(合計4000万ポリゴンほど)
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ハイポリの頭 ポリゴン数は100万程度
ジルエットなどの大まかな見た目はもちろん、人の肌の毛穴や、服のステッチといった微細なディティールまでとにかく細かいところまで妥協なく表現するためのモデルです。
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細かいディティールの一例


ローポリの作成:

ポリゴン数が高いハイポリモデルは実際の映像やゲームでは処理負荷が高すぎて動かすことができません。実際に動いているのはローポリモデルという、ポリゴン数が数万~十数万程度の少ないモデルです。 たとえば、MHWリオレウスや、DMCのダンテ、ルルアのアトリエの各種キャラクターのように、ps4向けのキャラクターは見た目の差異(人型か否か、アニメ調かリアル調か)にかかわらず3~5万ポリゴン程度です。

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筆者が作成したキャラクターのローモデル(4万ポリゴンほど)
この数字はマシンスペックの制約によるものです。(スマホゲーでは1キャラクター当たり1万ちょい、ps4などの据え置きゲーム向けには3~5万、映像作品は会社の規模による?) 先に作成したハイポリにしたがってこのローポリモデルを作成します。ハイポリとは打って変わって細かいディティールは無視します。(というかポリゴンが少ないので作れない)


UV展開:

3DCGの知識がない人からすると全く意味不明な単語のように聞こえますが、わかりやすく表現するならば「モデルの展開図の作成」です。なぜそんなことをするのかというと、モデルの色や質感といった見た目を細かく作りこむために「平面」の展開図が必要になるからです。
名前の由来ですが3dcgは立体なのでxyz空間に表示されます。文字x,y,zを既に使用してしまったので新しい平面を表す軸としてu,vを用意し、そこに展開するためにUV展開という名前になりました。
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上の図を見てください。これは3DCGモデルの顔と、そのUVマップです。図からわかるように、3DCGメッシュのポリゴンとUVマップの座標は一対一で対応します。(髪の毛など一対一でないものもある)
UVマップはPCのメモリを効率的に使用できるように、一辺が2のべき乗の正方形になるように作成されます。(図の顔は一辺2048ピクセル、最近はこの正方形を複数組み合わせて使用するUDIMという技術がありますが、これを使うのはある程度3dcgに慣れてからで全く問題ありません)


ディティールのベイクアウト、PBRペイント:

今までの工程をイラスト制作に例えると、UV展開までが線画の作成、本工程は色塗りになります。しかし、3DCGにおける色は、2dイラストよりも遥かに複雑です。一般に、物体の表面の材質は非常に多岐にわたります。ツルツル、ざらざら、半透明、金属っぽい...etc、これらを再現するために、3DCGではPBR(物理ベースレンダリング)という手法を使って画像を描画します。これは、3dcgモデルの表面に、基本の色(basecolor)、金属っぽさ(metalness)、粗さ(Roughness)、光を反射する能力の強さ(specular)、を用いてできるだけ簡単に、物理的に正確な表現をしようというものです。
さらに、上記のパラメータに加えて表面の凹凸があるように見せかけるNormalmapや陰影を表現するAO、肌など半透明なものを表現するときに使うSSSなど、多彩なパラメーターをユーザーが設定可能です。これらの情報をまとめたものをマテリアルといい、モデルのUVマップにしたがってマテリアルを構成する材料となる画像のことをテクスチャと呼びます。
ここで、ディティールのベイクアウトとは先に作ったハイポリモデルの微細な凹凸をもとに、Normalmapとしてローポリモデル用のテクスチャを作成することです。この作業を行うことでポリゴン数をローポリモデルのまま、見た目のディティールをハイポリに大きく近づけることができます。

 以下、EpicGamesのParagonというプロジェクトのキャラクター、Wraithの例  

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Paragon Wraith こいつは上半身、下半身、バックパック、武器の4つのマテリアルから構成されている
 
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同キャラクターの上半身のマテリアルネットワーク 左にある2枚のテクスチャをベースにマテリアルのネットワークが構成されている。

PBRについて詳しく解説すると、それだけで一つ記事が書けてしまうので、詳細な説明はしません。以下のリンクから、unreal engine4におけるPBRの公式ページに飛ぶことができます。非常にわかりやすいので、ぜひ見てみてください。

docs.unrealengine.com

PBRペイントとは、上記のPBRに対応した色塗り作業を行うことです。

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3dcoatによるペイント作業の編集画面
クリスタやフォトショップのような通常のイラストソフトでPBRペイントを行うのは困難なので、ほとんどの場合Substance Painterや3D coat、Mariのような専用のソフトウェアで行います。ペイントしている際の見た目は、描画速度を優先させるために正確さが犠牲になっているので、マテリアルの本格的な作成は次の工程で行います。
また、頂点に対する法線の設定もこのタイミングで行います。


 ルックデヴ:

テクスチャを作成したら、モデルのマテリアルを本格的に作成します。上の工程で色付けたじゃん?と思うかもしれませんがあくまでそれは仮の見た目です。3DCGのレンダリングは非常に複雑なので、同じモデルでもソフトウェアごとに微妙に見た目は異なってきます。そのため、実際にレンダリングするソフト、ゲーム用のモデルであればでゲームエンジン上で、映像作品なら映像をレンダリングするソフトで調整を行います。


リグの作成:

3dモデルを動かすためにはボーンと呼ばれる人間の骨に当たるパーツを設定する必要があります。
各ボーンはメッシュの頂点ごとにウェイトという情報をもっています。ウェイトが1なら、そのボーンに対して100%反応し、0なら全く反応しません。また、ボーンとメッシュを対応づけることをバインドといいます。

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顎のボーンに対するウェイト どのソフトウェアでも画像のように、0は青、1は赤で表現されることが多い
また、人間がそのボーン入りモデルを動かすための仕組みをリグと呼びます。
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みすちゃん3dcgモデル(非公式)の、blenderによるリグ 色のついた図形が"コントローラー"と呼ばれるもので、ユーザーはこれを操作することで直感的に、操り人形のごとくモデルを操ることができる。
これはボーンそのものとは似て非なるものです。機械系の学科の方であればIKやFkといった単語を聞いたことがあるかもしれません。
表情のあるキャラクターに対しては、体だけでなく、顔のパーツに対してもリグを作成します。顔のリグはフェイシャルリグなどと呼ばれます。
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顔のリグは非常に細かいので、画像のように、コントローラーで埋め尽くされている。体とは分けて考えられることが多い 
この工程ではこれら一連の設定を行います。
良いリグを作成すれば、モデルのポージング付けが非常に簡単になります。
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5秒もあればここまでぐにゃぐにゃにできる。
リグに正解はありません。全部入り万能リグを作ろうとするとぐっちゃぐちゃになるので、用途や作り手の癖によってリグは様々です。
また、リグはソフトウェアごとに仕様が違うので、ソフトウェア間の受け渡しは不可能です。


モーフ、アニメーション作成:

 リグ付けが終わったら、それを用いて歩く、走る、武器を使うといったアニメーションを作成します。

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blenderで作成したアニメーションを、UE4で編集している画面 アニメーションの作成はBlender、MayaなどのDCCツールの役目だが最近はゲームエンジンによる細かい編集も可能であったりする
 また、顔の表情は主にモーフというものを用いて変形させることが多いです。モーフはボーンに依存せず直接メッシュを変形させることができる機能です。モーフはリグと違い、ソフトウェアを跨ぐことができるので、ゲーム用のモデルでは、MayaなどのDCCツールでフェイシャルリグを作成し、それを用いて表情のモーフを作成、ゲームエンジンでそのモーフを使って表情を変える、といった手法が使われます。


ここからは、3dcgを取り扱うソフトにはどのようなものがあるか、上記工程のどの部分でどのソフトを使うのかを紹介します。

多種多様な3DCGソフトウェア

みなさんはイラストソフトと言われて何が思いつきますか?多くの人がクリップスタジオやフォトショップ、プロクリエイトを思い浮かべるでしょう。MIS.Wにイラスト描く人はたくさんいますが、ほとんどの人がクリップスタジオやプロクリエイトです。
何が言いたいのかというとメジャーなイラストソフトはそんなに多くないということです。
しかしながら3DCGの世界には大量の3DCGソフトがあり、シェアもかなり分散しています。
これは、各々の3DCGソフトが他にはない強みを持っているからです。

大量に存在する3DCGソフトですが、大きく2つに分類することができます。
先に説明した工程の一部に特化したソフト、先の工程全般を行える統合型ソフトの2つです。 それぞれに強み、弱みがあります。
特化ソフトは特化しているくらいなので、その工程においては統合型よりも優れています。
統合型ソフトはそれ一つで様々なことを行えますが学習コストは高めです。悪く言えば器用貧乏ともいえます。
統合型ソフトは以下のようなものがあります。


Blender

blender.org - Home of the Blender project - Free and Open 3D Creation Software

おそらくアマチュア人気ナンバーワンです。僕も使っています。
このソフトの最大の特徴は完全無料(超絶重要)オープンソースソフトウェアであることです。
そのためコミュニティも極めて活発で、インターネット上の情報量も非常に多いです。
そしてとある理由により今ノリノリに乗ってるソフトです。多分数ある3dcgソフトの中で一番勢いがあります。 その理由は最近の大型アップデートにあります。
現在の最新verは2.82ですが、2.8以前のこのソフトはハイパー変態仕様でした。どれくらいやばいかというとます標準で右クリックです。左クリックでボタン押せません。
またショートカットまみれであり、そのショートカットキーも我が道を行く独自仕様だったので宇宙人専用ソフトでした。人間は使えません。
そのようなヤバイ仕様がver2.8で大幅に改善され、ユーザー数が爆増しました。人間でも使えます。
またオープンソースのためプラグインをだれでも開発することができます。
そのため非常に有用なプラグインがわんさかあり、(Autorig proやFluentとか まじで無限にある)ユーザー好みに設定を変更することも容易です。
ver2.8の今なら初心者にもとてもおすすめできるソフトです。


Autodesk Maya

Maya | アニメ制作ソフト、モデリング ソフト | オートデスク

Blenderがアマチュアに大人気なのに対し、Mayaは業界標準となっているソフトです。例えばカプコンのような大手ゲームメーカーから、ハリウッド映画の製作まで至るところで採用されています。
残念ながら僕はMayaを使ったことがないので詳しいレビューを書くことはできません。僕がMayaを選ばなかった理由は価格です。
こいつは年間30万くらいします。
ただし、商用利用しないならば、学生は無料で使うことができます。
業界標準となっているくらいなので、集団での開発に適しているようです。
このソフトはエンジニアによる拡張がしやすいらしいので、社内のカスタム仕様とかがあるのかな?(俺は使ったことないから詳しいことは知らん)
あと、僕が感じたことの一つとして、学習用の書籍がかなりしっかりしているように思えます。
(業界標準だから?わからん..) Blenderとかはこれわざわざ買う必要あるか?っていう感じの書籍が結構見受けられたりします。
ちなみにきららアニメのNEW GAME!で使われているソフトもこいつです。
涼風青葉さんの気持ちになりたい人は使ってみてください。


Autodesk 3DS Max

3ds Max | 3D モデリング、アニメーション、レンダリング ソフトウェア | オートデスク

Mayaと同じ会社が開発しているソフトです。こいつもmayaほどではないですが業界でよく使われていて、ダークソウルや隻狼作ったフロムソフトウェアはこのソフトを使っています。
これも使ったことないのであんま書くことないです。ちなみにWindows専用です。
聞くところによるとプラグインが豊富らしく、ユーザーによるカスタムがしやすいらしいです。
すごくどうでもいいですが名前かっこよくないですか?


Cinema 4D

CINEMA 4D

ちょっとだけ使ったことがありますが操作性が素晴らしく、非常に扱いやすいです。Mayaからc4dに乗り換えた友達が一人いるのですが、彼も非常に扱いやすいと言っていました。
このソフトの特徴は扱いやすいだけでなく、モーショングラフィックス機能が非常に優秀で、またadobe製品と連携することができます。(Aftereffectsに至ってはc4dの機能制限版が実は内包されてる)
何期かは忘れましたがSAOのOPの開発に使われてました。
MIS.W動画班班長のはしどいくんが使ってた気がします。
また、よくわかりませんがアニメ系キャラクターモデリングでの採用率が高いように思えます。操作性が良く、特にマグネットツールなんかがアニメキャラモデル作るときにとても便利だからではないかと思ってます。 難点としてはこれも価格が非常に高いことですが(というかblenderが無料なのがおかしい)、Autodesk製品と同じように商用不可能な学生ライセンス(無料)が存在します。


SideFX Houdini

https://www.sidefx.com/ja/products/houdini/ https://www.sidefx.com/ja/

一応統合型の枠に入れましたが、明らかに他のソフトとは一線を画す、かなり特殊なソフトです。
ビジュアルエフェクトを作成するのによく使われていたのですが、最近はちょっと違う使い方をされていたりします。
僕も使っているのですが、こいつを使いこなすにはある程度のプログラミングの知識が必要です。
例えば雪の結晶を想像してみてください。言うまでもなく、フラクタルな、再帰的な構造をしています。
これを0からモデリングするのはちょっと大変ですが、Houdiniなら一瞬で作れます。再帰的な構造をしているのでそれをそのままコードにしてHoudiniに渡してあげるとコンピューターがそれに従って勝手にモデリングします。
つまり、モデルをプログラムに従って自動生成することができます。めっちゃ頑張れば街一つ丸ごと自動生成できます。
これだけ聞くとなんでもできるように思えますが、逆に普通のポリゴンモデリングは苦手で、またリグの仕様もかなり特殊です。
人工知能との相性がいい可能性もあり、今非常に注目されているソフトです。
ただし学習コストはかなり高めです。書籍もかなり少ないです。(数は少ないが質は高い そのうちの1冊はやさしいC言語と同じ著者だったりする)
価格は個人ならば年間2万円ほどです(Indieライセンス).
機能が制限されていますが、一応無料の学生ライセンスもあります。


上記のソフトは数あるもののごく一部です。ほかにもmodoLightWaveなどさまざまな統合型ソフトが存在します。

ここからは特化ソフトの紹介です。


Zbrush

唯一神、降臨☆

pixologic.jp

僕が初めて触った3dcgソフトです。僕はこのソフトの信者です。
このソフトはスカルプトソフトという分類で、デジタル粘土を彫刻するようにモデリングします。モデリングというより絵を描く感覚に近いです。
みなさん映画は見ますか?ゲームは遊びますか?
最近の3dcgは本物と間違えるくらいクオリティが高いですが、そのクオリティ高いモデルはほぼ確実にこのソフトによって作られています。
あと世の中のフィギュアも大体こいつで作られています。あなたの部屋にあるその推しのフィギュアのことです
このソフトはモデリングに特化しており、PBRペイントはできず、ボーンやリグの概念すらありません。
しかしながら数千万、数億といった超ハイポリ領域のモデルを簡単に扱うことができ、またローポリモデルも扱え、ローとハイを自在に行ったり来たりできる唯一のソフトです。
それとめっちゃ軽いです。スペックが高くないノートPCでもサクサク動きます。
また、公式の動画が非常に優秀で、ほとんどの機能に詳細な説明動画があります。
さらに、過去にあったイベントに、ニーアオートマタやFF15、隻狼やモンスターハンターの開発にかかわったモデラーを招集したものがあるのですが、その動画も無料で公開されています。
2Bのお尻に対する熱き想いを聞いたときには僕は涙してしまいました。
価格は学生にはちょっと高いですが年間3万5千円です。
とにかく素晴らしいソフトなのでとてもおすすめです。


Substance○○

Substance Painter | Substance 3D

Substance Designer | Substance 3D

Substance Alchemist | Substance 3D

3つありますがすべてテクスチャ、マテリアルを作成するためのソフトです。プロ、アマ問わずPBRペイントで非常によく使われます。僕も使ってます。
Painterがペイントソフトで、DesignerとAlchemistがpainterで使えるマテリアルを作成するソフトです。
テクスチャリングソフトなので操作も簡単で(Designerはちょっと慣れが必要)、またでフォルトの素材が非常に多いのでとても簡単にリアルな見た目のモデルが作れます。
Adobe傘下ですがCCとは別枠です。しかし商用不可の学生ライセンス(無料)が存在します。
ただ通常ライセンスも大学生でも手がとどく良心的な値段です。
初心者にも非常におすすめなソフトです。


3Dcoat

PBR | デジタル彫刻 | リトポロジー | UVマッピング | テクスチャリングソフトウェア – 3DCoat

特化ソフトですが、3つのことができます。ZBrushのようなスカルプト、トポロジー+UV展開(リトポロジー:ハイポリモデルからローモデルを作成する作業のこと)、PBRペイントです。
僕もよく使うソフトですがスカルプト機能はZBrushに劣り、PBRペイントはSubstance製品に劣ります。では何が優れているのかというとリトポロジー機能です。
僕が使った中では一番使いやすかったです。
また、各機能が部屋に分かれており、パイプラインの制御がしやすいです。さらに、全体的に操作が簡単で、すぐに操作を覚えられます。僕も3dcgを始めた直後に購入しました
価格も3dcgソフトの中ではかなり安く、indieライセンスが1万円、機能無制限版が4万円です。定期的にセールを開催しているので買うならその時です。
難点としては個人開発のソフトなのでちょっと不安定なのと、PCの要求スペックが高めなことです。


Mari

Mari | 3D テクスチャペインティング ソフトウェア | Foundry

PBRペイントソフトです。僕は使ったことないので詳しいことはわかりませんが8k、16Kといった超高解像テクスチャを扱えるようです。
そのため映画などの映像作品によく使われるようです。あと確かUDIMの概念つくったのもこれだっけな??
価格は高いですが学生ライセンスが存在します。


RizomUV(旧名:Unfold3D)

RIZOMUV VIRTUAL SPACES AND REAL SPACE - UV Mapping 3D Software - RIZOM-LAB

名前から察しがつくように、UV展開に特化したソフトです。使ったことないですがサイトや動画見る限りかなり優秀なので、ちょっと欲しい....
誰か買ってレビューしてください。価格は忘れました。
ちなみにhoudiniとの連携機能があります。といってもHoudiniでUV展開する人はあんまいないんじゃないかな。


Marvelousdesigner

MarvelousDesigner

僕が今一番欲しいソフトです。ライセンスどっかに落ちてないかなぁ
このソフトは服を作ることに特化しているという、一風変わったソフトです。
しかしその服を作る機能がとんでもなく優秀なので様々な企業が採用しています。アサシンクリードシリーズやメタルギアソリッドシリーズ、あとは隻狼なんかの服はこいつによるものです。
多分僕が知らないだけで採用している大手はかなり多いはずです。このソフトがどれだけすごいかは言葉より動画を見たほうがわかりやすいので、興味のある方はぜひ調べてみてください。


他にも様々なソフトが存在します。また、最終的な画像をレンダリングする専用のソフト、レンダラーと呼ばれるものもありますがここでは割愛します。(多分レンダラーどれにしよう??って悩んでる人は僕の助言はいらないと思います。)

長くなりましたが、最後に書籍や情報に関して個人的な意見を述べて終わりにしたいと思います。
まず書籍ですが、これは初心者であるほど買うべきです。googleは優秀ですが情報が書籍ほど体系的にはまとまっていないです。
初心者の方は、自分が使うソフトの教科書を一冊買って、ますそれを一通りこなすことをおすすめします。
あと本買うときはいきなりアマゾンぽちーじゃなくて必ず本屋で目を通しましょう。早稲田の近くだと、渋谷のマルゼンのジュンク堂はかなり3dcgの書籍が充実しています。
インターネットのサイトは3dtotalや3d人なんかを僕はよく見ます。

3dtotal.jp

3dnchu.com

これでこの記事はおしまいです。
明日はMIDI研会長のレベッカさんの記事です。お楽しみに!