この記事はMIS.W アドベントカレンダー2020 11日目の記事です。
みなさんおはようございます!!!!!!!
MIS.W 53代美少女に敬意を払おう研究会のうでメガネ(柳田)です。
情報理工学科に所属していますが情報工学と全く関係のない記事です。
この記事を一言でまとめると「ふとももがすごい」です。
僕は趣味で3DCGをやっているのですが、先日こんなものを作りました。
ふとももがすごい
ライザのアトリエ2というゲームの主人公ふとももがすごい、ライザリンシュタウトさんふとももがすごい20歳でふとももがsす。ふとももふとももふとももふとももふとももふとももふとももふとももふとももふともも
こちら↓のプレミアムBOXのカバーイラストふとmを立体に起こしたものです。ふt
このふとももを見よ!!!!!
実はふともも以外もすごい
僕はこれまでこのようなゲーム向け3Dモデルでない、フィギュアっぽいものを作成したことはほとんどなかったのですが、いざ作ってみて一つこんなことを感じました。
これ、絵を描くよりも楽な気がするぞ.......?
というのも、イラストは常に視点がキャンパスに描いたイラストで固定なのに対して、3DCGだとぐりぐり回し放題なので、パースの狂いや歪みに圧倒的に気が付きやすいからです。
そして、ゲーム用モデルのように動いてもらうモデルだとハイ/ローモデル双方の作成、UV展開やベイク、テクスチャペイントに、ウェイトペイントやリギング、マテリアルの設計といった3DCG特有の作業が一気に増えますがZbrushを用いた静止画向けモデルだとそのようなことを考える必要はほとんどありません。
形を作って、色を塗って、レンダラーの設定をちょっと弄れば完成です。
この事実に気づいた僕は是非とも3DCG女の子メイキングを布教したかったのですが、残念ながらMIS.Wには3DCGをやっている人はほとんどいません。
そしてこの3Dモデルの作成に使用した3DCGソフト、ZBrushを使っている人間は53代の引退によって(たぶん)MIS.Wから消滅します。
そこで、今回は上に載せたZBrushによる3Dライザの製作過程をそのまま記事にしたいと思います。
3dライザ制作時には、こちらのサイトとこの参考書を参考にしました。
注意点として、僕は3dcgを触り始めてもうすぐ2年ほど経ちますが、作った3dモデルの数はせいぜい十数個です。フィギュア原型師や企業の3DCGモデラーといったプロの腕前とは程遠いレベルにあるので、今回作成したモデルには改善すべき点が多くあり、またワークフローも若干よろしくない部分や本来行うべき作業を飛ばした部分がいくつかあります。
しかし、いままで3dcgに触れてこなかった方がこの記事を見て「意外とハードル低いんだな」と感じ、ZBrushに少しでも興味を持ってくれたら幸いです。
では、さっそく解説していきます。
ZBrushでかわいい女の子を作ろう! ~ライザ編~
プロジェクト作成
今回はzbrushにデフォルトで入っているアニメ調のマネキンヘッドからスタートしました。
球体をいじくってざっくりと体を作る
このままだと体が無いので、球体をいくつか出して、それをこねこねしてざっくりとした体を作ります。 顔もmoveブラシでライザっぽい顔に変形させておきます。(ZBrushではイラストソフトのペン・ブラシに相当する、彫刻刀のような機能を持ったブラシというものがあります。このブラシを使用して、3Dオブジェクトをこねこねしていきます。) 今回は、上の画像のように16個のパーツからざっくりとした体を作りました。(15個の球体を追加して編集した。四肢はミラー)
ざっくりとポーズを付ける
トランスポーズマスターという機能を使ってポーズを付けます、が、ミスっていろんな箇所がふにゃふにゃになってしまいました。単純にギズモ3dでポーズ付けても良かったかもしれません。
ぐにゃぐにゃな部分は手作業で、standardブラシやsmooth、smooth altブラシ、craybuildupブラシなどで修正しました。
細かい修正は後で行うので、いまはざっくりとした形状に留めました。
髪の毛を作る
髪の毛の作り方は無限にあります。ググったらググっただけ出てきますが、僕は球体を変形させてひと房ひと房作りました。
適当にmoveブラシでくにゃっとさせたら....
Ctrl+ギズモ移動で房をコピーして増やしていきます
房の形状を整えるために、TrimCurveブラシを使い、適当に切断しました。
これをひたすら繰り返して髪の毛を作ります。帽子も同じく球体をmoveブラシでぐにゃっとさせてからTrimCurveでパキッとさせます。
最後にDynameshで全部合体させた上で形を整えて、ZRemesherでリメッシュすればそれっぽい形になりました。 面取りやすじの細かい調整は、hPolishブラシやPinchブラシを使用しました。
服を作る
体はだいたいざっくりとした形になったので、服を作っていきます。
よくある手法は体に適当な形でマスキングして、抽出を行うことで服を抜き出して作ります。白いシャツはそれで作成しました。
しかし、ホットパンツはちょっと難しいです。ライザは超絶ムチムチ体系 (これのどこが普通の女の子だ)な上に今回のポーズは様々なパーツ (ふとももとおっ○い、そしてそれらに挟まれたベルトと服) が密着していてかつおもいっきり足を開いているためです。今回はZModelarを使ってローポリから作ることにしました。
ZModelarはZBrushのブラシの一つですが、いわゆる他ソフトのポリゴンモデリングに相当する機能が搭載されており、これ一つでポリゴンモデリングが完結してしまうほどに非常に高機能なブラシです。操作感も他の「描く」ような感じとは打って変わり、普通の統合型3DCGソフトでモデリングしている気分になります。お前は本当にブラシなのか...?
ZModelarで、板ポリや円柱といった基本形状からぐりぐり作っていきます。エッジ/面押し出しや結合などを駆使して大まかな形状を作り、スプリットやベベル、ブリッジ、ループ挿入などで細かい編集をしました。
服を作るついでに鎖骨や胸の位置など、素体の調整も行いました。
ざっくりとした服ができました。ついでに簡単なたると杖を置いておきます。
指を作る
放置していた手を作ります。いきなり曲がった形状の手を用意するのは難しいので、パーの形状の手のひらを用意し、それを曲げて作ります。
小物を作る
細かいパーツも作り始めます。これも作り方は無限にありますが、例えば鍵はサブディビジョンをかけまくった板ポリにマスクで模様を描き、それをポリグループ化、境界をポリッシュしてZmodelarで立体にし、Zremesherでリメッシュしてから適当にこねこねして作りました。 簡単な形状ならこのやり方はかなり高速に作れます。 細かいところを作りこみたければサブディビジョンを掛けて彫り込めばできます。(が、めんどくさかったので今回は簡単な形状で終わりにしました)
靴は前述のマスク部分抽出を行って外形を作りました。
靴のベルトっぽい部分はZModelarで作ります。
他の部分はほとんどZModelarです。服と同じ要領で基本的な形状をゴリゴリ編集して作ります。
服の袖は円柱をベースにZmodelarのスプリットや削除で穴を開け、エッジ押し出し/Qmeshで厚みと足りない部分を引っ張り出しました。あとはmoveブラシとstandardブラシで変形させました。
色を塗る
色が載っている状態だと細かい造形がしにくいので、 本来この工程は形をしっかり作り終えてからやるべきです
まだまだ作り終わっていない部品がたくさんありますが、サークルの発表会の締め切りが迫っていたので色を付けはじめました。 マテリアルの設定は参考サイトのものとほぼ同じで、skinshader4を少し改変したものです。金属部分にはmetal1など金属系マテリアルをベースにしています。
色を塗る::顔を描く
顔も書いていきます。僕は強度を0にしたstandardブラシで色を塗っています。 目やまゆげは左右対称をかけて描きました。
色を塗る::影を塗る
これは気合で塗るしかないでしょう。せっかくZbrushを使っているので服のしわなど細かい部分をしっかり彫り込みたかったのですが、時間がなかったのでざっくりと終わらせて軽く色をぬってごまかしました。
皺など細かいディティールを彫り込む
色塗りの前に本来はやるべき工程です。今回はスキップしました...ごめんなさい.....
杖を作る
杖は最後に作りました。 円柱をベースにZmodelarでサクッと編集しました。
円柱ベースのハードサーフェスな形状はZModelarを使うと非常に簡単に素早く作れるので今回の杖はかなり楽でした。
ZModelarで作成した状態そのままなのでパキっとした部分が見えてしまっています。 パキっとさせたいところにクリースをかけてダイナミックサブディビジョンをかけると綺麗な見た目になります。
レンダリング && 微調整
大方のものが完成したので最後にレンダリングします。 aoとsss、アウトラインを適当にかけます。杖の球体部分は半透明なので、その設定をします。 また、最後全体を俯瞰してみてみるとちょっと手直ししたほうが良い箇所が大抵あります。
今回は口とまつげの形を微調整しました。
できました!!!!!!!!!!
再掲です。制作時間は20時間くらいでしょうか。
細かいディティールや色塗りを結構端折りましたが、それなりの画になりました。
ZBrushは3DCGソフトの中ではかなり癖のあるソフトですが、もともと絵を描いていた人からすると一番とっつきやすい3DCGソフトだと個人的には思います。ペンタブレットやサイドカーipad、タッチ・ペン入力対応液晶のラップトップなど、筆圧検知できる入力デバイスは必要ですが、早稲田パソコンのような普通のPCでもサクサク動くので、興味のある方はぜひ試してみてください!!!(Windows or Mac、Linuxはダメ)
ちょっと値段が高いですが、無料の試用期間が30日間もあるので、興味のある方は購入前に試しに何か一作品作ってみると良いでしょう。公式の動画や、プロのメイキング動画、記事もyoutubeに大量にあるので学習も容易です。
ZBrushが大好きな人間でメインマシンのOSがLinuxの狂人はmiswだと僕しかいないのでほとんどのみなさんには関係ない話ですが、残念ながらLinuxでは動作しません。Win or Macです。完全に蛇足ですがLinuxで動作する3DCGソフトは少ないです。blenderやHoudini、rizom uv、3d coat、Substanceシリーズ(RedHat系に限る)あたりでしょうか。LinuxではDirectXはそのままでは動かないのでLinuxで動かす旨味があるのはhoudiniくらいしかありません。
3DCGに関してはプリレンダ専用サーバー機とかじゃない限りWindowsが一番優れた開発環境です。Linuxの人は素直にネイティブwinマシンを用意しましょう。
明日は元幹事長birakiさんの記事です!お楽しみに!