MIS.W 公式ブログ

早稲田大学公認、情報系創作サークル「早稲田大学経営情報学会」(MIS.W)の公式ブログです!

【カウントダウンカレンダー2022冬11日目】今年、MIS.Wで観測したお気に入りの作品10選

はじめに

 ごきげんよう。57代の旬の筍と菊を食うです。こちらは少しひんやりとした夜です。冬もだいぶ手が温まってきた頃でしょうか。

 今回はタイトル通り、MIS.Wで観測したお気に入りの作品を紹介していきます。よろしくお願いいたします。

本文

その1

  • 作詞・作曲 : だんご仙人 さん
  • 背景・イラスト : シンノ さん
  • 動画 : つむ さん

 聴いてください。そしてクオリティに悶絶してください。

 まずだんご仙人様のお洒落Kawaii音楽に耳が持っていかれます。ジャジーなイントロで心を掴み、キラキラのAメロで盛り上げます。そしてBメロの懊悩で一旦落とし、サビでキャッチーに掴んでくる流れが模範的です。加えて、独特のハモリで新鮮さを加えてくれるので心置きなくノリノリになれます。そしてアウトロまで作り込んできっかり2分です。天才ですね。

 そして次にシンノさんのケモミミのターンです。属性をこれでもかとキャラクターに詰め込んでいて最高ですよね。私は特に獣を感じる鋭い瞳孔が好きです。(瞳を閉じた笑顔や寝顔とのギャップが素晴らしい。)それから、地味に序盤に描写される大人びた姿もたまりません。

 最後にこのクオリティーの暴力を圧倒的デザインセンスでまとめるつむさんです。アニメーションMVを作るのは初めてらしいです。半端ないですよね。そしてProcessingとUnityで動いてるらしいです。レイヤーを用いた三次元的な表現が特徴的であるのも、ツール故なのでしょうか。キュートなコミック調とオシャンティーが同居していてたまらないですね。

要約 沢山聴いてます、ありがとうございます。

その2

  • 曲、イラスト、動画: すい さん

 聴いてください。全てにおいてハイセンス突き抜けていますよね。ダウナーな調子で淡々と進む中に裏切りの展開が巧みに混ぜ込まれているので、全く掴めた感じがしないんですよね。しかし、全てのパーツが秩序立っている。実に不思議です。

 音楽、まず編曲のレベルが高いですよね。すいさんの曲はメロディーの音選びが独特なのですが、楽器隊に秩序を与えることで安定しているんですよ。スネアの裏打ち、ベースの音選びなど、ピンポイントで穴を突いてくるところが天才だと思います。

 歌詞も一見すると小説のようなのですが、音を伴うと秩序を持ったリズムとして耳に入ってくるので心地よいです。選ばれた単語一つ一つが過不足なく歌を組み上げていく感じがします。

 それから絵が一番好きなんですよね。これも同じく必要最低限の線画でありながらも雰囲気があって良いと思います。人物のメランコリーな風貌が美しく、ラフな動作を感じますが、一方で崩れた感じはしないですよね。このバランス感が素敵です。

要約 数学を感じる。

その3

  • 曲、動画: ゆま さん
  • イラスト: 澱。 さん

 お次はゆまさんの曲です。初投稿らしいです。まずギター、ドラム、ボーカルの絡み合うリズムがあまりにも天才です。シューゲイザー的な気持ち良さのある音作りでここまでラフに刻まれたら昇天してしまいそうです。リズムのレパートリーが多くて素晴らしいですね。

 そして盤外な感想なんですが、動画のデザインが良いですよね。これだけ音楽を動かしておきながら初志貫徹で淡々とメッセージを書き遺していく感じがエモーショナルです。しかしながら、イントロの大きなロゴと足元を映す粋な演出で掴みを作っているんです。求められているものを理解している感じが全知全能だと感じます。

要約 天才だ。

その4

  • 絵: タデザワ さん

 お次はこちらタデザワさんの絵です。これ見てください。出色の美しさじゃないですか。私はCG研の発表会で一目惚れしました。

 まず表情がいいですよね。この誘なうような、嘲笑うような、それでいて無邪気に笑っているようにも思える不思議な目元が惹き込まれます。そして視野をひろげると、純白の衣装と対比するかのように少し毒々しい影を帯びた、けれど美しい花々が最高に呪われた甘美を醸しているんです……と思いきや奥の花たちが綺麗に並んでいることに気付いた瞬間が怖いんです。踊ってないですか?と。そして幻想的な宙が見下ろしているところまで完璧です。

 といった具合に、これまた構図の奥行き、解像度の違いによるストーリー性が凝っていますよね。少し低い視点だったり、魚眼気味の歪みがまた場に臨場感を与えていて、これも引き込まれる要因なのかなと思います。どんどん奥に進むにつれて抽象的になっていく中で、具体的な艶を帯びた人物がより一層光っていますよね。

 それからまだ言いたいことがあって、皺や影が取り分け美しいと感じます。特に背中のあたりに存在感というか、皮膚を感じませんか?

要約 美しい。

その5

  • デザイン、モデリング: あさのもめん さん

 お次はもめんさんのCGです。まずは見てください。なにやらレトロモダンな飛行船の設計図のようです。感じませんか?溢れんばかりのロマンを。

こういう超絶細かい設定資料みたいな作品が大好物なんですよね。もっとください。

 私の一押しポイントは、羽の付け根の部分が目のように見えるところです。無機物はしばしば、組み合わせによって顔みたいに見えることがあるじゃないですか。車を正面から見た時のライトなど。そういった要素が垣間見えると妙にリアルというか、逆に作為的じゃない秩序を感じて好みです。

 それから設定もかっこいいです。これは2049年らしいです。一体そこに辿り着くまでに何があったのでしょうか。もしも我々と同じ時空なんだとしたら、VRで乗ってみたいですね。

要約 クジラちゃん。

その6

  • イラスト: シンノ さん

 お次はこちら。シンノさんの絵です。さあ行こう!という感じで窮地に手を差し伸べてくれるシーンのようですね。雰囲気が格好良すぎませんか?

 まず、先程も言及したんですが、眼力が良いですよね。しっかりとこちらを見据えている感覚が解放感を極限まで高めています。一方で覗く尻尾や耳のふわふわ感も欠かさない感じがどこまでもケモミミ愛を感じさせます。

 それから、加工が凄くかっこいいですよね。RGBで座標をずらしてノイズのような雰囲気を出しているんでしょうか。おかげで臨場感がヒリヒリと感じられてたまりません。

 オマケに少し語らせてほしいところなのですが、インナーがセーラー服のようなデザインになっていて、グッときますよね。バックグラウンドのストーリーをいろいろと妄想してしまいます。こういう燃えるロマン要素を欠かさないあたりがシンノさんらしくて素敵ですね。

要約 私も連れて行ってくれ。

その7

vsco.co

  • コラージュ: Kei さん

 お次はKeiさんの幻想的な一枚です。(このページに他にも沢山作品があるので是非見てください。かっこいいです。)

 こちらもCG研の発表会で一目惚れした作品の一つです。ファンタジーとリアルな感じが両方あって怖くなっちゃいますよね。Keiさんの作品はいつも現実感と空想感の塩梅が独特で、映画のような印象があります。少しホラーな壊れ方なんですが、一方で妙な納得感があります。技術力の高さ故なのでしょうか。

 考えてみれば、この感想はコラージュのコンセプトそのものですよね。現実離れした組み合わせに実在感を与えて融合する。真に迫っていると感じます。

 特に誘う手の影の感じがゾゾっときますよね。人間って綺麗すぎるものには恐怖を感じてしまったりする生き物だったりするのですが、まさにそのような感覚ですね。画面の前の私が攫われそうです。

要約 深すぎて語彙力不足。

その8

ふにふさんの絵
(ご本人に許可をいただいたので御写真を直接掲載。)

  • イラスト: ふにふ さん

 お次は55代のふにふさんのイラストです。これは早稲田祭で配布されたCG研の同人誌の表紙です。会場で同人誌を受け取った私は、「おお〜!どうもありがとうございます!」と言い残し、そのまま座って眺めてしまったほどに感動しました。ダンディーでとても格好良いです。

 人物の魅せ方が抜群に決まっているんですよね。まず目が合います、そして赤い瞳と反射する緑色のハイライト、くっきりと強調された目許が年季を感じさせます。一方で、それ以外のパーツは若々しいですよね。手前に映る細長くて綺麗な手や、透き通った肌、艶のある髪など。それ故に妖しい魅力を感じます。ゴツゴツした首元がまた対比として素敵です。

 特に髪のハイライトが独特で、少しビビッドというか、彩度が高めな色が混ざっていて、その細かで潜在的な効果が絵をより刺激的にしている気がします。現実離れしているのが逆に現実的だといえばわかりやすいでしょうか。 

 それから先ほどから何度か指摘していることなのですが、やはり空気感を感じる絵というのは遠近感の使い方が巧みですよね。こちらの作品は先ほどまでの例とは逆に、手前のものをピンボケさせて奥のものを強調するという構造になっていて、奥行きを感じさせます。と素人目に思いました。

要約 イケメンだ。

その9

  • イラスト: あんび さん

 お次はあんびさんの絵です。空気感がとても素敵じゃないですか。あんびさんの絵は毎度空間、とりわけ光の表現がとりわけ美しいですよね。ambientが名前の由来だったりするのでしょうか。(一度も当てたことがない名(前)推理)

 文学少女、でしょうか。暖かい光と対比される何処か冷めたような顔つきで座る(佇むと表現する方が適当でしょうか?)様子が凄く綺麗ですよね。冗談抜きで画面の中の人物に惚れそうになりました。

 それから、絵本調、あるいは厚塗り風などと表現するのでしょうか。少しレトロというか、アナログな感じのテクスチャがより温かみを感じさせていて良いですね。この光の融合はデジタルならではという感じがします。アトリエに置かれた絵に窓から光が差し込んでいるかのような錯覚があります。不思議ですね。

 加えて、細かいところなのですが、小さなアクセサリーがとても丁寧に描かれていて、すごく素敵だなと思いました。服装も素朴というか、何処か牧歌的ながらもお洒落を押さえている感じがして良いですよね(私は生涯Tシャツとジーンズで生きているので詳しいことはよくわかりません。)

要約 好みだ。

その10

  • 作曲、編曲: 9W3R7Y さん
  • 作詞、歌: あずきうい さん
  • ギター: Tsuyoshi A. さん
  • イラスト: curelika さん

 最後は我らがMIDI研会長の傑作です。語るよりまずは聴いてみてください。

 兎に角優しく、音色も、響きも、歌詞も、歌声も。くわーてぃワールド全開です。

 まずメロディーセンスが最高ですよね。とても耳に残ります。歌メロとしては異端な長さのフレーズですが、それが逆に歌詞の畳み掛けるようなメッセージ性を誘発していて化学反応という感じがします。共作ならではの魅力ですね。

 それから、音作りも最高ですよね。彼の確かな知識と繊細な耳に裏付けされたサウンドは安定感の塊で、聴いた瞬間誰もが惚れ得る魅力があると思います。

 例えばギターについては、とある信号処理の技術でカッティングの打撃音と調波音を分離することでこの優しいサウンドを実現しているとのことです。

参考:

生音屋としてはコンプレッサーをパラレルで挿して調節するか、ボリュームオートメーションを書くか、あるいはディエッサーを挿すかなどと考えてしまう場面ですが、ここで波形編集という発想が出てきて、実際にアタック感と落ち着きを両立したギターの音を生成してしまうとは凄いです。

 そして歌詞、わかり手の犯行ですよね。私は「君は優しくなる」という一節がお気に入りで、ここを使いたいがためにリミックスを作成させていただいたほどには気に入っています。指し示している内容そのものは哲学的なんですが、使われている語彙が幼いというバランスがくわーてぃさんの優しいハウスと調和していて至高です。

要約 いい曲ですね。

<謝辞>

 はい。以上です。拙い、というか暴走した感想でした。素敵ですよね、本当に。

 実のところ取り上げたい作品は数多残されているのですが、私の語彙力貯蔵量と相談して断腸の思いで数を絞りました。また機会があれば。(まだアップロードされていないものもありますし。)

 さて、快く掲載の許可を頂きました皆様、ありがとうございました。眼福、耳福でした。それから、アドカレ運営さんもお疲れ様です。執筆楽しかったです。

次回は56代のYAMAさんの記事だそうです。一体何がやってくるんでしょうか。乞うご期待。

それでは達者で。