MIS.W 公式ブログ

早稲田大学公認、情報系創作サークル「早稲田大学経営情報学会」(MIS.W)の公式ブログです!

西瓜に塩理論[AdventCalendar12日目]

みんなちゃんとしたこと書いててすごいなあと、ただただ思います。。48代のmeltonです。

せっかくかずすくない文系なので、自分が専攻している分野(おもに言語哲学)のことでも書こうかしらと思っていたのですけれども、たかすみくんがすでに哲学っぽいことを書いてらしたので、かぶってしまうのもしのびない。。 そういうわけで、今回はじゃあ、みすでなにかを作るひとたちにとってちょっとでも足しになればいいなぁという思いから、僕がふだん文章を書いたりイラストを描いたり曲を作ったりしているときに共通して気をつけていることをとりとめもなくお話ししてゆくことにします。かなりつまらないと思いますけれども、、よろしくです。

まずみなさんこの記事を見てへんなタイトルだなあと思ったと思います。知っているひともいるかと思いますけれど、たまにこのことば、ツイッターでもつぶやいています。この「西瓜に塩理論」というのは、かんたんにいってしまえば「アクセントを入れましょう」ということなのですけれども、まあ、なんだかなまえをつけたほうがかっこいいではありませんか。西瓜に塩理論。あたかもレベルの高い話をしているかのような気分になれます。えっへん。

その理論の全文がこちら。

“「西瓜はそのまま食べてもおいしいけれど、それにあえて塩をふってみると、そのしょっぱさによってより甘みが引き立てられ、西瓜のあじわいが増す」という現象に似た例が、なにかをつくることにおいても成り立っている”

あの、じつはこれはじめは疑問形だったんです。つまり「西瓜に塩仮説」だったんですね。でも1年間とちょっとやってみて、だんだん理論になってきたような気がしてます。気がしているだけです。

ではでは具体的にはどういったことがこの理論で説明されるのか、というお話をなるべくかんたんにしていこうと思います。

まずイラストのほうから。 イラストは僕の場合ただ線画を描いてもそもそとぬっているだけなのでたいした技術があるわけではないのですけれども、色選びの場面ではいくらか意識して塩をふっています。 「補色」を意識するのがその最たる例です。

たとえば典型的な女学生の制服としてのセーラー服のスカートを想像してみてください。 それを描いて、色をぬるとなったとき、たぶんとくにこだわりのない人はほとんど黒から濃い青緑色のあいだの色でぬると思います。影の部分は、よほどのことがなければベースとなる色を「濃くした」(あえてこの表現をつかっています)色をつかうはずですから、さきほどの範囲はおそらくほとんど出ないと思います。 そうしてできあがったスカート。もちろんきれいです。ちゃんと影もあります。この状態が、いいですか、「西瓜」です。 もちろんこのままでもぜんぜんいいのです。西瓜おいしいですもん。 狭い範囲におさまった色ぬりは安心感をあたえますし。

でも僕はより複雑なものがすきなので、寒色系の補色である黄色~オレンジあたりの色をアクセントで入れます。混ざりきらないレベルで混ぜます。一般的なお話をしているので、レイヤーモードとかはみなさんにお任せします。いろいろ試してみてください。いずれにしても紙面上で色を混ぜるイメージですね。この補色が、さっきの理論での「塩」にあたります。 ハイライトの近くにぽぽんっと色を置いていく感じでやるとうまくいくような気がします。気がしているだけです。

そうして得られる効果というのは、ひとつは単純に絵の情報量が増えるということ。深みが出るということです。そしてもうひとつ本来相反する色ですから、近くにあるだけでおたがいがそこにいることが強調されます。ベースの色のよさをより印象付けることができるということですね。ほんのひと手間でこの効果。これは強い。

曲作りについてもおんなじです。 基本の部分を西瓜、なんかへんなものを塩とすればよいのですね。 先日よこへいくんの講座を聴いていたひとはわかるかと思うのですけれども、あるスケールを決めたとき「ふつうのコード」が7個あるんでしたよね。 それらをつなげていけばいいかんじになります。感動的にもなります。 だけれど、どうしてもやっぱり耳慣れた感じになるというのは避けられないことです。(逆にいうと耳慣れているからすんなりきれいなのです) これが西瓜です。 じゃあ、塩ってなんなのというと、その調のドレミファソラシにあたる7つの音じゃない音(Cメジャースケールだったときは黒鍵にあたる部分です)だったりとか、そのとき鳴っているコードにたいして「テンション」って呼ばれてるへんな音だったりとか…がありますので、気になるかたは調べてみてください。これがいちばん手の届きやすい塩です(これ以外にもつかみにくい塩もありますがわかりやすいのがこれなので今回はこれくらいで)。これらの塩をふると耳に比較的新しく聴こえておしゃれでかっこよい、みたいな感じになります。優しい感じにもできたりします。ミラノ風ドリアにしきつめる唐辛子フレークもみたいにね。

そしてそして、最後に文章についても書いていこうかしらとおもっていたのですが、しょうじき文章について考えてみると、曲や絵よりも一般化しづらいのですね。みんな話す言葉ちがいますし。。 なので文については色々と御託を並べるのはナシにします。。

ともかくです。けっきょくイラストでも曲でも文章でも、なにを作るときでも「こういう心がけは有効な場合があるんだな」くらいに思っていただければ僕がここにながながと書いたことが報われます。。ポイントは「複雑さを増して深みを出す」と「もとのよさを引き立てる」ってことですね。僕自身ちゃんとできているわけではないですが、、それはおおめにみてくださいまし。。

…と、ここまで書いてみましたけれど、、どうだろう。。ちょっとは役に立ててるとうれしいです。具体的なことひとつもいってないので、実践するひとりひとりのなかで、おのおの再翻訳していただくのがいちばんおわかりいただけると思います。「西瓜に塩理論」です。なまえだけでも覚えて帰ってくださいね。「酢豚にパイナップル理論」でもいいです。こころのかたすみにでも置いていただければ幸いです。実践だいじ!