Merry Christmas !
先日引退しました48代のよこへーです。僭越ながら、今回のMIS.Wアドベントカレンダー企画の最後の文章を私が担当します。ここまで閲覧くださってありがとうございました。
前回のアドベントカレンダーでも先頭を任されたりと、企画が立つ度重役であることが多かった私ですが、全体としても個人としても最後である本記事は、どうしても技術的な文章より総括になりそうです。お許しください。
突然ですが、創作に勤しむ皆様は、何を原動力として創作活動を続けていますか?
「何かに憧れて真似をしたくなったから」、「人に聴かせて褒められたいから」…と、様々な理由が挙げられます。しかし、思い浮かべたそれらの理想は、私の原動力にはなりません。なることにはなるのですが、力として弱いというか。
私の回答は「悔しさ」です。それは私の中で「嬉しさ」の数十倍の原動力になります。ここからはMIDI研らしく音楽の話と絡めてお話します。
動画or画像投稿サイトに何かしらのメディアを投稿した経験はありますでしょうか。たくさんの匿名の方が、自分の創作物を言わずとも見て聴いてくれる素晴らしい場所であると考えています。
それらのサイトには、コメント機能があったりします。私が自信を持って投稿した動画には色んなコメントを残してくれます。
「すごい」、「感動しました」、「聴き入ってしまいました」、「どこかのプロですか」
普段は絶対に言いませんが、DTMをやってきた約9年間いつの日も、これらのコメントが書かれるたび心の中では嬉しさで踊り狂っています。一方、匿名性の高さゆえかこんなコメントも残してくれます。
「何か足りない」、「厚みが欲しい」、「ここがおかしい/違う」、「微妙」
普段いつも言っているのですが、DTMをやってきた約9年間いつの日も、これらのコメントが書かれるたび悔しくなります。何がいけなかったのか、どこがおかしかったのか。先ほどの「嬉しい」が一瞬だけ吹っ飛んでしまいます。
しかし正直に悪い部分を指摘してくれると、自分だけでは気付けない改善点が見つかります。これがクリエイターの成長を助ける大きなポイントであると思います。ここで気を付けてほしいのが精神面の管理です。「悪い評価は、ときに投稿者を傷つける」という例は少なくないです。悪い評価というのは視聴者の関心の現れであって、「改善の余地がある」という事を示してくれていますので、どうかそんなにネガティブな気分にならないように。
そして今年2015年は、私のDTM人生の中で「最悪」と言って良いほどの評価を自分で下しました。私の曲を高く評価してくださるのはもちろん嬉しいです。しかし今年は外向きな結果が全くついてきませんでした。
私は大学に入学して以来、本サークルmisw以外にも、大学内外で様々な外部企画に参加させていただきました。しかし残念ながら、デモ曲を送って企画を断られるという事もあります。2015年の後半にかけて、3件連続で断られてしまいました。さすがに少しネガティブになってしまい、3件目を断られた瞬間「もうDTM辞めたい」と、心の中で何度も何度もつぶやきました。自信が無くなると、良くない事って立て続けに起こりますね… ということで、今年は「創作面において自分の年ではなかった」という結論を出しました。つらい。
それでもこの記事を書いてる今、また新たに曲を作りたいと思いました。やはり理由は「悔しさ」です。期待して送り出した曲が跳ね返されて、あまりにも諦められない、悔しい。そんな感情が日を追うごとに強くなってきました。二度あるか分からないような強い刺激をもらえたので、充分議論し納得のいくようなダメ出しをしてくれたクライアントの皆様には感謝しています。断られたのに感謝するのはちょっとだけ変ですが(笑)
…と、このような経緯がありまして、「悔しさ」という回答をさせていただきました。「では創作活動は何のために?」という議論もしたいところではありますが、哲学的な要素を含むので、人生をかけて探していきましょう。正直「チヤホヤされたいから」っていう理由も大いにアリだと思います。そのためにも、人に埋もれないように上を目指して、多少苦しまないといけないのですが。
「創作の灯火」は、ある日・ある期間・ある機会に突然発生し、何もしなければそれは段々と小さくなっていきます。その灯火を強く、自分の色にしていくには燃料となる「薪」が必要です。同じ事をし続けると、その場にあった「薪」は次第に無くなっていきます。知らない場所に一歩踏み出すことで、新しく、ときに質の高い「薪」を手に入れることができます。少しばかり危険ですが、そうやって火をおこし続けた人々の創作物は、他の誰の色でもなく、圧倒的に強く輝いて見えます。
最後になりますが、活動中ヘラヘラしててあんまり強く発言せず、プロでも何でもなかった私が、あえて強く厳しい言葉で皆様の「創作の灯火」に「薪」をくべることで今回のアドベントカレンダーの締めとさせていただきます。ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。これからのmiswをよろしくお願いします。
真の意味で自らの創作物に満足した瞬間に、その人のクリエイターとしての人生は終わりです。口に出さなくても良いです。創作に対する好奇心や悔しさ、そしてその向こうにある楽しさを忘れないでください。
48代 元MIDI研会長 Yokohei(またはCrawk)