どうもこんばんは、アドベントカレンダー7日目担当50代shichiです。メンヘラって言うな
寒いこの季節を皆様方はいかがお過ごしでしょうか。僕はオフトゥンに下半身を食べられてしまったので1.2限を切らざるを得ない体になってしまいました。
アドベントカレンダー担当に指名された当初は厚塗りやグリザイユ画法、Apophysisを用いたフラクタルデザインなど、書こうと思う内容は沢山ありましたがよくよく考えてみるとどれもggれば載っているようなものばかり。そこで自分にしか書けないようなアドベントカレンダーとは何ぞや、と考えてみたところイラストを描くにあたって何を考えているのか、どのように描き進めていっているのか記してみてはどうだろうと思い至ったわけであります。
あくまで僕なりの制作方法なのですべての人に当てはまるというものでないということは重々承知なのですが、この制作方法もいろいろな方のやり方の影響を受け、最終的に固まったものです。どこかの誰かの参考になることを願っています。
と、いうわけで本日のアドベントカレンダー7日目は堅苦しく、僕が「どのような経緯で絵の完成に至るのか」について実例を用いて説明していこうと思います。「人体の描きかた」「ペイントソフトの使い方」みたいな講座はほかの人がやってくれると思うので俺はただかわいい絵が描きたいんだ!!!!という方は後日のアドベントカレンダーの更新を楽しみに待っていてください。初めに言っておくと僕の絵は暗いです。
1.キーワードを選出する めんどくさいけどいつもこうしてる。
イラストを描くにあたって何かその作品の核となりうるキーワードの選出が必要です。核となるワードがあることで常にテーマの存在を意識することが出来ますし、構図やキャラクターを考える際にある程度選択肢(色や形など)を狭めてくれるので製作が楽になります。
選出方法は人それぞれで構わないのですが僕はまずワードなりメモ帳、もしくは実際の白紙などを用意して自分の思いつく限りのキーワードを書きなぐります。これはフラストレーションがたまっていないのに描かなくてはならない時に有効で発想を生み出してくれます。何か強く伝えたいもの、描きたいものがある方はこの過程は飛ばしてくれて構いません。大体紙一枚くらいがワードで埋め尽くされたら、その中から1つのメインキーワードと複数のサブワードを選出します。図はその時のものです。
サブワードは多めに選出しておき、後から削っていくのがいいでしょう、そのための「書きなぐり」です。(くさそう)
2.言葉を概念→具体へと変換する ここら辺半裸でかいてます
ここが説明がなかなか難しいところですが一例をお見せしましょう。こちらの絵は早稲田祭画集の「恋」というテーマで描いた絵です。
タイトルは「ピストルに花を込めて」にしました。
タイトルの謎はおいておいて、伝言ゲームのように概念(メインワード、キーワード)を具体物へと変化させていきます。
一例としては
恋→熱→明かり→火、ランタン
→純情→セーラー服、花
→孤独→穴、交わらない管
→醜さ→泥水、死、分岐した管
→出発→羽、太閤
といった具合です。ほかにも幾つかありますが全部解説しちゃ面白くないので考えてみてください。僕は絵を見る際に考察していくのが好きなのでお勧めしときます。ここら辺までの絵の作り方は詩のつくり方に近いのではないのでしょうか。語彙が少ないので詩を作ったことはありませんけどね。(詩が本業のみなさん違ったらごめんなさいね、適当言いました。)
3.具体→抽象へと落とし込む 大丈夫?読むの疲れてこない?
2で落とし込まれた具体的な言葉を抽象的記号もしくは画面構図、人物へと反映していきます。画面構成、イラストの仕上がりが決まってくるのがこのあたりです。ゆえにモノクロペン画風にしようと思ったのもこのあたりです。
構図的に無理だったり、あんまり気分が乗らない時は2へと戻ってください。きっとその時の気分に合ってないのだと思います。
またここでいくつか一例を。
個人的な好みから花の種類はバラに統一。
花→バラ→層状→円と構造を簡約化していき最終的に完成した抽象画像がこちらになります。バームクーヘンみたいなやつですね。最初はこの層の数も意味のある数字にしようと思ったのですが途中で数え間違って考えるのをやめました。悔しい。
お次はこちら。分岐する管と言ったら血管かなと。このくらいの雑さです。
恋→ハート→心臓→血管ってつながりもありますしね。抽象化する前にちゃんとメインキーワードとつながりがあるかを確認したほうがいいです。たまに伝言ゲームしすぎてメインキーワードがどこかに飛んでいくことがあるので。
人物の構成についても触れましょうか。
僕は抽象化に力を入れているのであまり人物を描きこまない傾向にあります。特にモノクロペン画の時はその傾向が顕著と言えるでしょう。決してペン画は失敗したら書き直せないからリスキーな人物にはあまり触れたくないとか人物を描くのが苦手だとかそんな理由じゃありませんよ、決してね…重要なアイテムやキーワードは人物とともに置くことが多いです。
とりあえず抽象化の仕方は何となくつかめたでしょうか。全部解説するときりがないので次に進みましょう。
4.全体の校正 疲れたでしょ、正直にいって、どうぞ
3では絵を完成させるためのパーツを作りました。今度はこれを組み合わせて一枚の絵として完成させていかなくてはなりません。僕には良い構図がどういうものかはいまいちわかっていないのでむしろ誰か解説お願いしますって感じですね。いいんじゃね?って思ったところにパーツを置いていきましょう(雑)
お気づきの方もいると思いますがそうです、ここに至るまで全部下書きのようなものでイラストとしては白紙のままなんですね、なんて面倒なことを。しかし構想も練らないでイラストを描きだすと、あとから修正や後悔する点が少なからず発生します。後で後悔しないためにも構想にイラスト全体にかける時間の5~6割を費やすのです。構想にこれだけ時間を描けたにも関わらず毎回後悔して原画ごみ箱にポイしてるしそもそも後悔しない絵なんてかけたら絵師やめとるわというかやめたい、そもそも毎度毎度絵に後悔が残るからテーマが出てくるわけで後悔がなくなるなんてことがあったら絵が描けなくなるよね、そんな絵が描けたら満足なんだけど今の僕にはそこまでの力はありません。
構想が決まってしまえばあとは描くだけです!何も考えずただひたすらゴリゴリとかきすすめましょう!!!この過程でだらだら考え続けてもせっかく作った構想がゆがむだけなのでむしろ何も考えてはいけません。まだ何か考えるようなら構想段階にお戻りください。構想過程も楽しいですがこの描いている過程も相当楽しいです、スピード感が。先に考えておいてあるから手が止まることがない。テンションが上がっているうちにいっきに描き進めるのがお勧めです。
5.タイトル決め まずうちさぁ、屋上あるんだけど
タイトルを決めるタイミングは各自に任せますが僕は絵が完成してから決める派です。全部蹴りを付けてから決めたほうが変更することが少ないと思いますので。
何か伝えたいものがある方はそれについて、特にない方はキーワードについて必ずそのままではなく何回か連想ゲーム(2の過程)をしてタイトルを作っていきましょう。わかりやすくしたいなら連想ゲームは一回でいいですし逆に何回にしたいなら複数回することをお勧めします。
一例として今回のタイトルが決まるまでの経緯(というか僕の発想回路そのまま)を下に。
恋→戦争→ピストル
→平和→幸せ→花
戦争(恋)はしたくないですね?でも人の中には戦闘本能みたいなものは確実にあるわけで。
そうそう、よく「ピストルから出るのが銃弾じゃなくてお花だったら争いなんてなくなるのに」みたいなセリフをききません?でも実際ピストル使えなくたって戦争はできるんですよ。
だから皮肉を込めて「ピストルに花を込めて」。というタイトルにしました。読みかえれば「恋(笑)に幸せ(笑)を込めて」って感じですかね。
要するに言葉遊びです。言葉遊びが好きなメンヘラ人なのでこういう風にタイトルを考えていきます。
タイトルは作品を見る上でもかなり重要になってくるものなので慎重に選びましょう。ほとんどの絵を習作とか無題ってタイトルで出してるアーティストも潔くて好きですが僕はタイトルは一つ一つ決めてあげたい派です。せっかく作っちゃったので。
6.おわりに 焼いてかない?
ここまで読んでくれた人お疲れ様でした。イラスト、タイトルそろって完成ですぱちぱち。いろいろな絵を見たり考察したりするのは非常に楽しいです。
大抵の場合は描き手がその内容までは明かさない(というか明かせないんですよねうまく言葉にできない。)のでなかなか真の意味を知ることはできないのですが、見たときにこの絵にはなんか意味があるんだろうなって思ってもらえればうれしいのです。自己満です。詩と絵を合体したみたいな、こんな絵を描く人がたまにはいてもいいと思うんですよね世間的な需要はあまりないかもしれないけれど。
割と初めて僕流のイラストの作り方を公開したので恥ずかしさもありますが役に立ってくれると幸いです。カラーイラストの時はグリザイユ→厚塗りの段階を踏んで同じように作成しています。あまり言語化できていないかもしれないけれどこの記事にマイナーな需要があることを願ってアドベントカレンダー7日目を終了とさせていただきたいと思います。
ここまで読んでくださった方ありがとうございました!
(次書く機会があったら普通にグリザイユ画法講座とかペン画講座とか厚塗り講座します!!!)
7.おまけ さあみんな全裸になろう
今回の絵で使ったのはPAINTERのティントという筆一本ですが参考までに普段使っているソフトやサイトなどを列挙しておきますね。
ご購入や利用の参考にしてほしいと思います。もし仮に万が一にでも僕のような絵を描きたいと思う危篤な方がいた時のためです。
僕の絵はどっかから見つけてください。ついでにファンになってください。
厚塗り
Corel Painter 12 (使用筆:ティント標準丸筆、ティントブレンド)、 JTrim
ペン画
そこらへんで売ってる0.3㎜位のペン そこら辺のコピー用紙
抽象画
Corel Painter 12, JTrim, Apophysis7X
よく利用するサイト
deviantart,drawr,tumblr,twitter、真夏の夜の淫夢
ここら辺の影響でで描き方とか決まってきましたね。
よかった第7項まで作ることが出来た。shichiだけに。
それでは。
この講座、わかりやすスギィ!自分、創作いいすか!-114514<!---
このテの反転ネタも、ソースコードを引っ張ってくればいいのだが、まぁ手間は増えるわな
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