MIS.W 公式ブログ

早稲田大学公認、情報系創作サークル「早稲田大学経営情報学会」(MIS.W)の公式ブログです!

代表としての1年を振り返って【カウントダウンカレンダー2018冬25日目】

こんにちは!51代ケモノ研究会のむさしん(@musaprg)です。先日、私を含めた51代のメンバーは、早稲田大学経営情報学会(MIS.W)を引退しました。

私は、昨年の12月から今月に至るまで、「幹事長」という役付きとして、サークルの運営の指揮をとっていました。

1年間、本当にいろいろなことがありました。何より、何事もなく1年が終わって本当に安堵しています。 役職付きとなっても、MIS.Wの一員として創作を楽しんでこれたことに、心から感謝しています。

さて、新歓ブログリレーをご覧になってた皆さんは、私がこんな記事を書いていたことを覚えているでしょうか。

blog.misw.jp

この理想を追い求め、この1年間、運営サイドとしてサークルを見てきた私から、この1年間やってきたこと、やりきれなかったこと、反省を書き記しておきます。 同じような創作サークルを作ろうとしている人、一団体の長となった人の参考になったら、非常に嬉しい限りです。

私の任命当初、私達のサークルには運用上の課題が山積していました。

  • タスクの一極集中
  • ブラックボックス化したインフラ
  • 内部サービスの運用コストの高さ
  • 規約の不足
  • 引き継ぎ資料の不足
  • 広報力の不足

残念ながら、これらを全て私の代で全て片付けることは叶いませんでした。 私の代でやりきれなかったことは、52代幹部を手助けしながら、少しづつ進めていってもらいたいです。

やったこと

まず、私の代で行ったのは、主に以下のことです。

  • 企業との交流強化
  • 発表機会の創出
  • VR機材購入
  • インフラ・各種サービス刷新・公式サイトリニューアル
  • メーリングリストの廃止

順を追って説明していきます。

企業との交流強化

MIS.Wには、以前から様々な企業の人事担当さんや社員さんがいらっしゃいます。

今年は、様々なご縁で、以下の企業様とお付き合いさせていただきました。(以下敬称略、順不同)

TechBowl様については、アンバサダーという形で提携させていただいています。

note.mu

今年度は、実際にクリエイターとして働いている方との座談会や、AWSのハンズオンセミナーなど、様々な形でお力添えをいただくことができ、本当に感謝しております。 ご協力いただいた企業の皆さま、本当にありがとうございました。

発表機会の創出

私が幹事長になったら、絶対に「研究発表会を2回やる」ということを考えていました。結果的には、実現しました。

毎年5月〜6月にかけて、前期の研究発表会を行います。しかし、後期の研究発表会は、早稲田祭や引退と時期が重なるため、どうしても毎年実施することが叶いませんでした。

しかし、毎年その時期で何をやっているかと言うと、主に幹部の引き継ぎを行ったりしています。これは、どちらかというと幹部都合であり、ほとんどのメンバーには関係ないことです。

そこで、早稲田祭が終わって2週間ほど時期をおき、後期研究発表会を無理矢理ねじこんだ実施しました。

メンバーからはかなり好評で、後期の研究発表会も大いに盛り上がりました。

また、夏合宿でも発表会が行われたため、私の在任中に、発表会が実質3回行えたことになります。

VR機材購入

今年支出という面で大きく占めているのは、この「VR機材購入」です。

新たな機材の購入に関しては、かなり様々な問題があり、いろいろな議論を生みました。 ただ、最終的に、MIS.Wの経費で購入し、早稲田祭ではMIS.W謹製の本格VRFPSゲームを出展することができました。

www.youtube.com

また、新歓ではVTuberを使用したサークル紹介ビデオ(モデルはプロ生ちゃんをお借りしてます)を作成しました。新入生にはかなり好評だったのでよかったです。

www.youtube.com

インフラ・各種サービス刷新

MIS.Wでは、オンプレミスの環境でサーバーを運用しています。 以前は、公式サイトやクラウドストレージ、Wiki、Gitリポジトリに至るまで、サークル活動に関わる全ての内部サービスが、このオンプレミス環境で稼働していました。 しかし、このオンプレミス環境は、我々の代より前に構築されたものであり、保守状態が良好であるとは言えませんでした。 また、オンプレミス環境であるため、一般的にVPS等に比べると安定性に欠けます。 具体的な稼働率は算出できませんが、様々な原因により、かなり頻繁にサーバーダウンが発生していました。

そこで、我々の代で、インフラを刷新する計画が立ち上がりました。 具体的には、以下の方針で切り分けを行いました。

  • 広報的な側面で安定稼働が求められる「公式サイト」「公式ブログ」「メール」 →外部のレンタルサーバ
  • クラウドストレージ」などのオンプレで運用したほうが費用対効果が高いもの →オンプレミス

この切り分けに合わせて、運用上の理由から様々なサービスが外部サービスに移行したり、リニューアルしたりしました。

公式ブログの移行

今までのブログは、Wordpressとして運用されていた公式サイト内の一部を利用していました。しかし、公式サイトとの責務分割と、運用コストの削減を目的として、別の場所に移行しようということになりました。

ここで、参考にしたのは、株式会社クックパッドのテックブログであるクックパッド開発者ブログです。

techlife.cookpad.com

このテックブログですが、よくよく見ると、はてなブログ上で運用されていることがわかります。 はてなブログは、Proプランにアップグレードすると、独自ドメインが使えたり、様々なカスタマイズを行うことができます。 更に、記事執筆に関してはWordpressを遥かに凌ぐ快適さです。

私の代では、サークル員に積極的に情報発信をしていってもらいたいと思っていました。 テックブログの文化は、情報発信という側面からしても、広報的な側面からしても非常に魅力的なものであり、ぜひサークルに取り入れたいと思っていました。 そこで、いい機会だと思い、ブログを公式サイトから切り出し、はてなブログに移行しました。

移行の際には様々なトラブルがありましたが、関係者の尽力により、徐々に移行が落ち着いてきています。 記事を書いてくれる人も徐々に増えており、非常にありがたかったです。

公式サイトリニューアル

更に、公式サイトの移行に伴い、デザインをフルリニューアルするプロジェクトも同時に立ち上がりました。

現在公開されている公式サイトは、リニューアル後のものです。 Web班とWebデザイン班のメンバーが中心となり、CG研のメンバーへのイラスト依頼やサイトのデザインまでを行ってくれました。 本当に素敵なサイトになって感動しました…感謝してもしつくせません…

Wikiの移行

MIS.Wでは、サークル員の自己紹介を記事としてMediaWikiに投稿していました。しかし、このMediaWikiも扱いに非常に困っていました。 また、Wikiがただの「自己紹介記事投稿ツール」として使用されていることに対して、非常にもったいなさを感じていました。

私としては、サークル内の情報共有の流れをもっと活発化させたいという思いがありました。しかし、MediaWikiではQiitaのような使い方には向きません。 そこで、インフラの見直しを機会に、外部サービスに移行してしまおうという流れになりました。 ここで、様々なサービスを検討しましたが、「引き継ぎ資料(Wiki)」と「個人の知見を気軽に投稿(Blog)」の機能を併せ持つ「Kibela」というサービスを使用することになりました。

kibe.la

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Kibelaの記事は内部にしか公開されないため、公式ブログよりも気軽に記事を書くことができます。 そのため、あるメンバーはRustの入門記事を書いてくれたり、CSSアニメーションに関する知見をまとめてくれたり、いい感じに使ってくれています。

メーリングリストの廃止

MIS.Wでは、主な連絡手段として、「Slack」と「メーリングリストGoogle Groups)」の2つが存在しました。

全体に向けて連絡を行う際には、Slackとメーリス、それぞれに対して送信処理をかけなければならないという、冗長な状態になっていました。

また、Slackへの登録とメーリングリストの登録を全て幹事長が手動でやる必要があり、入会時の事務処理のコストがあまりにも高すぎる、という問題を抱えていました。

ここで、私が考えた対応策は以下のとおりです。

  1. 一連のフローを自動化する【技術的アプローチ】
  2. メーリングリストを廃止し、連絡チャネルを一本に統一する【運用的アプローチ】

最初は、1の選択肢が理想だと思いました。しかし、「自動化のシステムを保守できる人材が今後確保できる保証があるのか」という、保守運用面での懸案事項が発生します。

MIS.Wは、技術系のサークルではなく、あくまで「総合デジタル創作サークル」です。そのため、所属しているサークル員は、全員がプログラマというわけではありません。

また、プロ研のメンバーのほとんどは、基本的にはゲーム制作に重きをおいているため、システムの運用に明るい人間が今後入ってくるとは考えにくいです。

そのため、私の代では、2の「メーリングリスト廃止」を選択しました。

あまり重要でない連絡等はSlackのみで行っており、入会時にSlackを含めたツールの使い方についてはレクチャーを行うため、「使えていることが当たり前」という認識でいました。 後述しますが、この「使えていて当たり前だろう」という思い込みが、非常に危険でした。

やれなかったこと

次に、私の代でやりきれなかったことです。

  • 各種規約の整備
  • 内部向けサービスの普及活動
  • タスク一極集中の解消

各種規約の整備

様々な規約が不足しているという危機感を持って幹事長になったのにもかかわらず、結局規約整備に関しては全く手を付けることができずに引退することとなってしまいました。

特に、Kibela等、新たに導入したサービスについては、運用方針がサークル内でも確立していないため、より一層ガイドラインの策定を急ぐべきでした。

内部向けサービスの普及活動

これに関しては完全に私の落ち度でした。

「メンバーがSlackを見てくれないため、メンバー1人1人にDMで発表会への作品提出の有無を聞いて回る羽目になった」

「そもそもチャンネルへの入り方がわからず、班のチャンネルに入っていない班員がいた」

春の入会時に、水曜と金曜の活動1回ずつ、MIS.Wで使用するサービスの講習会を行っています。 また、メーリス廃止前に、SlackのスタートガイドページのURLを貼り、熟読するようにお知らせもしていました。

当然、Slackの使い方も理解し、お知らせが流れてくる#generalの窓は最低限見ているものと思っていました。しかし、これが甘かったです。

私が徹底できなかったのは、「ツールをサークルメンバーに使ってもらうこと」です。

使用したことのないサービスを、マニュアルなしで操作できるのはごく一部の人間です。 かつ、一回講習を行ったからといって、勝手に習慣化すると思ったら、それはただの傲慢にすぎません。

必ず、サービスを導入するからには、「ツールに慣れ親しんでもらう」努力をするべきです。かつ、「習慣化するまで続ける」ことが必須です。

タスク一極集中の解消

これに関しては、運営体制の問題を抱えたまま1年を過ごしてきてしまった、ということになります。

現在、広報係という係が、メールの対応やSNSの管理等を行っています。 しかし、会社とのやりとりや、他のサークルとの連絡等は、全て幹事長である私が行っていました。 更に、新入会員の各種サービスのアカウント作成等の運用面も、私が行っていました。 本来は、外部との連絡は渉外にあたる広報係に、各種アカウント作成は、運用を担当する係を新設し、委任するべきでした。 しかし、諸般の事情により、タスクを割り振りきれず、1年間を終えてしまいました。

これまでは、先代が優秀な方ばかりで、全ての仕事がこなせてしまっていました。 そのため、幹事長のタスクが一極集中していることは、就任時から問題視しており、この1年で、多少は切り出してきたつもりでした。 しかし、切り出せているつもりでも、心の中で「この仕事は他の人に任せる訳にはいかない」と思い込んでいるタスクがいくつもあり、結果的に問題の根本的解決には繋がりませんでした。

個人情報等、コンプライアンスに関わるような案件以外は、基本的には担当する役職を作り、機械的に振り分けていくことが、タスクの分散や効率化という意味では間違いなく正しいです。

さいごに

頼りない幹事長であるのにも関わらず、信じてここまでついてきてくれたサークルメンバーの皆さん、無能な私を支えてくれた幹部・係の皆さん、お世話になった企業様方、現役を温かく見守ってくださったOBOGの皆様、1年間、本当にありがとうございました。幹部として、頭を悩ませ苦しんだ甲斐があったと、心から感謝しています。来年度は、52代が幹部となり、MIS.Wを引っ張っていきます。今後も変わらぬご支援のほど、どうかよろしくお願いします。

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〜fin〜