皆さんこんにちは。49代のわにと申します。
みすの説明会に来てくださった新入生の方は分かって頂けたと思いますが、mis.wには種々様々な創作をする人がいます。PCを使ったソフトの製作はもちろん、中にはスクフェスコンやボルテコンといったハードを作る先輩まで……。そんな先輩をリスペクトし、自分も知識がまったくない状態から自作コン(弐寺用)を作ってみました。
今回アドベントカレンダーを担当させてもらったので、自作コン製作の流れを簡単に書こうと思います。これまでコントローラーを作ったことがない人に「こんな感じで作るのか」と思ってもらえれば幸いです。逆にこの記事だけでコントローラーを一から作っていくのは難しいので、本格的に作りたい人は後述する僕が参考にしたサイト様を参照してください。
また、今回僕が作ったのは弐寺用のコントローラーですが製作過程のほとんどは他のコントローラー製作に共通することだと思いますので、気にせず軽い気持ちで読んでください。
※弐寺と普通に書いちゃってますが、これはbeatmaniaIIDXという音ゲーの略語です。
初めに
まず、僕が内部の基盤を手に入れるために犠牲にした購入したASCIIコンを見ながらコントローラーの構成を考えてみましょう。
上のようなコントローラーを見ると、ボタンがあり(beatmaniaには皿もありますね)それをはめて全体を支えている台があります。もちろんそれだけだと電気はどこに流れているのかとなり、ああ中に基盤があるのねと分かります。
以上です。コントローラーの構成要素はその3つです。
「ボタン」「台」「基盤」
考えてみれば当たり前のことですが、動くコントローラーを作るにはその3つをつなげればいいですね。3つだけと考えれば気が楽になる(?)と思います。
材料と道具を揃える
コントローラーの構成は分かりましたが、まずはその構成要素を手元に用意しなければなりません。実家暮らしの人は道具を調達できたりできなかったりしますが……。東急ハンズや通販を利用して必要なものを揃えておきましょう。思い切った買い物をすると引き下がれなくなり、自ずからコントローラーができていくことでしょう(適当)
・ボタン
ボタンは作る人のこだわりが現れる部分ですね。同じ用途のボタンを複数の会社が作っていることが多々あります。弐寺で言えば三和製のボタンと芝製のボタンです。アーケード筐体と同じなのが三和製で、それの廉価版が芝製です。三和製のボタンはかなり押し心地が良いですが、費用を考えてしまうとやっぱり芝製に…。悩ましいですね。ちなみに僕は7鍵を三和製に、START・SELECTを芝製にしました(送料が別々にかかりました)。それと、ボタンを購入した時に付属品としてマイクロスイッチというものがついていますが(ボタンを押すと電気が流れるという仕組みを作るものです)押圧がアーケード筐体と違うので別に買う必要があります。
アーケードコントローラー製作でも、セイミツ製と三和製のレバー・ボタンがあるみたいですね。
また、ポップンミュージックのような同一のボタンだけではなく弐寺の皿部分といった特殊なボタンがある場合は、自分で作るもしくは企業が販売している古い専コンなどから取ってくる必要があります。
↑実際に手元にボタンが届くとテンションが上がります。ちなみにボタン内には絵も入れることができます。
・台
これはどんなコントローラーを作りたいかにもよりますが、色々なサイトを参照してみるとボタンをはめるパネルにアクリル板、アルミ板を使っていることが多いと感じます。今回の製作ではアクリル板にボタンをはめ、それをのせる台として木材を使いました(見た目でシナ共芯合板を選びましたが、カッティングシートなどを貼れば見た目は気にならなくなります)。
このような材料は大体東急ハンズで売っていて、様々なサイズの板から使いたいサイズの一回り大きい板を選んで購入します。1カットは50円(+税)でしてもらえるので、2カットの100円(+税)で購入した板を使いたいサイズにしてもらえます。
また、東急ハンズには工房を設置している店舗があります。ここでは図面を渡すことでカットから穴あけまでその通りにやってくれます。つまり工房に注文すれば自分で加工をしなくても済むので、加工難易度の高い(割れやすい、硬い)ものは積極的に注文すると良いと思います。
自分で加工をする場合はやはり工具が必要となります。僕は実家にインパクトドライバーとジグソーがあったので楽でしたが、そういった工具がないとコッピングソーなどを購入する必要があるみたいです。
・基盤
基盤を1から作ることは不可能なので、他のコントローラーの基盤を流用します。弐寺コンの場合は5鍵の古い専コンのものを使えば良いですが、他のコントローラーではPS1のものを使うと良いみたいです(先輩談)。またキーボードの基盤は同時押しを認識できない「ロールオーバー」というものが関わってきて使えないみたいです。PS1コントローラーにはPSに接続するための端子がついているので、それにUSBコンバーターを付けることでPCで扱うことができます。
また基盤とマイクロスイッチをつなぐためにはんだ付けの準備をしなくてはいけません。
ビニール導線、はんだごて(とその作業台)、はんだ、はんだ吸い取り線(器)、フラックスなどが必要となります。
加工・配線
材料と道具を揃えたらいよいよ木材の加工と基盤への配線を行います。
木材に図面を書き込み、それに沿ってカットや穴あけをしましょう。
↑ジグソーで削るとこんな感じになりました。作業台のようなものは持っていないので100均で買った収納BOXで代用しました。
また画像に写っている台をささえる土台(基盤などの内部部分を囲う)も作る必要があります。
さて、基盤の配線もしなくてはならないのですが知っておいて欲しいのが配線をするのに電子回路のしくみを知っている必要はないということです。僕はここをこうすれば電気が流れるようになるらしいという簡単な解釈で製作しました。フラックスを塗り、はんだを流し、ちぎれやすいところにはホットボンドで補強をして……。この工程は結構根気がいりますが頑張ってください。
↑基盤に配線したビニール導線はマイクロスイッチへとつなげます。
組み立て
組み立てといってもここまできたらあとはウィニングランです。台にボタンをはめ込み、土台と台をくっつけるだけです。
↑形ができたらさっそく遊んでみましょう。
ここまでの工程でコントローラーは完成です。
+α
完成したコントローラーですが、自分だけのものなので細部にこだわりたいと思います。工夫としては
・滑り止めを付ける
・消音化
・痛化
などがあります。工夫と言いましたが上の2つは快適にプレイするためには必須ですね。
最後に
偉そうに記事を書いてしまいましたが、コントローラーのほとんどは他サイト様を複数参照して作ったものです。先駆者の知識を借りることで無知な状態から完成まで持っていくことができました。以下がメインで参考にしたサイト様です。
ガジェットのある日常 http://advancedbear.blogspot.jp/2013/08/beatmaniaiidx.html
これまで記事を書いてきて、「製作にどのくらい時間がかかるか」「費用はどれくらいかかるか」ということを言ってませんでしたね。
製作期間:2ヵ月ほど(内1ヵ月以上放置)
費用:大体2万前後(道具含め)
大雑把ですいません。僕は出席がない(あっても)授業を切ったりレシートを貰ってもすぐに捨てるタイプの人間なので正確なことは言えませんでした。真面目にやれば2週間足らずで作れると思います。BMSを使えばおうちで弐寺ができるんだから費用なんて気にしないよね!
道具の用意についても長々と書きましたがサークルの人であれば貸しますし、アドバイスもするので気軽に製作してみてください。