MIS.W 公式ブログ

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私的ドット絵制作術【新歓ブログリレー2019 3日目】

おはようございます。こんにちは。こんばんは。

MIS.W 52代 CG研究会 ドット絵班 班長 のΙΔΈΑと申す者です。

突然ですが、皆様はドット絵というものをご存知でしょうか。 おそらくMIS.Wに興味を持たれた方の多くはご存知のことかと思います。

ドット絵とは、主としてコンピュータ上における画像の表現方法・作成方法の一形態であり、表層的には通常の目視でピクセルが判別できる程度に解像度が低いビットマップ画像と捉えることができる。

Wikipediaには上のように書かれています。 ピクセルとかビットマップとか、少し難しい言葉が見られますね。 わかりやすく言えばドット絵とは離散的なイラストです。

つまるところカクカクしたイラストということであります。

ドット絵をご存知の方は少なくないかもしれませんが、実際にドット絵を制作したことのある方はどうでしょう。 意外と多くないのではないでしょうか。

今回はドット絵班の班長を務める私がドット絵を制作するときに注意していることやドット絵の制作におけるコツを実際にドット絵を制作しながら紹介していこうと思います。

※この記事はあくまでも私の主観によるものであり、決して絶対的なものではありません。 おかしなことを書いているかもしれませんが、どうかご容赦ください……。

何を描くの?

やはり今回は MIS.W の看板娘であるみすちゃんを描いていこうと思います。 みすちゃんとはMIS.Wの公式キャラクターであり、青い髪やヘッドセットが特徴の女の子です。

かわいい。

ドット絵を制作する際は、見本となるイラストが存在すると幾分か制作が楽になりがちです。 絵を描くのが得意な方は一旦イラストを用意してからドット絵に着手すると、効率よく作業できる可能性があります。

ドット絵の制作に慣れてくると、わざわざイラストを用意する必要はなくなるかもしれません。

ということで、私もみすちゃんの立ち絵を用意してきます。 暫しお待ちを――。

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お待たせいたしました。 今回は現在MIS.W公式サイトのトップに描かれているみすちゃんを意識したデザインにしてみました

羽織っていたマントはドット絵に反映させるのが大変そうなので、今回は排除することにしました。

以降はこちらを参考にドット絵を制作していきます。

と、その前に

私が今回の制作に使用するソフトはEDGEという無料ソフトになります。

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このEDGEはドット絵を制作するソフトですが、ただドット絵を制作できるだけでなくドット絵によるアニメーションまで制作できるという優れものなのです。 インストール方法や使用方法は「EDGE ドット絵」とか検索すれば見つかるので、ぜひ気になる方は調べてみてください。

また最近はドット絵を制作するスマホアプリも多く存在すると聞くので(私はスマートフォンでドット絵を制作したことがないため詳しくありませんが……)、そちらの方も調べてみるとよいでしょう。

それでは

早速ドット絵の制作におけるアレコレを紹介していきます。

取捨

いきなりですが、ドット絵の制作において何よりも大切なことは情報の取捨選択です。 正直これに尽きます。 ドット絵の制作とはいかに余分な情報を取り除き必要な情報のみを抽出するのかという勝負なのです。

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試しにファミコン風のみすちゃんを描いてみました。 いかがでしょうか。

今回は一応ファミコンを意識して使用する色数を三色(透明色を含めて四色)に絞ってみました。

ここで問題です。 一体どうしてこのみすちゃんは"みすちゃん"に見えるのでしょうか。 正解はみすちゃんをみすちゃんたらしめる要素が揃っているからです。 まあ当たり前といえば当たり前のことですね。 しかしこれは極めて重要なことなのです。

先の立ち絵におけるみすちゃんの特徴を抽出してみると、おそらく次の三項目は必ず挙げられるでしょう。

  • 青い髪
  • 角帽
  • ヘッドセット

このようなキャラクターを象徴する要素をもれなく盛り込むことがドット絵の制作においては何よりも大切です。 改めて16×16みすちゃんを見てみると、確かに青い髪・角帽・ヘッドセットがすべて表現されていることがおわかりいただけるかと思います。

一方、抽出された三項目には含まれない要素(例えばシャツやニーソックス、ローファーなど)が表現できていないことも確認できますね。 ときにはキャラクターの識別に差し支えない要素の表現を諦めることも重要というわけです。 あれもこれもと欲張ってはいけません。

ネクタイはギリギリ表現できたかな……と。

例えば古き良きファミコンをイメージしたドット絵を制作したいとき、わずか16×16のキャンバスとたった数色のもとキャラクターを存在させなければなりません。 それにはキャラクターの特徴を賢明に選択することが必要なのです。

かの有名な配管工のあまりにも有名な容姿は16×16という制限から誕生した話はかなり有名ですよね。 キャラクターの個性をドット絵に埋め込むのではなく、ドット絵からキャラクターの個性が確立することも昔は珍しくなかったようです。

折衷

ここまではファミコンの風味を中心にドット絵の制作を語ってきましたが、当然ドット絵が活躍するのはファミコンのような世界においてのみではありません。 ここからはよりモダンなドット絵の話です。

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早速ですが、ちょっとモダンな雰囲気のみすちゃんを用意してみました。

さて、ここで再び問題です。 このみすちゃんが一つ目のファミコン的みすちゃんと異なる点はどでしょうか。 キャンバスのサイズ・使用した色数・キャラクターの頭身・陰影の有無と、意外にも正解はたくさんあります。

しかし、特に注目していただきたいのは縁取りです。 先のみすちゃんに縁は存在しませんが、このみすちゃんには縁のようなものが存在しています。 この縁取りがドット絵において重要な役割を担うことになるのです。

決して縁があった方がよいという意味ではありません。 縁が使いこなされたときに作品の品質は向上するということです。

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A
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B

突然ですが、ここに二つのMIS.Wがあります。 さあ、AとBどちらのMIS.Wがより自然に見えるでしょうか。

どうですか? Bの方が自然に見えませんか? 自然に見えたとして、それはなぜですか?

これこそがピクセルピクセル折衷なのです。 なかなか言葉で説明するのは難しいですが、あるピクセルを触るとき周囲のピクセルによる効果を勘定するというテクニックです。 上の例に関しては、ただ機械的に黒い縁を設けるのではなく対象物の色を影響させた縁を描くことによって、より自然な表現が可能となるということですね。

この手法は上のように自然な縁取りを実現するだけでなく、物体間の境界を滑らかにしたり小さな要素の表現として応用されたりと、さまざまな効果が期待できると思います。

抑揚

「ドット絵なんてイラストの解像度を下げるだけで作れるんじゃないの?」

ドット絵の制作に関連して、このような考えられる方がいらっしゃるかもしれません。 結論から申し上げますと、答えは否でしょう。 次はこういった観点からドット絵の制作に役立つであろう抑揚を説明していきます。

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――というわけでサンプルのみすちゃんを高さ64ピクセルに縮小してみたものがこちらになります。 どうでしょう。 気になる点がたくさんありますよね。

まずは顔です。 このみすちゃんは顔面が綺麗に表現されていません。 モザイクをかけられているようにも見えます。 これはいけませんね。

顔のほかに注目すべき点はヘッドセットです。 ヘッドセットは潰れてしまい、髪の毛と区別がつかない状態になってしまいました。 これもダメですね。

このように通常のイラストとして描かれたイラストを縮小するだけでは、当然ながら高級なドット絵を得ることはできないのです。

余談ですが、これは果たしてドット絵といえるのでしょうか。ドットから構成される絵という意味では確かにドット絵ですが、これはドットで描かれたわけではなくそういった観点によればこれをドット絵とはいいがたいのではないかと思います。余談でした。

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そういうわけで64ピクセルの高さをもつみすちゃんのドット絵を制作してきました。我ながら良い出来です。

制作時間は今回の記事に用意したドット絵の中で最大となりました。 やはり64ピクセルともなると一筋縄ではいかないものですね。

どうですか? 顔面は崩れておらず、ちゃんとヘッドセットを装着しているでしょう。 ここで見逃せないのが抑揚のテクニックなのであります。 まあ俗にいうデフォルメですね。 最初に紹介した"キャラクターの要素を選択する"ようなタイミングで、とりわけこの抑揚は活きてきます。

キャラクターの表情を尊重したいときや小さなキャラクターの要素を表現したいときは、目標となる部分を誇張するのです。 そして排除するには惜しいが大して重要ではない部分は控えめに表現するというわけです。 こうすることでキャラクターの個性が主張され、そのドット絵はよりよいものとなります。 小さいキャンバスで情報をやりとりするドット絵の制作において、こういった抑揚の技術は欠かすことのできないポイントとなるわけです。

etc.

私がドット絵の制作で大きく意識していることは以上になります。

さて、よくイラストの上達に最も有効な手段は模倣であると言われますが、これはドット絵の制作に関しても同様です。 有名な作品のドット絵を真似したり参考にしたりすることで、先人の技術を継承することが可能となります。

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まずはドット絵の模写に取り組みます。 模写に慣れてきたら、模写にオリジナリティを加えていきます。 それを繰り返しながら、徐々に自分の手でドット絵を描いていきます。 そうすると、ふと気づいたときにはドット絵の技術を習得していることでしょう。

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またキレイゴトを述べるわけではないのですが、結局のところドット絵の上達に何よりも必要なのはドット絵の制作を楽しむことです。 まあこちらもイラストの上達と同様ですね。 楽しく何度もドット絵を制作していれば、確実に技術は向上します。

ドット絵班の班長である私が言うのですから、これは本当ですよ。 f:id:idea_misw:20190329205352g:plain:w32

以上です

いかがでしたか。 ドット絵を制作する楽しさや難しさ、制作のコツは伝わったでしょうか。

この記事からドット絵に興味をもっていただけた方が一人でもいらっしゃれば私としては幸いであります。 ぜひMIS.Wに入会して、私たちドット絵班とともに楽しいドット絵ライフを送りましょう。

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以上 MIS.W 52代 CG研究会 ドット絵班 班長 のΙΔΈΑでした。

明日は53代りょーたろーさんによる『WELCOME TO MIS.W's ROOM...』です。 お楽しみに~。

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