MIS.W 公式ブログ

早稲田大学公認、情報系創作サークル「早稲田大学経営情報学会」(MIS.W)の公式ブログです!

Aeユーザーなら知っておくべきプラグイン・スクリプト【カウントダウンカレンダー2019冬4日目】

こんにちは、54代の一応CG研(プロ研)のみゅーです。

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さて、僕はことある毎にプラグインプラグイン…  と呪文のように唱えていました。そんなに言うならどんなのがあるのか説明しやがれ!!!ってことで、この場を借りて私が約4年間で手に入れた知見を放出していきたいと思います。

そもそもプラグインとは?

クリエイターの方々は大体ご存じかと思いますが、簡単に言うとソフトウェアの機能を拡張するものです。標準ではできなかったり、手間がかかったりすることを、一発で魔法のようにやってくれる優れものです。これだけ聞くとものすごく便利なものに聞こえますが、とても大きな問題を彼らは抱えています。それは…

価格です

当然といえば当然のことなのですが、優秀な機能になればなるほど高額になります。高いものでは〇0万円を超えるものも…

ですがそんな中、低価格や無料のものでも大変優秀なものも存在しています。今回は価格別に3種類に分けて、個人的に知っているといいプラグインスクリプトを紹介していきたいと思います!


絶対持つべき!最強のフリープラグインスクリプト

まずは入れておかないと損!なほど優秀な無料プラグインから

これが無料なの?プロの現場での実績あり!OLM Open Tools

f:id:kokoromyuu:20191202083339j:plain こいつに関しては一言しか言えません。最強です!!とりあえずこいつがあれば他はいらないってくらいです。

現状でフリーで落とせるのは以下の7種類です。

全部の機能説明する余裕はないので、こちらを見てください。

個人的にはDistance Gradiationがやべぇと思ってます。いままでマスクしてあれこれ~ってのがほんとに一発でできてしまうので(笑)

超大手Video Copilot社の産物、Saber

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これは超有名なので大体の方は知ってるかと思います。何ができるかって?その名の通り、ライトセイバーが作れます!

正確に言えば、指定したパスなどに沿わせて、グローや稲妻などのエフェクトをかけれるものです。無料ですがVideo Copilot社の製品だけあって、高機能です。

詳細はこちらから!

そういえば、19日には東京でVideo Copilot LIVE 2019がありますね!俺は授業切って行くがお前は??

エフェクトの魔術師 FX Console

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作業効率化のスクリプトです。ふつうはエフェクト等をかけるときは、[エフェクト・プリセット]欄から探さなきゃいけません。しかしこいつがあればすべてキーボードだけで済みます。

かけたいレイヤーを選択して Ctrl+Space を押すとポップアップが出てくるので、そこにエフェクトの名前を打って検索ができます。任意の名前で出てくるようにもできるので、くそ長い名前のやつとか日本語のやつでもすぐ探せます。

そして一番自分が重宝しているのが、スクリーンショット機能です。ポップアップ上のカメラマークを押すと、現在のプレビューウィンドウのスクショを撮ってくれます。いちいちGyazoとかで範囲選択しなくてもできるのは最高ですね。

詳細はこちら

手軽にモーグラやりたいならこれ Animation Composer 2

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無料にして100種類以上の様々なエフェクトを搭載するスクリプトです。別途で追加コンテンツを購入すれば種類を増やすこともできます。

ウィンドウを開いて使いたいモーションとかを選択するだけで掛けられるのでパパっとモーションを作りたい人とかには最適です。

こいつのすごいところはこれだけじゃないんです… 付属してるAnchor Point Moverが最高に使えるやつなんです!!

ボタンを押すだけでアンカーポイント(レイヤーの中心)を真ん中とか端に動かせるんです!まじ便利

詳細はこちら

モーショングラフィックスに必須の一品 Motion Tools

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アンカーポイントの移動やバウンスの適用、レイヤーオフセットの設定などができる、効率化スクリプトです。イージングもいじれるので、下で紹介するFlowまでは買いたくないという方にお勧めです。

これは「Motion Design School」のフリー講座「Fundamentals on After Effects」を受講した特典でもらえます。少し手間がかかりますが、講座も無駄なものではないと思うので登録してみてはいかがでしょうか?

講座はこちらから登録すると受けられます。登録後、チャプターのところにBONUS欄があるかと思うので、そちらからダウンロードできます。

他にも「Align 3D」「Utility Box」という便利な無料スクリプトがありますが、ここでは名前だけ上げます。興味ある方は調べてみてください。



余裕があれば買っておきたい割安な製品

本腰をいれて映像をやりたい、という方には持っていてほしいもの達です。

グラフエディタと仲良くなろう Flow

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どんな映像を作るにしろ緩急が超重要な役割を持つんですが、「いちいちグラフエディタでちまちまいじるのがだるい…」「なんで同じこと何回もやんなきゃなんだ!」ってだんだん思い始めます。そんな時に便利なのがこの「Flow」です。

何が便利かって?ボタン一つで作りたい波形を適用できるんです。もういちいちグラフエディタでちまちまいじる必要はありません!

…と言いたいところですが、こいつを使っても結局細かい調整はやんなきゃなんですがね(笑)

ただ大まかな形をパッと作れるだけでも大幅な時間短縮になります。価格も4000円ほどと良心的なのでゆとりのある方は買ってみてはいかがでしょうか?

緩急の重要性に関しては後日はしどいさんが解説してくれるそうです。

詳細はこちら

Glitch Styleを極めろ! Glitch 7in1

glitchなどのディストーション系エフェクトは、下手にやるとダサい作品ができがちで手が出しづらいところがあります。しかも標準エフェクトのみでは限度があり、あまり大した物が作れません。後で紹介するRG Universeなどの総合プラグインには優秀なものが含まれていますがすこし値が張る…

そこで出てくるのがこのGlitch 7in1です。約7000円という低価格ながら、GlitchやPixelSorting、RGB Splitなど、7種類の基本的なディストーション系エフェクトがかけられるというコスパ最強な奴です。

Glitch系を扱いきれるかは作る当人次第なので、買ったからと言ってかっこいいものが作れるわけではないです。ただちょっとやってみたい人にもこの価格なら手が出しやすいと思います。

詳細はこちら

比較的安価な総合プラグイン Red Giant Universe 3.1

総合プラグインというと1ライセンス40万円とかする某Sap○hireとかが浮かびますが、これは3万円弱(アカデミック版は半額)という超低価格!

低価格ながら搭載されるエフェクトは9カテゴリー82種類と豊富です。全部は紹介できませんが、先ほどのディストーション系エフェクトやトランジションなど、VFXからモーショングラフィックスに使えるものまで様々です。しかもすべてGPUアクセラレーション対応なので高速処理可能!

これはほんとに買わなきゃ損だと思います!!

詳細はこちら

モーションブラーで差をつけろ! Reel Smart Motion Blur v6

ダサいなぁ~と思っても、モーションブラーかけてあげたらかっこよく見える… 同業者ならこんな経験はあると思います(笑)

ブラーって思ったより重要で、特に動きの多い映像ではあるなしで天と地ほどの差が出ます。

しかし、Aeの標準のモーションブラーはなんかイマイチ… もっさりというか汚いというか… 

そこで活躍するのがこのReel Smart Motion Blur(略してRSMB)です。豊富なパラメータで強さや感度など様々な設定ができ、また3Dモーションベクターを読み込んで使うこともできます。3DCGをやる方も必見です。

標準ブラーとの違いは一目瞭然なので一度見てみてください。(自分も持ってるんで言ってもらえれば見せられます)

価格は1.5万円ほどでそこまで高くないです。詳細はこちら

Aeは3DCGソフトだ! Element 3D v2

映像だけじゃなく、画像作成・プレゼンテーションなど何でも作れると名高い(??)Aeですが、標準だと3Dだけは微妙…

それを解決するのがElement 3D(略してE3D)です。3Dデータを読み込んで、テクスチャやマテリアルなどを設定し、簡単に3Dオブジェクトを配置できます。文字などのマスクパスの立体化もできます。

ガチの3Dソフトからするとテクスチャ等は結構微妙なんですが、手軽に3Dを扱う分には十分だと思います。特に文字の立体化機能は重宝してますね。

価格は3万円弱です。詳細はこちら

タイポグラフィーを手軽に Path Visualizer

モーショングラフィックスにも色々ありますけどやっぱりタイポグラフィーが一番目を引きますよね~ でも実際やるとなるとめんどくさい…

これは最近出たばかりのプラグインで僕も持ってないんですが、テキストやパスに基づいて頂点やベジエなどを生成し、アニメーションさせられるものらしいです。これならタイポグラフィーも多少は楽になるのでは?と思いました。

使ったことないので細かくは言えませんが、僕がいま一番欲しい奴です。詳細はこちら

51号館を爆破しろ! Shockwave

VFXやるって言ったらやっぱり爆破ですよね~(迷言)

爆破エフェクトも色々作り方がありますが、こいつが一番手軽に作れます。よく聞くParticularのライト版とでも思ってもらえればいいです。

皆さんもこれを買ってご一緒に、「51号館を、ぶっ壊~す!!」

価格は9000円台とお手軽です。詳細はこちら


ロマンを追求しろ!すごいけど超高額プラグイン

さてここからはお待ちかね!業界でよくネタにされるくそ高いプラグイン達です。ロマンを求める者よ、集え!!

1 Sapphire = 〇〇円?? BorisFX Sapphire Plugin

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トップバッターはこいつ、Sapphireです。業界の人なら一度は聞いたことがあるはずです。なんたって値段が高すぎてお金の単位にされてるからです(笑)

なんと1ライセンス、399,740円します。誰が買うんだよw

じゃあなんで紹介したのかって?それは大学生には超絶お得な特典があるからです!なんと、大学・大学院生は申請すればフルライセンスがタダでゲットできます!ただし申請は英語で、学生証と授業コマ割を送る必要があります。申請から承認まで2~3週間ほどかかりました。申請フォームはこちら

それはさておき、どんな機能があるのかというと、これもまた総合プラグインなので様々なエフェクトがあります。その数なんと250種!到底使いこなせる気がしません。しかしglowやshakeなどの定番エフェクトも他のプラグインより優秀です。

これだけの機能が無料で手に入るなんて申請しない理由はないですよね?え?学生ライセンスは甘え?俺は40万ちゃんと払うんや!って方はこちら

VFXの神になれる? BorisFX Continuum

これも先ほどのSapphireと同じ、BorisFX社の総合プラグインです。なんと、これもさっきの申請で無料で使えます。BorisFX社最高!!

これも様々なエフェクトがありますが、使った感じVFX系が強いです。Glow系がほんとにきれいです。あとMocha Proとの連携もできてモーショントラッキングも強いです。

Mocha Proとは、同じくBorisFX社の提供するトラッキングツールです。これも申請で無料で使えます。

普通に買うと価格は約14万円です。詳細はこちら

最強のフレーム補間 Twixtor Pro

仕事柄僕が長々と使っているプラグインです。動画って基本30フレームを下回るあたりからカクカクに見え始めます。速度を変えて扱うときにはフレーム補間が必須です。Ae標準でもフレーム補間機能はありますが、ぶっちゃけると性能はイマイチです。複雑な映像になると汚くなっちゃいます。AMVとか作ってて映像にノイズ入ったら嫌ですよね。

Twixtorは標準の補間機能よりも高性能な補間アルゴリズムでできています。

パラメータが豊富で、入力フレームレートとかいろいろいじれます。GPU対応なので高速処理もできます。タイムリマップのパラメータもベロシティだけでなくタイムコードにもできます。これだけでもう優秀ですね。

スローモーションとかやりたい方は試してみてください。

価格は無印版が約50,000円、Pro版が約85,000円です。詳細はこちら

エモいCCをつくれ Magic Bullet Suite

映像の見栄えはCC(カラーコレクション)で決まる!といっても過言ではないです。いくらカッコいいモーションを付けたからって、色合いとかが雰囲気に合わなければ最悪です。普通に作る分には標準エフェクトの組み合わせでも十分です。ただ高レベルなカラーグレーディングをやるには少し不十分なんですね。

このMagic Bullet SuiteはRed Giant社製のカラーグレーディングプラグイン7種類のセットになります。個人的にはMagic Bullet LooksとFilmsを使い分けるのが好きですね。Filmsは本当に有能で、かけるだけで超エモくなります。特に実写のエモさがやばいですね。

単体でも買えるので、興味ある方にはLooksとFilmsをお勧めします。Looksが約6万円、Filmsが約3万円です。

価格は約12万円で、アカデミック版は約6万です。詳細はこちら

もはや標準プラグイン Red Giant Trapcode

こいつ、くそ高いプラグインなのに解説書とかで持ってる前提で話が進んでるんですよね… 一体なぜなんだ…

まあそれぐらい定番のプラグインってことです。Trapcodeにも何種類かありますが、特にParticularはガチの定番ですね。自分もよくtwitterで言ったりしていたので聞いたことはあるかと思います。どちらかというとVFX寄りの製品群ですが、使い道はマジで豊富です。Particularだけでも買う価値はあるかも。

ひとまずParticularについてだけですが、これはパーティクル生成プラグインで微粒子みたいなのを使ったものが作れます。標準だとCC Particle Worldがありますが、その強化版と思ってもらえればいいです。

価格は全製品バンドルが約14万円、単体が1製品1~2万円(Particularのみ約6万円)です。詳細はこちら

あとRed Giant製品は年間契約があるので、長期的ではないけどヘビーユーザーって方にはそっちがおすすめです。全製品使えて年間4万円です。

いかがでしたか?

ここまで、長々と知っておくと便利なプラグインスクリプトたちを紹介してきました。もちろん紹介したもの以外にも便利なものはありますし、僕が把握しきれてないものもあると思います。

Aeに限らずですが、「プラグインは甘え」とか「自分で作ってこそだろ」という意見もあるかと思います。確かにプラグイン殴りだけでできるものはいいものにはなりませんし、技術も上がりません。しかし、活用してできることを広げていけば、新しい発見もあるでしょうし、新たな発想で作品が作れることもあると思います。

なかなか手を出しづらい領域ではあると思いますが、少しでも参考になれば幸いです。こんな長文にお付き合いいただきありがとうございました。

明日はTsuzuさんの「MIS.W SysAd係のこれまでとこれから」です。どんなお話が聞けるのか楽しみですね!!