はじめに
こちらはMIS.W新歓ブログ5日目の記事となります。
こんにちは、MIS.W54代MIDI研のサブレといいます(サブレ(Sabre) (@sabre_midi) | Twitter)。 MIDI研というのはMIS.W音楽担当集団のことで、研員は「DTM」と呼ばれるパソコン上の作曲によって、日々様々なジャンルの曲を産んだり産まなかったりしています。 このDTMというものなんだか敷居の高いものに感じるかもしれませんが、実際やってみれば誰でもできちゃうんです。特に作曲の知識や音源などは、無料でも十分すぎるほど手に入れることができるんですね。 そこでこの記事では、作曲の大まかな流れを追いながら、無料で見れる作曲のサイトや無料で手に入れられる音源などを紹介していこうと思います。
※詳しい解説は各種サイトに丸投げしてあります。あしからず。
※以下に紹介するサイト、ソフトなどはごく一部のものです。合わないと思ったら別のものも探してみてください。
目次
- はじめに
- 目次
- お金がどうしてもかかるもの
- DAW
- 音楽の知識
- 音源
- エフェクト
- おわりに
お金がどうしてもかかるもの
本編に入る前に、最低限お金がかかってしまうものを紹介しなくてはなりません。とはいえ、性能の差はともかく大学生の方なら入学にあたってすでに手に入れているものかとは思われます。
パソコン(数万円~)
基本的にDTMはパソコン上でやるものですから、少なくとも自宅で使えるパソコンは欲しいですね。これから買うという方は容量や作業の快適さを考え、多少良いスペックのパソコンを選んだ方がいいかもしれません→参考のひとつとしてDTM用パソコンの選び方!スペックはどれくらい必要?おすすめもご紹介します! | DTMer.info 一応Medlyなどスマホで作曲ができるものもありますが、作業効率などの点からおすすめできません。
ヘッドホン(イヤホン)(数百円~)
音を確認するにはヘッドホンなりイヤホンなりが必要ですよね。百均のものでもいいですが、作曲用に新しく買うならモニターヘッドホンから選んでみましょう。余計な味付けの無い音の素の状態を聴くことができ、バランスのいい編曲がしやすくなります→DTMにおすすめ!モニターヘッドホン選びのたった一つのポイント
DAW
作曲ソフトのことです。少々手間ですが最初にインストールしてしまいましょう。
Reaper
本来有料のDAWですが、購入催促を無視し続ければ体験版(機能制限なし)を使い続けられます。Reaperについては3日目の記事としてMIDI研会長が記事を書いてらっしゃるので紹介します。
今日から始めるDTM環境構築のすゝめ【新歓ブログリレー2020 3日目】 - MIS.W 公式ブログ
Cakewalk by Bandlab
元々有料のDAWでしたがなんやかんやで完全無料になったそうです。Windows専用ですが、Macでは機能が少々縮小しているものの「Sonar Mac Prototype」という同様のDAWがあります。
インストールの手引き
Windows:完全無料のDAW「Cakewalk by BandLab」をインストールしてみよう【旧SONAR】 | 1176に火を入れる
Mac:SONAR Mac Prototypeのインストール ー SONAR使い方講座
プラグインの入れ方(後述):Cakewalk by bandlabの音源追加方法(かんたん版) | あっちこっちDTMぶろぐ
音楽の知識
コード理論
作曲での音程や和音の作り方などのことです。 コード理論を軸にすることで曲の雰囲気や展開を意図的に作りげることができ非常に便利です。 奥が深いですがよほど癖のある曲を作るつもりでなければネットで十分に学べます。 基準としては、「メジャースケールというやつがある」ことを知ればひとまずメロディーを書きやすくなり、「ダイアトニックコードというやつを、機能表を確認しながらなら自分で並べられる」までになれば伴奏も含めかなり自由に曲が書けるようになるかと思います。 ただ、やはりお勉強はお勉強ですし、めんどくさくなったら一度離れましょう。
誰でもわかる!音楽理論
書いてある内容はあまり多くありませんが、スマホでもできる練習問題がついていて非常に身に付きやすいです。最初に見るサイトとしておすすめ。「音階とコード」編あたりまでいくとよさげ。誰でもわかる!音楽理論
Sleepfreaks 音楽理論 初級編
より広い範囲かつ実践的な範疇で理論を学べます。これを読み切ればかなり幅広い音楽に手が届くようになるはず。ピアノロールを使った解説が分かりやすく〇。音楽理論 初級編
ジャンル別解説、音作りなど
曲のジャンルに限らず、作曲の細かいところについては「〇〇〇 作り方(使い方)」で検索するのが一番いいとは思いますが、一部紹介しておきます。
EDMS(Eclipse Digital Music School)
クラブミュージックの作り方を教えてくれるチャンネル。理屈は置いといてとりあえずこうやればできる、という感じですが手順はしっかり説明してくれます。Eclipse Digital Music School - YouTube
サッキーのさっきの出来事
作曲家の方のサイト。網羅的ではありませんが解説が見やすくわかりやすいです。サッキーのさっきの出来事(Youtubeチャンネル:サッキー / Sakky - YouTube)
音源
ここまでの準備ですでに作曲はできますが、しばらくするとDAW付属の音源ではちょっと物足りなく感じるかもしれません。音源は追加することができます。音源はサンプル(=音声ファイル)かプラグイン(=ソフト)の形で手に入れられます。
サンプルとは:DTM・音楽制作で出てくる「サンプル」とは? どこで使える? | METHOD by KN
プラグインとは:VST、AU、AAX プラグインとは? – DTM Hacker
バンドル、総合音源
Komplete Start
「Komplete」シリーズの無料版でプラグインとサンプルがいろいろ入っています。そんなに便利でもありませんが、中にある「Komtakt 6 Player」はプラグインを使うために必要なことがあるので一応入れとくといいかもしれません。一部後で紹介する音源、エフェクトの他、「Play Sereis Selection」などがおすすめ。Bundles : Komplete Start | Komplete Kontakt 6 Player 単体:Samplers : Kontakt 6 Player | Komplete
Sampletank 4
様々な楽器がひとまとめになったプラグイン。SampleTank 4 Custom Shop
ピアノ
Piano one
ピアノ。安っぽくなくて〇。【無料】ピアノ音源 - Sound Magic " Piano One v5.0 " を試聴 | ゆめはて.com
LABS Electric Piano
エレピ。LABSというフリープラグイン上の音源です。LABSは他にもいい音源が多いのでぜひ。Spitfire Audioの「LABS」にヴィンテージ・エレクトリック・ピアノが追加! | Lampcat
ギター
Unreal Instruments Standard Guitar</b
やたら奏法が多いエレキギター。後述するギターアンプなどと一緒に使いましょう。sforzandというプラグイン上で動きます。>https://unreal-instruments.wixsite.com/unreal-instruments/standard-guitar sforzand:Plogue | Downloads
Ample Guitar M Lite Ⅱ
こちらはアコースティックギター。https://www.amplesound.net/en/download.asp
ベース
Ample Bass P Lite Ⅱ
先程のアコギと同じサイトのエレキベースです。アンプなどと一緒に使うとよさそう。https://www.amplesound.net/en/download.asp
Kontr
「AS Free Collection」にあるウッドベース。「UVI Workstation」というプラグイン上で動きます。無料のウッドベース音源Kontrがリアル。アコギに相性が最高! UVI Workstation→UVI Workstation - UVIサウンドの入口
TAL-BassLine
ベース向けシンセサイザー。シンセベースは後述するシンセサイザーによっても使うことができます。フリーの極太シンセベースプラグイン「TAL-BassLine」 │ VST情報局
ドラム
DrumMic'a
リアルで細かいカスタマイズも可能なドラム。ジャンルごとのプリセット設定があり便利です。前述した「Kontakt 6 Player」が必要。ゼンハイザーの無料ドラム・プラグイン音源「DrumMic’a」(ドラムマイカ)が凄すぎる! – Digiland (デジランド) 島村楽器のデジタル楽器情報サイト Kontakt 6 Player 単体:Samplers : Kontakt 6 Player | Komplete
MT Power Drum Kit 2
パワフルなドラム。非常にシンプルで使いやすいです。強力なフリーアコースティックドラム音源「MT POWER Drum Kit 2」 │ VST情報局
Advent Calendar 2019 - Starter Bundle(Ghosthack)
キック、ハイハットなど各種音源が5つずつ入ったドラムのサンプルパック。「実際に演奏してる」感にこだわらないならこういったサンプルの方が使いやすいかもしれません。探せば100個ずつのパックなどもありますが、これくらいが音を把握しやすくてよいでしょう。Advent Calendar 2019 - Starter Bundle
シンセサイザー
プリセット(あらかじめいい音が出るようにしてある設定のこと)を利用すれば問題なく使えますが、音作りの理解を進めたい方向けに先に解説サイトを紹介しておきます。
Leaning Synths
ウェブ上のシンセサイザーを動かすことで視覚的に音作りを体験できる画期的なサイト。最初に触れるサイトとしておすすめ。Learning Synths
シンセサイザー入門講座
みんな大好きsleepfreeksによるシンセ解説サイト。sleepfreeksでは他にもシンセの音作りレシピなどを公開されています。シンセサイザー入門講座
以下は音源の紹介となります。
synister
入門用シンセサイザーとして最適なシンセ。セミ・モジュラー・タイプのソフト・シンセ、「synister」の無償配布が開始! DAWにシンクし、ランダムなフレーズを生成できるステップ・シーケンサーも搭載 - ICON12月のアドベントカレンダー企画のときにぼくがやたら時間かけて書いた記事があるから見て欲しいな…17944字…シンセサイザーをいじろう - HackMD
Tunefish 4
グラフィカルなシンセ。ツマミが多く細かい調整が可能でかっこいい音が出ます。Download | Tunefish Synth
Lith
こちらもグラフィカル、特にLFOなどとの紐づけが色付きで分かりやすいです。たくさん音を出すと急激に重くなるので注意。Soda Devices
Mikro Prism
有料シンセ「Prism」の無料版で、キラキラした高音が出せるシンセ。「Komplete Start」に付属していて、同じく付属しているプラグイン「Reaktar 6」上で動きます。Synths : Mikro Prism | Komplete
オーケストラ(管楽器、弦楽器など)
bigcat Maize
オーケストラで使う楽器が一通りそろっています。bigcat Maize VSTis 導入方法【Ability】 | 音楽のとびら
LABS Strings
エレピでも紹介したLABSのストリングス(弦楽器)音源。高品質なフリー音源が欲しい?Spitfire Audioの「LABS」を使おう! | Lampcat
ボーカロイド
UTAU
有料版ボーカロイドに比べ調声が難しいですが、有志によって非常に多くのボイスが作られています。重音テトあたりが有名かもしれません。実はMIS.WでもUTAU音源が作られています。超初心者のためのUTAUインストール講座 | チラシの裏 ~UTAU調声メモ~
AIきりたん
最近出てきた噂のボカロ。発表されたてなこともありUIはイマイチ、微調整も困難ですが、誰でも短時間で神調教のボーカルを手にすることができます。涙出てくるくらい凄いです。つよすぎるAIシンガーAIきりたんの基本的な使い方。【無料】|MASAKA/赤坂まさか|note
声ネタ、ボーカルサンプル、その他効果音
100 Free Vocal Samples
英語の歌と声ネタが合わせて100個入ったパック。100 Free Vocal Samples | Buy Now, Instant Download | Sample Magic
作曲用ボイスフリー(星宮とと)
Vtuberの方によるKawaii系のボイスサンプル。一個の長いファイルとしてまとまっています。作曲用ボイスフリー - hoshimiyatoto - BOOTH
効果音ラボ
いろいろな効果音、声ネタ、環境音をまとめてあるサイト。試聴して気に入ったものからダウンロードしていきましょう。効果音ラボ - フリー、商用無料、報告不用の効果音素材をダウンロード
エフェクト
エフェクトは音源を加工したりするためのもので、積極的に活用することで曲に迫力や明瞭さ、自然さを出したりすることができます(エフェクトなどにより音の状態を整えることをミキシングやマスタリングといいます)。基本的な使い方についてはsleepfreeksでの解説を紹介しておきます→ミックス/マスタリング講座
バンドル
MFreeFXBundle
エフェクトのバンドル。幅が広いうえなかなか高品質のものが多いです。DAW付属のエフェクトが気に入らないなら早々に乗り換えるのもありかも。MFreeFXBundle | MeldaProduction
EQ(イコライザー)
一部の周波数の音量だけを狙って上げ下げできるエフェクト。使われる頻度が特に高いエフェクトだと思います。僕はほぼすべての音源に使います。
TDR Nova
4バンドの見やすいEQ。後述するコンプレッサー(マルチバンド)の機能もついています。「TDR Nova(ダイナミックイコライザー)」のダウンロード方法と使い方 | 無料(フリー)VSTプラグインのご紹介
リバーブ
空間の残響感を出すエフェクト。音が鳴る空間の広さや音源の位置感などを調整できます。
McharmVerb
前述したMFreeFXBundle付属の充分なツマミがあるリバーブ。プリセットも多いです。MFreeFXBundle | MeldaProduction
ディレイ
やまびこの効果を作れるエフェクト。空間の広さの調節のほか、音の強調にも使えます。
Spaceship Delay
なかなか機能が充実しているディレイ。無料のアナログ系ディレイプラグインSpaceship Delayを手に入れよう! - Fantasy Sound
コンプレッサー
音が大きく鳴るタイミングで音量を抑え、かわりに基礎的な音量を持ち上げることで音圧増強などに役立つエフェクト。EQ同様に重要なエフェクトですが、作用がわかりにくいエフェクトなので、はじめは無視してもいいかもしれません。
TDR Kotelnikov
非常に自然に圧縮できるコンプ。ぼくは脳死で全トラックに入れてますが、そこそこ重いのもありマスターなどにおいて音のまとめに使うのが吉なようです。「TDR Kotelnikov(コンプレッサー)」のダウンロード方法と使い方 | 無料(フリー)VSTプラグインのご紹介
OTT
マルチバンドコンプレッサーと呼ばれる、周波数の帯域ごとにコンプレッサーのかかり方を調整できるコンプの一つ。これはかなり大味なものですが、積極的な音作りなどに役立ちます。Xfer Records OTTの使い方【無料マルチバンドコンプ】 │ サッキーのさっきの出来事
その他
Guitar Rig 5 Player
アンプシュミレーター、キャビネットシュミレーターなどが入ったプラグイン。プリセットを中心に設定してギターやベースにつなぐといい感じになります。Guitar : Guitar Rig 5 Player | Komplete
Reviber(1208 Audio)
エンハンサーという音を目立たせるエフェクトの一つ。音が華やかになったり太くなったりします。Reviber – 1208 AUDIO Plugins
Ozone Imager 2
ステレオイメージャーという音の広がりを操作するエフェクトの一つ。Ozone Imager 2, Free Stereo Width plugin, Download Ozone Imager 2 plugin, Free iZotope vst plugins
W1 Limitter
リミッターというコンプレッサー亜種のようなもので、音圧を上げるのに使えます。マスターに挿して仕上げに使いましょう。「W1 Limiter(リミッター)」のダウンロード方法と使い方 | 無料(フリー)VSTプラグインのご紹介
曲の発表先
DAW上で曲をファイルにしたら、放出してみんなにほめてもらいましょう。もしかするとアドバイスももらえるかもしれませんし、何よりモチベ維持に有効です。
みすの発表会、企画
これなんですよね~~~MIS.Wのいいところは自分の曲を発表する&使ってもらう機会が多いことで、しかも初心者の作品でもけっこうほめてもらえます!!(そもそもMIDI研はぼくも含め大学からDTMを始める初心者が多いです)みすに入りましょうね~~
このSNSには作曲する人がやたらいますね。基本動画しかあげられないので画面をキャプチャするなりSoundcloud(後述)を利用するなどしましょう。動画は140秒が限界なので注意。
Soundcloud
音楽版Youtubeみたいなとこ。日本語版が無く基本英語ですが日本の方の作品も多いです。ツイッターに曲のリンクを貼ればツイッター上で直接聴くこともできます。
Youtube、ニコニコ動画
動画が作れた(作ってもらえた)場合はこういうとこも利用していきましょうね。こちらもリンクを貼ればツイッター上で見れます。
おわりに
以上を参考に作曲→発表を繰り返していけば文句なしにトラックメイカーを名乗れるはずです。これでこの記事の本題である「無料でDTMすること」については説明を終えたいと思います。字数がそれなりになってきたので詳細は省きますが、以下に少しだけ「有料でDTMすること」に記しておきますので、時間があったら見てみてください。
次回はれしいさんの記事となります。
おまけ:DTMに課金してみる
やめましょう。ろくなことありません。その金でゲームや漫画を買った方がましです。
とはいえ、ギターなどの生の楽器を中心とする音楽では無料の音源と有料の音源では決定的な音の良さの差がありますし、電子音楽にしても有料音源&エフェクトを使った方が圧倒的に楽に良い音を出せます。やっぱりほしいなぁ…と思ったときには以下の点に注意してみてください。
・最初っから現金突っ込むのはやめる… 相当の覚悟がある方、形から入る方はまぁ別かもしれませんが、いざやってみたときDTMが肌に合わなかったら悲惨です。
・よくわからないけど欲しい、はやめる… 一旦無料のものを探し、それをしばらく使ってどうしても必要になったら買う、というのが一番いいと思います。とりあえず買ったものは結局使わないということも多いです。
・無料のもので代替できないか調べてみる… 前項と被りますが、無料で良いものもあれば有料でイマイチなものもあります。プラグイン、サンプルは星の数ほどあるので、欲しい機能は意外と無料のものにもあるかもしれません。
・セールなどで安く買えないか検討する… DTMのソフトはかなり反則気味の値引きをすることが多く、9割引き~無料ということもたびたびあります。セール情報はツイッターでゆにばすさんのアカウント(ゆにばす(シンセサイザー/ゲーム音楽) (@universe_ex) | Twitter)や西森夢理さんの超DTM速報(超DTM速報@西森夢理 (@superdtmbot) | Twitter)などを見ると掴みやすいでしょう。
・人にいい商品か聞いてみる… 実際に身近な人に聞いた方が余計な見落としをせずに済みやすいかと思います。(今回の記事にある様々な音源、エフェクト、サイトについても多くはMIS.Wを中心としたサブレの周囲の方々から情報をいただいたものです。ありがとうございます。)
人によってあっさり数万円が溶けてしまうDTM、課金の際には細心の注意を払って下さい。