MIS.W 公式ブログ

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巨大楽団を操る[AdventCalendar16日目]

こーんばーんはー!

48代MIDI研のYokoheiです。

本日は、僕からアコースティック系楽器の巨大集団「オーケストラ(管弦楽団)」について少しお話をしたいと思います。

けど、普段オーケストラ編曲をしているにも関わらず、実際の器楽経験がピアノ以外全く無い(し、習ったこともない)ので、内容の信憑性は都市伝説程度に。

~楽器~

オーケストラの楽器群は、大きく分けて4つあります。木管楽器(Woodwinds)金管楽器(Brass)打楽器(Percussion)弦楽器 (Strings)です。 「あれ、なんかヘンテコな順番ですね!」と言われるかもしれません。 これは、全てのパートが記載される「総譜(フルスコア)」という楽譜の順番に従ったものです。この順番が、現在の世界標準となっています。

では、各楽器群のさらに細かいパートの名称はどうでしょう。こんな感じです。

木管楽器フルート」、「オーボエ」、「クラリネット」、「ファゴット」など

金管楽器は「ホルン」、「トランペット」、「コルネット」、「トロンボーン」、「チューバ」など

打楽器は「ティンパニ」、「シンバル」、「スネア」、「ピアノ」など

弦楽器は「第1ヴァイオリン」、「第2ヴァイオリン」、「ヴィオラ」、「チェロ」、「コントラバス」など

分からない楽器も、実際に音を聴くと「この楽器か~」ってなると思います。

意外だとは思いますが、ピアノは 弦を叩く「打弦楽器」なので、打楽器の分類です。 ~人数~

各パートの人数比ですが、時代によってまちまちです。オーケストラは最初から人数が多かったわけではなく、バロックでは、管弦楽は貴族の嗜みのようなもので室内で演奏を行える程度のものでした。その頃は管楽器1名ずつ、弦楽器2名ずつの計20名程度の編成でした。

じゃあ現在は…??

 100人くらいです。とてつもなく多いです。

現在の基準とされているのが「四管編成」と言われる編成で、木管楽器が各4人、金管楽器が各3~4人(ホルンは6人~8人)、弦楽器は先ほどの順番通りに16人、14人、12人、10人、8人という編成を取ります(楽曲によっていくつか変動があります)。最近は変則的な構成も多いです。

人数の比はだいたい音量の比になっています。金管楽器が軒並み大音量なので、金管8人vsヴァイオリン30人みたいな構図になります。オーケストラの写真とか見ると、弦楽器隊は必ず前にいることが確認できるでしょう。後ろにいると音が小さくなってしまうのがその一因です。各パートの配置は、音量や残響の深さ等と大きく関係しています。

~編曲~

ここから少し流れは変わり、僕のオーケストラ編曲の仕方についてお伝えします。これはオーケストラに関わらず色んな楽曲で言える事なので参考程度に。

オーケストラアレンジは、見た目より遥かにやってる内容は簡単です。

ただ、楽器数に比例するように作業量が多いので、バランス感覚が少し試されるかもしれません。

荒っぽい言葉ですが、「音を半強制的に多く重ねる」ので、慣れると楽です。ただ、それでも気をつけないことはいくつかあります。 ①そのパート、演奏してて楽しい? これだけはいつも気にしながら作ってます。オーケストラに限らない話だと思っていますが、弾いてて楽しくないパートがあると、わりと楽曲に影響します。

「…楽器弾けないんだけど」という意見を先に予想しておきます。

しかしながら、DTMの普及により、音楽の可能性は数段飛躍しました。楽器が弾けない方、楽器の理論を知らない方は「こんな感じに弾いてるだろ」「これ弾けたらカッコいいな」という感覚だけで充分だと思います。 ②その曲、強弱はある? 音楽は、ゲームのBGMや、ダンス曲的にシリーズorDJとして複数の曲をつなげていく場合や、たった1曲で完結させる場合など、無限に分類があります。今回は特にコミケ新譜やシングルなど、1曲で完結させる曲に限定します。

一番ベタな表現が、サビで盛り上がるタイプの曲です。サビは作者の主張が一番詰まってる部分ですので、強くて当然です。オーケストラも喜怒哀楽の感情を一番出したい部分を強くします。

例えば曲始めのAメロあたりで全力で強く表現してしまっては、同じく強いサビに入っても「あれ?盛り上がんないぞ?」みたいな印象を与えてしまいます。伝えるために、グッとおさえる部分を作るように心がけてます。 ③指揮してみてどう? オーケストラアレンジの打ち込みをある程度完成させたら、実際に手を振ってみます。

「盛り上げたいところでイマイチ盛り上がってないなぁ」とか「ここ無駄に単調だなぁ」とか出てくるので、音符を変えて楽器を替えて修正していきます。この作業に大半の時間を費やします。 ④(ちょっと上級)演奏可能?? 僕も最近勉強しているのですが、実際にオーケストラ曲を演奏出来るかどうかをテストするようになりました。各パートの演奏難易度を調整したりすることで異常にレベルが上がります。お好きな人だけどうぞ。

…いかがでしたでしょうか。考えることが多すぎておかしくなりそうですね。誰がとは言いませんが、おかしくないです。

オーケストラはハイコストなだけに特大のリターンがあります。完成させた時の達成感はこれ以上無いかもしれません。何でもできる気になります。実際は課題が溜まって積みあがっていくだけでした。

最後に、僕が使っているオーケストラ音源を紹介しておきます。

EAST WEST社「QUANTUM LEAP Symphonic Orchestra(EWQLSO)/Platinum Complete」

フルオーケストラ音源で、大量の奏法があります。既に音がきらびやかなので、壮大な曲が書ける現在の主戦力です。プロユースなので合計120GBぐらいのサンプルがありますが、下位バージョンでも充分すぎるパフォーマンスを発揮するかと思います。

2008年にこの音源を知り、2013年4月に購入しました。およそ5年間欲しがり続けたので、もう買うしかなかったですね。

使ってみたい方にはお貸しします。

長い文章を読んでくださり、ありがとうございました。まっふら。