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ドラムパターンの作り方【カウントダウンカレンダー2018冬8日目】

こんにちは、51代MIDI研のなかさん(naka3)です。
DTM歴はまだ浅いですが、7年ほどドラマーをやっております。

2018年の新歓ブログで書いた「アコースティックドラムをカッコよく打ち込む」という記事が思いの外好評を頂きまして、この記事はその続編となります。
この記事では、前回の記事で「ドラムパターンを作ります!作りました!」と言わんばかりに省略したドラムパターンの作り方をゼロから紹介します。
底が見えないほど深い話題である故、それほど込み入った話までは掘り下げられませんが、ドラム1ミリも知らね!みたいな方には参考になる記事かなと思います。

この記事を読む上で、いくつか注意事項があります。

  • この記事で扱うのは「アコースティックドラム」の打ち込みです。電子音楽におけるパーカッションには必ずしも当てはまらない話であることをご理解ください。
  • 筆者の主観にまみれていますので、どうか参考程度に留めておいて頂けるとありがたいです。
  • 記事中にいくつか、実際の曲で使用されているドラムパターンが出てきますが、筆者が適当に耳コピしたものですので、実際のそれとは違う可能性があります。
  • 基本的に現代日本のポピュラー音楽、特にJ-POPや邦ロックを軸に解説します。ジャズその他のジャンルには筆者の知見不足からほとんど触れられないと思いますがご容赦ください。
  • 筆者はリズム理論には疎いため、あくまでドラマー視点で語られるものだと思ってください。

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0.ドラムの基礎知識

この記事を読むにあたって、いくつか知っておいてほしいドラムの知識があるので紹介します。

0-1.ドラムセットを構成する楽器

「ドラムセット」は、多数の打楽器から成る楽器です。

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上に示したのは一般的にスタジオやライブハウスに設置されているドラムセットです。ドラマーによって、打楽器を減らしたり増やしたりと様々ですが、この図に従って説明していきます。
ここでは、この記事で登場する、ハイハット、スネア、バスドラム、ライドシンバル、クラッシュシンバル、フロアタムについて説明します。

I.ハイハット


「刻み」(後述)のメインとして使われる金物です。ドラムセットの左側に配置されていますが、一般的なクロスハンド奏法では右手で叩きます。
二枚のシンバルが向かいあわせに配置され、左足のペダルに連動して開いたり閉じたりします。
左足を踏んで閉じた状態を「クローズハイハット」。リリースが短く小さな「チッ」という音が鳴ります。
左足を踏まずに開いた状態を「オープンハイハット」。リリースが長く派手な「シャーン」という音が鳴ります。
一般的にDTMで使用されるハイハット音源には「クローズ音」「オープン音」「ハイハットを閉じた時の音」の3つが収録されています。
オープンハイハットを鳴らした後、左足を踏んでハイハットを閉じれば、音が止みます。ハイハット音源でも同様で、オープン音の後にクローズ音やハイハットを閉じる音を打ち込むと、オープン音が止むように出来ています。
このような複数の奏法を併せ持ち、様々な表情を演出できる打楽器です。

II.スネア


いわゆる小太鼓で、ドラムパターンを構成する基本的楽器の1つです。クロスハンド奏法では左手で叩きます。
「パン!」という大きな音が鳴ります。
また、スネアのフチを叩く奏法をクローズドリムショットといい、「カンッ」というリリースが短く高い音が鳴ります。
また、スネアの面とフチを同時に叩く奏法をオープンリムショットといい、派手で大きな音が鳴ります。
一般的なドラム音源にはこの3種類、もしくはオープンリムショットを除いた2種類が収録されています。

III.バスドラム


いわゆる「キック」です。ドラムセットの中で最も低い音を担当します。
右足のペダルを踏むことで鳴らしますが、ツーバス(2つのバスドラムを設置すること)あるいはツインペダル(左足でもバスドラムを叩けるようにする特殊なペダル)を用いることで、両足で踏むことができるようになります。両足で踏むと、メタルで使用される「ドコドコ」をはじめ、高速なバスドラム連打を用いた複雑なドラムパターンを作ることができます。

IV.ライドシンバル


ドラムセットの右側に配置される金物で、主に刻みで使用される楽器です。
リリースの長く、主張があまり強くない音が特徴。
一般的なライドシンバルの音は、シンバルのボウ(普通の打面)を叩いた時の音です。
一方、カップ(軸付近の盛り上がり)を叩いた時はカーンという音が鳴ります。この音は主張が強く前に出てきやすいため、力強いビートを刻めます。
この2つの音を組み合わせるドラムパターンも多く存在します。
また、エッジ(フチ)の部分を叩くと、クラッシュシンバルに似たアクセントを出すことができます。
ボウの音は多くのドラム音源に含まれてますが、カップの音が含まれるドラム音源を使用することが望ましいです。

V.クラッシュシンバル


アクセントとして使用される楽器で、「ジャーン!」という非常に派手な音が鳴ります。
ドラムセットの左側、もしくは左右両方に配置され、基本的には右手で叩きますが左手で叩くこともあります。
ドラムパターンの変わり目やフィルの終わりなどでアクセントとして使われるのが9割方ですが、刻みとして使われることがあれば、シンバルロールのような奏法で使われることもあります。

VI.フロアタム


ドラムセットの右側に配置される、大口径の中太鼓です。ずっしりとした低音を鳴らします。
他のタムと絡めたタム回しなどフィルインで使われることが多いですが、低音を強調したいドラムパターンでは刻みに使われることがあります。

0-2.ドラム譜の読み方

ドラムの譜面は五線譜に書かれます。
定まった記法はなく、作者によって書き方が微妙に異なることが現状ではありますが、この記事では以下のように定めます。
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0-3.4種類のストローク

ドラムで非常に重要なのが「アクセントコントロール」、つまり音の強弱です。
打ち込みのドラムではなおさら、リアリティを出すためにコレが重要になってきます。
この記事では、アクセントコントロールを司る4つのストローク(打法)が用語として出てきますので、簡単に紹介します。

I.フルストローク(強打)

高い位置からスティックを振り下ろし、叩いた時の反動に任せて再び高い位置に持っていくストロークです。強い音が出る強打の一種です。
再び高い位置に戻るので、次に続くのはフルストロークかダウンストロークになります。

II.ダウンストローク(強打)

高い位置からスティックを振り下ろし、叩いた時にスティックを握り低い位置に固定します。強い音が出る強打の一種です。
低い位置に固定されるため、次に続くのはアップストロークかタップです。

III.アップストローク(弱打)

低い位置から打面を弱く叩き、高い位置に持っていきます。弱い音が出る弱打の一種です。
高い位置に戻るので、次に続くのはフルストロークかダウンストロークになります。

IV.タップ(弱打)

低い位置から打面を弱く叩き、そのまま低い位置に固定します。弱い音が出る弱打の一種です。
低い位置に固定されるため、次に続くのはアップストロークかタップです。

1.刻みから作る

ドラムパターンを作る時、どこからアプローチしていくかは人によって違います。
私は「刻み」から作っていく人間なので、まずはこの刻みから紹介していきたいと思います。

1-1.「刻み」とは


上の音声を聞いてみましょう。典型的なドラムパターンの音声です。
ここで、音は小さいですが「チッチッチッ」と等間隔で鳴っている金物の音が聞こえると思います。これが「刻み」です。
ドラムパターンにおける刻みは、特定の楽器を(基本的に)等間隔に鳴らすことです。
刻みはバスドラムやスネアといった楽器より地味ですが、曲のノリを決めるのに一役買う重要なものです。
ドラムパターンの作り方は多々ありますが、ここでは、この刻みからドラムパターンを作っていきたいと思います。

1-2.刻みに使う楽器

刻みには主にハイハットやライドシンバルが使われますが、時と場合により他の楽器も使われます。
ここでは、使われる楽器を、例を挙げながら見ていきましょう。

I.ハイハット

多くの楽曲において刻みのメインで使用される楽器です。
上述した通り、リリースが短く控えめな「クローズ」とリリースが長く派手な「オープン」の2つの音色を持ち、ひとえにハイハットを使用した刻みといっても様々な表情を見せます。
この記事では、これ以降基本的にハイハットを使用したパターンを紹介します。

II.ライドシンバル

ハイハットと違い、リリースが長いが、オープンハイハットほどの派手さがないシンバルです。
曲の盛り上がりの部分で使用されたりと、ハイハットからの変化として使用されることが多いですが、ジャズ等のジャンルではメインの刻みとして使用されることもあります。

III.クラッシュシンバル

リリースが長くとても派手なシンバルで、基本的にはアクセントに使用される楽器ですが、曲の盛り上がりで騒がしい音にしたい時に刻みとして使用されることがあります。

IV.フロアタム

大口径の中太鼓で、低いずっしりとした音が鳴ります。これを刻みに使うことで、金物がなく、高音が弱く低音がどっしりとしたドラムパターンを作ることができます。
ロックなどで、曲の変化に使われることが多いです。

1-3.基本の刻み

ここでは、この世に存在する無数の刻みのうち、現代ポピュラー音楽シーンで頻出の超基本刻みを紹介します。

I.8分刻み系

8分音符を基本とする刻みです。
ハイハット、ライドシンバルを主に使いますが、フロアタムを使用することもあります。
いくつかパターンを見ていきましょう

■フルストローク

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8分音符、同じ強さで等間隔に打つ刻みです。
ドラム初心者が必ず最初にやる、いわゆる初歩的なエイトビートになり、汎用性の高い刻みです。

■アップダウン/ダウンアップ

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8分間隔ですが、音の強弱をつける刻みです。
8分表を強く叩くのがダウンアップ、8分裏を強く叩くのがアップダウンとなります。アップストロークとダウンストロークを繰り返すためです。
強打の位置にアクセントが付くため、曲のノリ感にあった刻みを選びましょう。
また、速い曲(目安としてBPM160以上くらい)では、エイトビートは基本的にダウンアップになります。(フルストロークでは腕が追いつかないため)
ライドシンバルでの刻みでは、ダウンストロークカップ(上述)を叩くことで強弱をつけます。

■2抜き/4抜き

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一拍中の4打のうち2打目を抜いたもの(チッチチ)と、4打目を抜いたもの(チチチッ)も、頻出ではありませんが使われることがあります。
連続する三打のストロークはダウン→タップ→アップなので、強→弱→弱というアクセントになります。

■裏オープンハイハット

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ハイハットを8分裏で開き、8分表で閉じる、超頻出刻みです。アップダウンの一種。
8分裏に強いアクセントが付き、疾走感のあるビートを簡単に演出できます。

II.4分刻み系

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4分音符を基本とする刻みです。
ハイハット、ライドシンバルの他、クラッシュシンバルを使用することもあります。
4分のタイミングでアクセントがつき、ガッチリとした印象のノリになります。
基本的にはフルストローク、同じ強さで等間隔に刻みますが、8分刻みと同様、強弱をつけたり、2抜き/4抜き、4分裏をオープンにするなどの例もあります。

III.16分刻み系

16分音符を基本とする刻みです。ハイハットを使用します。
刻みは基本的に片手で叩きますが、16分刻みは両手で叩きます。このため、スネアなどを叩く時はハイハットを叩かない、もとい叩けないことが、他の刻みと大きく違うところです。
いくつかパターンを紹介します。

■フルストローク

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16分間隔で同じ強さでハイハットを叩きます。
同じ強さで、という前提ではありますが、ドラマーによっては8分表や4分表にアクセントが付きがちで、打ち込みでこれを再現するとリアリティが出たりします。
上のスコアを見れば、スネアを叩いている時はハイハットを叩いていない、ということが分かると思います。

■2抜き/4抜き

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連続する4打の2打目や4打目を抜くことは16分刻みでも行われます。
また、1小節の中で2打目を抜いたり4打目を抜いたり…ということも行われがちです。

■8分裏オープンハイハット

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8分裏のタイミングでハイハットを開き、表で閉じる行為は16分刻みでも行われます。
主に4抜きのパターンで行われます(チキチー)が、上の例に挙げた通り、前述した2打目を抜いたり4打目を抜いたりする複雑な16分刻みで行われることもあります(僕はこれが凄い好きです)。

IV.シャッフル

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シャッフルとは、連続するニ打のうち一打目を少し長く叩くリズムです。基本的には、三連符の中抜きです。
ハイハットとライドシンバルで使われ、ストロークはダウン→アップとなるため、音の強さは強→弱です。
いわゆるハネたノリになるため、使われるジャンルは限られてきます。後ほど、発展形ドラムパターンの話をする時に再登場します。

1-4.特殊な刻み

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「刻み」は、一定のリズムを叩き続けることでテンポをキープする目的もあり、こと現代日本のポピュラー音楽シーンで登場する刻みのほとんどは上に紹介した刻みに分類できます。
しかしながら、海外のロックその他の音楽ジャンルでは、必ずしも一定でない複雑な刻みが登場します。私の知見不足もあり、ここでは殆ど紹介しませんが、その例の一つとして、Van HalenのJUMPに登場するドラムパターンを紹介します。
複雑な刻みを用いたドラムパターンは作るのが難しく、実用的では無いかもしれませんが、こういう刻みも存在するということを頭に入れておくと良いかもしれません。

2.ビートを完成させる

刻みが出来たら、続いてはスネアとバスドラムを打ち込み、ビートを完成させます。
ここでは、一般的な邦ロックやポップスで使用される基本的なビートを最初に紹介し、その次に応用として様々な特殊なビートの作り方を紹介します。

2-1.基本のビート

ビートを構成するのは(基本的に)ハイハットとスネア、バスドラムですが、その中でも特にスネアの位置はノリ感を決めるアクセントの位置になりがちで重要です。
そこで、スネアの位置で分類した基本的なビートと、各ビートのバスドラムの置き方を紹介します。

I.バックビート

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二拍目と四拍目にアクセントを置く、最もポピュラーで基本的なビートです。
ぶっちゃけポップスやロックに限らず、あらゆる音楽ジャンルで使われるので、今更説明する必要も無いかと思います。汎用性が高いので曲の構成のどこにでも使えますが、その反面、面白みはあまりないです。
バスドラムの置き方は、通例一拍目にバスドラムが来ますが、それ以外は基本的に自由で、作曲者のセンスです。バスドラムを四つ打ちにするか否か、だけでも大きな違いが出ます。

II.ハーフタイム

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三拍目にアクセントを置くビートです。ハーフタイムの名前の由来は、バックビートを2倍に引き伸ばしたビートであるためです。
バックビートよりも落ち着いたノリで、バックビートからハーフタイムに切り替えるなどして、曲の中で抑揚をつけるのに有効です。
バスドラムの置き方は、こちらも通例一拍目には置かれますが、それ以外は自由です。バスドラムを8分で踏み続ける、なんてのもありがちです。

III.ツービート/ブラストビート

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8分裏にアクセントを置くビートで、メタルなどの速い楽曲で使われがちなイメージですが、ロックやファンクといったジャンルでも低中速のツービートが多く登場します。
バックビートよりもせわしなく楽しいノリ感が出ます。バックビートから切り替えることで盛り上がりを演出できますが、ツービートが似合う曲で基本ビートとして使っていく事が多いと思います。
バスドラムの置き方は、4分or16分裏のタイミングで置くことが主です。メタル等ではツーバス/ツインペダルを使用した激しいビートも使われがちです。

IV.頭打ち

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各拍の頭にアクセントを置くビートで、頻出です。
今まで紹介した他のビートとは一線を画すノリ感で、各拍の頭(4分)に強いアクセントが付きます。
バスドラムの入れ方は8分裏で入れるのがスタンダードですが、4分で入れてよりアクセントを強めることもあります。小節の頭にはバスドラムが来ないことも多いです。

V.2抜きバックビート

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四拍目にアクセントを置くビートです。
バックビートから二拍目を抜いたビートなので、バックビートからの切り替え/バックビートへの切り替えで使われがちです。
使い方としてはハーフタイムに似ており、落ち着いた雰囲気が出ます。
バスドラムの置き方は、通例一拍目には置かれますがそれ以外は自由です。

VI.スネア無し

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パターンと呼んでいいのかは微妙ですが、スネアを置かないパターンももちろん存在します。
スネアが無いため、落ち着いた雰囲気になります。バスドラムを置いたところにアクセントが付きます。

2-2.発展形ドラムパターン

有名なドラムパターンには、必ずしも上に紹介したビートに当てはまらない特殊なビートが存在します。
特にラテン系音楽シーンでは、発展の中でドラムが取り入れられ、それまでの音楽に合わせた新しいドラムパターンが生み出されています。
このようなドラムパターンは無数に存在しますが、ここでは、近年ポップスやロックのシーンでも使われることがある有名なパターンをいくつか紹介します。

I.サンバ

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サンバはブラジルの音楽ジャンルです。
ドラムにおいては、「ドンッ、ドドンッ、ドドンッ…」という二連バスドラムを利用したパターンのことを言い、特にこのバスドラムの鳴らし方を「サンバキック」と言います。
ポップス・ロックシーンでこのサンバキックがそのまま出てくることは稀で(後に紹介するボサノバパターンが出てくることはある)、例(ムスタング)に示したようなサンバっぽいノリを利用したドラムパターンが、曲の構成のアクセントとして用いられることがあります。

II.ボサノバ

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ボサノバもブラジルの音楽ジャンルで、その源流はサンバです(というかサンバの一種だと思います)。
例に示したようなドラムパターンが使われます。
もちろんボサノバで使われるドラムパターンですが、オシャレ系ポップスで曲のアクセントとして用いられることもあります。例に示したSHISHAMOの熱帯夜は、ボサノバのリズムパターンを二倍速にしたパターンが用いられています。サンバに似ていますよね。

III.ジャズ

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ドラム教室でジャズの初歩として習うようなリズムです。
正直、筆者はジャズドラムに関する知見が皆無だし叩いたこともないので、あまり言及はしないことにしますが、オシャレ系ポップスで使われると、よりテクニカルな印象が出るのではないでしょうか。

IV.シャッフル/ハーフタイムシャッフル

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三連の中抜きを基本としたビートです。刻みの話でも出てきましたね。ジャズの流れを持つジャンルで用いられるビートですが、現在では電子音楽を含め多くのジャンルで使用されます。
スネアがバックビートの位置で入るものをシャッフル、ハーフタイムの位置に入るものをハーフタイムシャッフルといいます。
余談ですが、ハーフタイムシャッフルはTOTOのRossanaという曲で使われている有名なドラムパターンで、その難しさと奥深さからドラマーの登竜門とも呼ばれています。

V.セカンドラインビート

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セカンドラインビートは、ニューオーリンズで発祥したセカンドラインというパレードから生まれたリズムです。
例の一番最初で示したようなアクセントを持つビートです、なんとなく聞いたことがある感じだと思います。非常に応用パターンが多く複雑でここには書ききれないため、詳しくは自分で調べてみるといいと思います。
正直、現代ポピュラー音楽シーンで使われることはあまり無いですが、ジャズやロックの源流のリズムとも言われてるので、知っておいて損はないビートかなと思います。

2-3.特殊なパターンへのアプローチ法

この世界には無数のドラムパターンが存在します。「どんな頭してたらこんなドラムパターン作れるんだよ(褒め言葉)」みたいな複雑怪奇なドラムパターンもあります。
それぞれがどのような意図で作られているかは作曲者に聞かないとわかりませんが、ここでは、複雑なドラムパターンやノリへのアプローチ方法を、私が思いつく限り書きたいと思います。

I.シェイクビート

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基本のパターンに、16分裏の弱打のスネアなどを追加する方法です。
複雑なパターンを作る方法というよりは、より王道なパターンを作る方法という感じもしますが、ファンクビートなど、現代のポピュラー音楽シーンで呼吸より容易く使われる16ビート(16分を最小単位とするビート)を作る手法です。
文章を読むより聞いた方が早いと思うので、例を聞いてみてください。

II.複数のビートを組み合わせる

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2-1で示した基本のビートを組み合わせることで、複雑なノリが生まれることが期待できます。
上に示した例を見てみましょう。
1つ目は、一小節目が2抜きバックビート、二小節目がハーフタイムで、2小節で1つのパターンを形成しています。
2つ目は、小節の前半がツービート、後半がバックビートになるパターンです。特殊なビートですが、ツービート系のファンクとの親和性が意外と高いです。
このように、2つのビートを組み合わせることで、違和感のない、それでいて特殊なノリを作ることができます。

III.他の楽器にアクセントを合わせる

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IIIとも似ていますが、曲のアクセントを意識してリズム隊を組むと、思ってもみない特殊なビートが生まれることがあります。曲のアクセントを意識してリズム隊を形成することで、他の楽器帯との親和性が高くなり、特殊なビートも違和感なく聞かせることが出来るでしょう。
このようなドラムパターンを作るのに大事なのは「アクセント位置」や「つんのめり感」です。アクセント位置は多くはスネアが入る位置となりますが、この位置がビートを印象づけているということは忘れないようにしましょう。また、このような特殊なビートは基本的なビートからスネアの位置を前や後ろに少しズラした様な形になることが多く、リズムがつんのめっている感じが出ます。このつんのめり感により基本的なビートには無いメリハリや緊張感が出て、独特なノリ感が生まれます。この「つんのめり感」は非常に強い印象を与えるので、他の楽器帯とノリの整合性が取れるように編曲することを心がけましょう。

おわりに

ドラムパターンの作り方、ザックリとお送りしました。
作り方、と銘打った記事でしたが、知識を並べただけだったかもしれないですね……。
でも、実際ドラムパターンを作るのに重要なのは知識の蓄積だと思います。自分のドラムパターン知識のライブラリーから選んだり組み合わせたりして、ドラムパターンは作るものです。
この世界には夥しい数のドラムパターンが存在します。今回紹介したのはそんなリズムの世界のほんの一部です。
道のりは長いですが、ドラムを意識して沢山の曲を聞けば、きっと思い通りにドラムパターンが作れるようになると思います。その過程で、この記事が少しでも役に立てばと思います。

最後に自分のSoundCloudの宣伝をさせてください。

ぜひ、僕の曲を、聞いて、ください!よろしくおねがいします。

稚拙な長文失礼しました!
明日はmomok君の記事です、お楽しみに!