MIS.W 公式ブログ

早稲田大学公認、情報系創作サークル「早稲田大学経営情報学会」(MIS.W)の公式ブログです!

鳥と企画とデスマーチ ~企画を立ててみた感想~【カウントダウンカレンダー2021冬4日目】

この記事はMIS.W公式アドベントカレンダー2021の3日目です。

お疲れさまです。
いつもお世話になっております、藤汐です。

普段は一般CG研なのですが、MIS.Wに入ってもう3年目ということで。
企画というものを立てさせて頂きまして、僭越ながら企画長というのをやらせて頂きました。

以下は全て私が思う「企画」について語る文章になります。
基本的に鳥企画(ゲーム名:バードル☆マーチ)の感想なので、あんまり役には立ちません。

※企画員のハンドルネームを伏せて書いています。

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プロローグ ~はじまり~

2年生()の終わり、12月のこと。
最初にあったのは、ほんの小さな思いつきでした。

「野鳥を擬人化したらかわいいんじゃね!?」

思い立ったが吉日です、いつもそう。思いつきと衝動の生き物
即シマエナガちゃんのキャラデザをして、ラフのようなものをツイッターに上げました。
MIS.Wはとてもあったかいので、適当なラフを上げてもいいねが貰えて嬉しくなれます。ありがとう。

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そこそこ反応が良かったので藤汐の中の人はつけあがりました。

「鳥の擬人化集めてゲーム作っちゃおうカナ!!??」

本当に、軽い気持ちで呟いたツイ廃のでした。が、とある人物が釣れてしまいました。

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シロフクロウ

鳥という題材だったがために、ここに企画の第一犠牲者が現れてしまいました。
シロフクロウが好きな54代(同期)のつよつよエンジニア……意外な展開に戸惑いつつ、やるしかない状況に。

「野鳥を擬人化したゲームつくるお!」

ゲームの本体を作れるプログラマが仲間になったので、これはゲームが完成するといっても過言ではない(過言)
ということで、適当に呟いたり、discordで会った人に声をかけたりしました。
よく企画に人を集めるにはどうしたらいいですか?と訊かれるのですが、これは後述しようと思います。

元々54代はあまりゲーム開発をやってこなかったが興味はある、みたいな雰囲気なので、有り難いことに企画にいい反応をくれる人が多かったです。「MIS.Wの良いところは各研究会が集まって、横断的に交流できるところ」と、前々から言っていたのに私は何もしていなかったので、そういう意味でもちゃんと企画を立てて良かったと思います。

その流れで……なんやかんやMIDI研のすごい同期、動画もプログラミングもできるすごい同期、CG研で一番仕事ができるドット絵班のすごい同期、とにかくすごい同期が集結し勝ったなガハハ!と思うと同時に絶対に失敗できない企画が爆誕しました。

第一章 ~鳥企画~

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企画を立てて、一番はじめにあるクソデカイベントが ”企画発表会” です。
ここで散ってしまった企画は、希望の人数(規模)での進行をあきらめるか、一人一人声を掛けるというキモオタには辛いムーブをすることになります。
※一人一人声を掛けるという行為は、声を掛ける側は気にするかもしれませんが、掛けられる側は嬉しいという説があります。また断られても気を落とさないようにしましょう。

まず、企画発表会を通して ”何を得たいのか” を考えました。
当然それは企画員、つまり人なのですが。このままではふわっとしすぎているので、白黒ハッキリさせます。

企画を立てた目的(やりたい事)と、目標を優先順位で整理します。

<全体(企画員と共有する目的/目標)>
  1. 野鳥を擬人化したキャラで、ソシャゲ風のゲームを作る
  2. ゲーム/企画を通して、 野鳥に親近感や愛着を持ってもらう
  3. 三研究会の力を結集して、一つの作品を作る経験をする
<個人(藤汐)>
  1. キャラデザをする
  2. 企画を立ててまとめる
  3. ゲームを完成させる
  4. ガチャをまわす
  5. Live2dをゲームに実装する

こんな感じでしょうか。
明確になった企画の目的、目標、イメージを発表会で共有し、同じ志を持ってくれる仲間を集めます。

最初にやることや範囲が明確にならないと、どんなアイデアを出して良いのか分からなくなります。
そして目的や譲れないポイント、芯にするイメージを固めておかないと、上がってきた提案をどれもこれも実装しようとして死にます。

所詮半年程しか作業期間が無いので、そんなにちゃんとしたものは作ることができません。突貫工事になるのは目に見えていたので、「やならければならない」「やりたい」「やりたいが、やらなくてもいい」という優先順位を常に意識して進めていました。作業に遅れやオーバーワークが発生した際、いつでも作業量を減らせるようにしたかったからです。

やらなければならないこと、ゲームのストーリーモードとスコアアタック、ゲームの根幹を成す要素は遊べるところまで持っていけました。やりたいがやらなくてもいいこと、プレイヤー同士の対戦機能や、ホーム画面などでのLive2dアニメーションは結局実装することはありませんでした。

やりたいこと、に関しては、企画員各々が走る勢いに全てを任せました。
イラストや音楽が顕著ですが、ファイル形式や締切を規定してあとは放っておくスタイルです。なぜこのような形にしたのかというと、私がいくつか企画を経験するなかで、一人でできる作業はそうしてくれると一番楽だと思ったからです。

話が逸れましたが。
企画発表会では、キャラクターのラフやゲームシステムのイメージ画像なども用意してスライドを作成しました。CG研はこういう時強いので逆らわない方が良いんじゃないかなと思います。

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結局何が言いたいのかと言うと、企画の趣旨を理解し、企画長が省エネしても動ける企画員が沢山欲しかったので、そんな風になりそうな感じで企画発表会に臨んだということです。

第二章 ~アイドル~

ところで皆さん、アイドルは好きですか?私は嫌いです。

名実共に手の届かない神(概念)になってしまった推し、自分の良さを完全に理解し少女漫画ムーブをする理系院卒推し、彼らのことを考えると胸が苦しくなります。

鳥の擬人化というワンアイデアで見切り発車した鳥企画、まだ決めなければならない事があります。
ゲームシステムです。ガチャで出たユニットを育てて戦闘できればなんでもよかったのですが、コンセプト、つまりファンタジーなのか現実社会なのか歴史物なのか等々が全く決まっていませんでした。ここがハッキリしなければ、細かいシステムは作る事ができません。
今までMIS.Wの色んなチームやゲームを見てきましたが、結局何をコンセプトにするのか、そこが決まらないまま進めようとしてグダっている印象を受ける事がありました。なので、自分の企画ではこの辺はしっかり決めようと思っていました。

企業とは違うと思いますが、学生の集まりである企画においても企画長はそこそこの権限を持っています。が、独裁者になることを望む人はあんまりいません。自分のアイデアだけで創作するなら、そもそも一人でやればいいからです。できることなら意欲のある企画員の、良いアイデアをかき集めて良い作品を作りたいのです。

しかし、勝手に周りがアイデアを出してくれるとか、意見を言ってくれてそれを採用すればいい……なんて理想像はただの隠キャの妄想です。考えても見てください。よくわからないまま「なんか良いアイデア出して」って言われるの、地獄じゃないですか?私が企画員だったら次の日にはslackから脱退します。

私の企画員にはワークスペースから抜けて欲しくなかったので、気合と根性でこの問題を解決することにしました。
まず自分のイメージを共有し、そこから返ってきた意見や案にまた反応するのを繰り返します。

鳥企画では最初“縄張り争い”というコンセプト案がありました。敵を作って、育てた子を戦わせるような感じです。 しかしこの案は没になりました、なぜなら猛禽類が小鳥を食べたりする血生臭い世界が広がりそうで、鳥に愛着を持ってもらうという目的から外れると考えたからです。そりゃアカンでしょ。

なんやかんやあって、アイドルものの案が出たのでそれを採用しふくらませたのが「バードル☆マーチ」になります。この辺の記憶が非常に曖昧です。 コンセプトとタイトルが決まったら、あとはその雰囲気に合わせてゲームシステムやCG等、ストーリーを作っていきます。

結局企画長がアイドル好きなので、この選択は正解だったなと思います。ちなみにバードルはリ◯ドル!(私の推し)とは全く無関係です、企画員が出してくれたタイトル案を議論の末の多数決で決定したものです。ほんとに、似てるけど……。

第三章 ~ストーリー~

古来よりMIS.Wには、幻のシナリオ班というものがあるらしい。その真相を調査するため、我々はアマゾンの奥地へと向かった……

そうして集ったのが鳥企画シナリオ班である。
彼らは「バードル☆マーチ」のメインシナリオを執筆するべく、幾度も会議と発案と選択を繰り返した。そして、鳥企画の中で最も過酷な仕事の一つとしてその名を刻んだ。

鳥企画の柱として前述の「野鳥を擬人化したキャラで、ソシャゲ風のゲームを作る」「ゲーム/企画を通して、 野鳥に親近感や愛着を持ってもらう」ということが、まず重要事項として共有されていました。その上で、シナリオ班が好きなものを詰め込めれば良いなと考えて、プロット案をHackMD上で自由に書き込み、編集、コメントができるようにしました。プロットとは話のイメージや流れを書き出すことです、例えば現代で野鳥が人間に変身できるようになった等。最終的にプロット案は八個も存在したようです。

”羽ばたけ、遥かな空へ!”
日本一の"バードル"を決める戦い→アピール合戦
主人公(プレイヤー)はママ、パパ

こんなメモもありました。軸になっている部分です。

シナリオ班は五人程居たのですが、書きたいものが三者三様十人十色でした。当たり前体操……。三人寄れば文殊の知恵とされていますが、しかし船頭多くして船山に登るとも言います。とにかく食い違う意見、イメージ、要望を一つにまとめる(絞る)のが大変でした。意欲を持って企画に取り組んでくれていることの現れでもあってすごく嬉しかったので、より力を入れてしまい班員も企画長もかなり消耗してしまったなと反省しています。

意見が割れて空中分解、最終的に未完の大作……という事態を絶対に避けたかったので、シナリオ班の中からメインシナリオの内容の決定権を持つ担当者を委任することにしました。56代のゆっくり饅頭アイコンさんです。私のプロット案に次いで率先して案を上げてくれたのと、私のあくまでゲームがメインであるという思想に近そうだったので任命しました。シナリオ会議の日程を調整してくれたり、シナリオ班同士で連絡を取りながら話を練ってくれたり、本当によく動いてくれて非常にありがたかったです。

そんな風になんとかうまくやっていたシナリオ班ですが、プロット案が決まった後の本文執筆作業がキツかったようです。やはり複数人でひとかたまりのシナリオを作る、共同執筆になるので難しかったと思います。これがどうなったかというと、鳥の中に紛れ込んだウサギさんがものすごい速さで文章を生み出して、キャラクターの個性や関係性、メッセージを豊かに描いてくれました。彼が居なければあの分量、あの熱量のシナリオは生まれなかったでしょう。結果的にメインシナリオの七、八割はウサギさんが執筆しました。しかし、班内でのコミュニケーションの行き違いや、不本意な結果になってしまったであろう班員などの問題があったかと思います。企画に必要なものは完成したので、それ以上に問題に首を突っ込むべきかどうかは分かりませんでしたが……。うーん……

シナリオ班内で案出し、執筆、校正、仲裁をしてくれたイカのような何かさん、会議に参加してくれて案や意見を出してくれた野菜の姫さん、意見感想をくれた船の帆さんと魚の幹事長さん。シナリオ班の皆にこの場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございました!

第四章 ~CG~

シナリオと同時進行だったのがキャラクターのラフや画面の素材です。
(もうだんだんこの記事を書くのが面倒くさくなってきました……)
ここに関しては、ゲームジャムでの共同制作やリレー企画でのスケジュール管理など、わりと経験がある分野だったので特にすごい苦労したという感じはしませんでした。

リレー企画とは、CG研内で行われたイベントです。3人1組でチームを作り、ラフ→線画→塗りを交換日記のように回し1枚のイラストを完成させました。一週間毎の締切を守らせないと絵が完成しない(企画が成立しない)ので、いかに締切を守らせるかに全力を注ぎました。ちゃんとリマインドしたり 、遅れが発生してないか確認したり脅したりしました。

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自分のCGタスク、未達成のものも有る

CG、イラスト要因のタスクはすべてスプレッドシートで管理しており、自分のタスクと締切と進行状況が一目で確認できるようにしていました。加えて毎週の進捗報告会での進行状況確認、DMなどでのリマインドをしていました。結果としては、8割方のCG要員が(余裕を持った)締切を守ってくれました。全員のCG要員が(本当の本当にやばい)締切を守ってくれて、実装予定のキャラが足りない、必要な素材が直前で揃わないということが起きなかったのでかなり達成感があります。よくやった自分、よくやった企画員!

本当はLive2dや3DCG等の作業を担当するつもりで企画に参加してくれた方々に、UIデザインの仕事やイラスト素材作りを任せてしまうことがありました。すごくすごく助かったのですが、希望した作業をする機会を作れなくて申し訳なかったです。CGに限らず、どの企画員も進捗報告会に顔を出してくれて、仕事を振ったらちゃんとこなしてくれて感謝感謝でした。ひとりひとりの助力が無ければ、「バードル☆マーチ」というゲームはこの形で完成させることが出来なかったとしみじみ思います。

第五章 ~音楽~

門外漢すぎて何も出来なかったし何もしなかったのですが、とある巻貝さんと、とある焼き菓子さんがめちゃくちゃ良いものを作ってくれました。これは本当に私は何もしていないです、なんか気づいたら進捗報告会で神曲が披露されてテンション爆上がりやる気大爆発しました。鳥企画の士気というか、企画に対するやる気が弛まずに最後まで走りきれたのは本当に素晴らしい楽曲のおかげだと思います。

しかも効果音は担当だけ決まっていて、スケジュール管理も要望の伝達も必要な物のリストアップも何もしてないのに、ゲーム完成前にすべてを網羅した効果音が上がってきました。これは本当に助かりました。締切前の頭が回っていない状況で、必要な物がちゃんと揃っているのは何にも言い表せない大きな感謝しかありません。しかも全部可愛いしクオリティ高いし。残念ながらUnityの仕様上実装できなかったものも結構あるみたいなのですが、どこか何かの機会で活かせたら良いのかなと思います。

第六章 ~Unity~

プログラミング?なにそれ、まずそう……なので、シロフクロウさんにすべてを丸投げしました。

すごく軽い気持ちで「プレイヤー引き継ぎ機能」付けよう、と提案してしまったことを後悔……というか、ちゃんと工数を把握した上で取り掛かりたかったなと思いました。実際の必要度と、実装するのにかかる作業量が合ってなかったように思います。使う技術としては良かったようなので結果オーライらしいのですが、シロフクロウを殺しかけた気がします。

55代や56代のプログラミング研究会員も積極的に参加してくれて、できることをしてくださってとても有り難かったです。鳥企画、楽しめたでしょうか?なかなか直に接する機会が無いので、いつか感想を聞けると嬉しいですね。

第七章 ~早稲田祭

一年空けて、ようやく開催されたオフラインでの早稲田祭でした。
全然出店も無いし、他の展示も見に行けないし、お客さんも少なかったけど。それでもとても楽しい早稲田祭でした。なんとなく、MIS.Wのブースにみんなで集まって、同じ空間と時間を共有する体験は良いものだと思いました。

自分たちの作った作品を実際に手に取れる形で展示して直接反応や感想を頂けたのも、MIS.Wがインターネットコミュニティではなく、大学のサークルである意義を感じました。作品単位ではなくコミュニティ単位での展示であるのも、同人即売会などとはまた違った特性かなと思います。

チラシは300枚刷ったのですが、教室自体の来場者数が100人とまあまあだったらしく七割程余ってます。

第八章 ~反省~

疲れました、寝ようと思います。
色々反省点があるのですが、思い出せなくなってしまったのでここで筆を置きます。

エンディング

たくさん思ったことを書こうとしていたはずなんですが、締切というのは無情なものです。もっと計画的に取り組めと言われればそうです。作業を分解せず、見通しを立たせず、締切に余裕をもたないとこういう尻すぼみな作品になります。わかりやすい!

うまいこと言ったみたいになってます(?)けど、こういう出来損ないみたいなものからこそ、良い学びを見つけて貰えると良いんじゃないかなと思います。

最後に、一番大事なことを言います

slackのメッセージにリアクションを付けろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

リアクションは企画へのやる気度、slack見てる度を可視化しています。

明日は鳥企画でも大活躍(瀕死)してくださった偉大な動画師、みゅーさんです。お楽しみに!