MIS.W 公式ブログ

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人物の顔イラストを描いてみよう!基本編【アドベントカレンダー12日目】

みなさんこんにちは。48代CG研会長のhibinoです。今朝方、愛用のペンタブレットのペン(2本目)がお亡くなりになってしまい、CGからアナログにしばし戻りつつあります。

何について書くか迷いに迷ったのですが、ここはCG研会長として、イラストについて何かしらお役立ち情報を書いたほうがいいだろう。ということで、絵を描こうと思った時に多くの人がまず考えるであろう「人物の顔の描きかた」について書いていこうと思います。

写実的なものではなく、漫画やアニメなどのイラストの顔を描いていくという前提で進んでいきます。(対象・初心者、あるいは顔を描くのが苦手な人)

 下書き

まあ何と言っても下書きから描いていかないと始まりませんよね。 そして下書きは絵の90%くらいの要素を決定付けます。残りの10%はというと線画を描く段階で発生する多少の変更による誤差です。たぶんこの記事も下書きだけでほぼ完結すると思います。

下書きの下書き、「アタリ」

いくら下書きが絵の90%を決めると言っても、あまり経験がないうちにいきなりすらすらっと完成に近い状態のものが描けたらびっくりです。ある程度書くことに慣れるまでは、補助線を書いて「アタリ」をとることで顔の形、向きとパーツの配置やサイズのバランスを確認していきます。

まずは頭部全体のアタリから。

頭部のアタリといえば「マルに十字」が良く使われる手法だと思います。わたし自身これは必ず使っているのでこの手法について私なりに解説したいと思います。

スクリーンショット-2015-04-10-15.39.33-300x192

まず、「マルに十字」の主な役割は以下の通りです:

  • マル:大きさ、タテヨコ比を決める
  • 十字:顔の向き、パーツ配置の基準線

なので苦手な顔の向きを書くときにはとても便利な補助線です。

では、ここでこの「マルと十字」についてQ&A形式でさらに突き詰めてみます。(回答は主観的なものでありすべての絵描きさんに必ずしも当てはまるものではありません。)

Q. このマルって、頭の形なの? A. 頭の形とは限りません。多くの場合はマル→十字の順に書くのですが、この場合だとマルを描く時点で顔の向きが定まっていません。よって顔の向きによって微妙に変化する頭部の輪郭線をこのアタリの時点で書くことは(私の場合は)あまりないです。十字の後に頭の形を決めていますね。 スクリーンショット-2015-04-10-15.44.47-300x242

(青線がアタリ)

たぶん私の描く絵は、アタリはだいたい顔部分になる傾向にありますね。

Q. 楕円形じゃないとダメ? A. これも決まっているわけではありません。かの有名な手塚治虫さんは普通のマルを基に顔を描いていました。 では楕円かそうでないかで何が違うのかというと、やっぱり顔の形の元になるので、顔の長さまたは幼さ・大人っぽさが変わってくると思います。何をもって大人っぽい顔・幼い顔なのかは画風によって大きく異なりますが。 デフォルメを描くときに使い分けると思えばわかりやすいでしょうか?

マルの形と顔つきの比較: スクリーンショット-2015-04-10-16.24.23-150x150 スクリーンショット-2015-04-10-16.24.31-150x150 スクリーンショット-2015-04-10-16.24.38-150x150 スクリーンショット-2015-04-10-16.27.57-150x150

Q. 十字の、縦線・横線てそれぞれ何者? A. 縦線は顔の中心を通る縦線です。鼻と口はこの縦線に沿って描かれます。この線によって顔の横方向の向きが決まります。 横線は顔の上下の向きと、顔の中の横軸を決める補助線になります。例えば目を描くときに、左右の目の上下位置がズレてしまうとカッコ悪いので、横線を参考に目の位置を揃えます。 この横線は顔のパーツでいうと何に当たるのか?というと、これも人それぞれ異なっています。目の真ん中を通る線だと言う人もいれば、縦線との交点が鼻の位置だとする人もいれば(私はこれで描いています)、マルとの交点がほっぺたの位置になるように書いてる人もいます。ここは自分にとって一番把握しやすいパーツの基準を探るしかないでしょう。 ただ、横線に関しては向きの基準を一旦定めたら補助線として無限に増やせます。目、鼻、ほっぺ、それぞれのための横線をすべて引いてみてしまうのも手です。

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説明が長くなりましたが、以上が顔のアタリに関する説明です。 顔のアタリが描けたら目、鼻、口、耳のアタリを追加していきます。これでみょーちくりんな人の顔っぽいサムシングができました。

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アタリに沿って下書きを描き込んでいく

いよいよ線を決定していきます。下書きの中の清書みたいな感覚です。絵を描くほとんどの人は、本番の清書よりもこの段階の方がうまくかけると言いますね。私もです。

ここからは輪郭・目・鼻・口・髪の毛等を描き込んでいくのですが、手順や画風が様々あるので一般論を展開しづらいです。そのため、ここからは完全に私のやり方を押し付けて逃げます。

輪郭→鼻→目→口

ベースになる頭の形を描きます。私は必ずこの段階でハゲを描きます。ハゲなめちゃいかんですよ。根本ですからね。 十字の向きにそって後頭部の形も追加していきます。後頭部の形がどうなっているかは実際に周りの人を見てみると良いでしょう。

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ほっぺたやあごの、いい感じの曲線がうまくかけない!と感じる人は、最初のうちは無理して曲線で書く必要はないです。直線でおおざっぱな形を書いてしまってから微調整を繰り返してみてください。

鼻と目と口を描きます。鼻にもいろいろあります。どう描けばいいかわからなかったらとりあえずくの字をおきましょう。目の書き方も十人十色。画風が固まるまでは目だけ自分なりに描く練習をしてみることをお勧めします。A4の紙にひたすら目を描けば慣れが手に染み込んでいきますよ!(練習の痕跡が怖いけど)

目を描くのに慣れてないうちは、最初から凝った目を書こうとすると失敗するので、バランス重視で簡略化した目を描き、あとから理想の形に近づけるといいと思います。

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口。下に凸の二次曲線を描けばOK。 これだけでもだいぶバランスの整った顔になったでしょ?

毛を生やしてあげる

毛がないままじゃかわいそうな気もしますので毛を与えます。

髪の毛は生えた部分から少し外側に伸び、あとは重力にまかせて下に垂れるか、くせに負けて跳ねます。つまりは、先ほど書いた頭部より少し浮かしたラインが、髪の毛の基準線となります。

あとは頭頂部の丸みに沿って髪の毛を垂らしてあげましょう。ここでは肩くらいまで伸びた髪の毛と考えます。ヘアスタイルによっては分け目を決めてそこから垂らすもよし、頭頂部から等しく垂らすもよし。

あまり細かく描き過ぎないくらいが無難に仕上がります。

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その他細かい微調整を経て、完成

ややアゴがひろいなーとか、目をもっと可愛くしたいなーとか、髪型変えようかなーとか、微調整を行い、アタリを消してみます。オリジナリティをありったけ突っ込んでいきましょう。己の感性を発揮してください!

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この上からペンを入れることによって清書ができますが、今回は割愛させていただきます。これで完成です。 (アタリ後の過程を簡易的なGIFアニメにまとめたのでこちらから絵が出来上がっていく流れをごらんください。いままでの過程を基盤として完成絵が成り立っていることがわかると思います。)

かなり説明を端折ったところもありますが、以上が顔をかくときに私が意識していることです。あまり難しいことにならないような説明を心がけましたが、いかがでしたか?

線が安定しなかったという人もいると思います。安定した線がかけるかどうかは、安定した文字をかけるかどうかと同じで、数こなせば経験と感覚が身に付いてスラスラとかけるようになるものです。たくさん絵を描いて線を鍛えていきましょう!

とても長い説明になってしまいましたが、お絵描きのお役に立てたらうれしいです。最後まで読んでいただきありがとうございました。