ごあいさつ
こんにちは!(深夜2時)52代CG研のまつりです。既にほかのCG研メンバーが講座っぽい記事を書いてくれているので、私は絵を描きました。
今回はこちらの絵について、絵を描く上で気を付けたことを中心にベラベラと喋りたいと思います。人がどんなこと考えながら絵を描いてるか気になる!という人向けの記事です。
概要
使用ソフト:CLIP STUDIO PAINT PRO
主なツール:不透明水彩(デフォルト)
全行程を24倍速で記録した動画です。以降、工程ごとに画像付きで解説しますが、より詳しく見たいという方はこの動画を見ながら記事を読むとなるほど度が上がるかもしれません。
構想
まずアイデア出しです。
クリスタを開いたら適当な大きさで新規キャンバスを作り、とりあえず手を動かして「あ!これ描きたいかも!」となる瞬間を待ちます。
今回描きたくなったのは
- くまのぬいぐるみを持った女の子
- 布
だったので、この2つを主軸に絵を構成します。
ぬいぐるみと布からお布団を連想したので眠りっぽいテーマで絵を描くことにしました。
次に構図を考えます。
「ぬいぐるみを持つ」動作が特徴的なので女の子のポーズから考えます。数ポーズ思い浮かべ吟味した結果座りポーズに決まりました。
布ならカーテンでもいいかなぁ~と思って窓際に座らせたら良い感じになりました。結果がこれです。
次に色合いを決めます。私の中で夢っぽい色がパステル調のピンクや紫なので、全体的にピンク~紫寄りの色にします。
構想の段階で色まで考えるのは、そのほうが具体的にイメージを作りやすいからです。
絵を描くとき、初めから脳内に完成図がある人と描きながら完成図を作っていく人がいると思います。私は後者で、脳内イメージがかなりボヤボヤなので、とりあえず色や形を脳外(キャンバス)に出してみて考えます。こうすることで脳内イメージが補強されてより細部まで考えられるようになる気がします。
ラフ
構想を基にラフを描きます。ラフでやることは以下の通りです。
- 人体のバランスを決める
- 構図のバランスを調整する
ラフでは形の描きこみはあまりせず、バランスを整えることを中心に考えます。今回は構図をあまり練らずに進めてしまい痛い目を見ました。
線画
人は線画があったほうが描きやすいので描き起こします。
綺麗な線で描く必要はないんですが、形をしっかり決めておくと後で塗るときに楽なのでなるべく頑張ります。
下塗り
線画が描けたらいよいよ塗りです。まずは全体的にふんわりと色を乗せます。この段階では色数を多めにして、形を描くことよりも色をちりばめることを意識して進めます。
描きこみ後も若干下塗りの色を透かす予定なので、下塗りから綺麗な色合いになるように意識しています。
描きこみ
下塗りの色を透かすのは、「透け感」が透明感のある厚塗りには重要だと考えているためです。描きこみすぎないように、下塗りの雰囲気を残しながら形を起こしていきます。
ポイントは、一か所を一気に完成まで持っていかないことです。ある程度描きこんだら全体を見て他のパーツに移り、絵全体がじわじわと完成に近づくようにしていきます。こうすることで絵全体のバランスが取れます。
意識してはいたんですが一か所集中で描きすぎてるし下塗りも結構つぶれてますね…反省
構図練り直し
カーテンが画面の端に行くにつれて背景色と同化していく…というイメージで描いていたのですが、どうにもまとまりが出ません。
そこで、絵に図形を当てはめて構図を再考することにしました。真ん中の三角形を基準にして、四角形・直線・円などと組み合わせて良さそうな構図を探していきます。この作業はラフの段階でやることをおすすめします!!!!描きこんだ後に構図を修正するのはとても大変です。計画性は大事。
検証の結果、円との組み合わせがよさそう!方針が決まったら再び描きこみしていきます。
加工
一通り描き込みが終わったら加工をします。主にする操作は以下の2つです。
- 色味調整
- テクスチャ追加
色味調整では、オーバーレイのレイヤーを作り、真ん中を中心にふんわりと赤みを足しました。くすんだ色味のアンニュイさは残しつつ、全体的に少し華やかな印象になった感じがします。
テクスチャを追加すると、一気に画面の情報量が増えて絵が良い感じに見えます。今回は紙質感のテクスチャを薄く重ねました。
最後に微調整をしたら完成です!
あとがき
世にあるメイキングで、上手くいかなかった部分を見せているものは多くないですが、こうやって試行錯誤のプロセスを共有することにも意味があるんじゃないかなと思っています。みなさまが絵を描くときに少しでも参考になりますように。
明日はいよいよ最終日!幹事長鶏野さんによる記事です。お楽しみに~