MIS.W 公式ブログ

早稲田大学公認、情報系創作サークル「早稲田大学経営情報学会」(MIS.W)の公式ブログです!

キャラクター絵の基本、「立ち絵」を描く【新歓ブログリレー2017 19日目】

皆さんこんにちは、50代CG研究会会長を務めさせていただいていますすずしろです。こんにちはと言いましたが現在時刻は午前4時です。

本日の記事は「これからデジタル絵描きになるために」ということで、これから絵描きをはじめる人向けに……とかやりたかったのですが、Twitterをやっていたら140字以上の文章がまともに書けなくなっていて説得力皆無になってしまったのでメイキングで画像をふんだんに使うことで文章力のなさを誤魔化していきます。

立ち絵、立っているポーズはヒトを描くうえで基本となるポーズの一つです。これをマスターすることで様々な基本を身に着けることができ、他の難しいポーズや構図を描くときに役立ちます。というわけで、「キャラクター絵の基本、『立ち絵』を描く」と題しましてお絵かきの参考書片手に描き方のコツや気にすべき点について書いていこうと思います。

棒立ちを描いてみよう

まずは、棒立ちの立ち絵を描いてみます。この先もまだあるのに最後まで描くとおなかがすいておふとんに伏してしまうのでとりあえずアタリだけで見てみましょう。ばーん。

 

はい、見事に棒立ちです。正面から見た棒立ちは、パースがかかっていないのですべての体のパーツが均等な倍率で見えます。そこで、ここではまず身体のパーツの比率を気にしながら描くことを意識します。例えば覚えておくと便利なものとして以下のような比率があります。

完全に手書きなので一部嘘をついている可能性があります。あと、男性と女性や大人と子供で若干比率が違ったりするので描きたいものに応じて調べてみましょう。これは女性のものに近いと思います。

なるべくわかりやすい図形に近い感じで描いているつもりですが、これでも難しいという人はもっと簡単な四角や丸を使って比率だけでも抑えてみましょう。あまりいろいろ描くとごちゃごちゃしてしまうので描きませんでしたが、腕の長さも覚えておくと役に立ちます。腕をぴんと伸ばすと、肘が腰のくびれの位置に、手首が脚の付け根あたり、手の先がふとももの真ん中あたりに来ます。手の長さがあごから額までの長さと同じみたいなのもよく言いますね。こういったものは自分の身体で確認してみるのもいいかもしれません。

棒立ちをアレンジしてみよう

身体のパーツの大きさや比率がつかめてきたら、もう一度このポーズをよく見てみましょう。なんか味気なくないですか?味気なさを全身で感じてください。というわけでこのポーズを"棒立ち"ポーズから"立ち"ポーズにしてみます。どーん。

これで少し女性らしいポーズになりました。同じ真正面でもこちらのほうがまだいい感じがしますね。いい感じ。

このときに意識するのが背骨の流れと重心です。僕はこのアタリを描く前に、描きたいポーズを考えながらまず背骨の流れを描きました。下の感じです。

なんかよくわからないかもしれませんが、こういった体の流れを先に描くことで先ほどの棒立ちの絵のように勢いを殺してしまうことを避けることができます。

で、次に意識するのは重心です。この体の流れの場合重心が正面から見てやや左側に寄っているので、左足に重心がかかります。このとき、自然な姿勢をとると重心のかかった左足の付け根は右足の付け根より上に上がります。これが腰のラインがこうなります。それに合わせてメリハリを持たせるために腰とは逆に方のラインは左肩を下げます。

こんな感じです。僕自身も完全に理解したうえで描いているかといえばそうでもないので、より詳しく、正確に知りたい方は「コントラポスト」や「S字曲線 ポーズ」といったキーワードで検索してみてください。

今回は曲線で流れを描きましたが、棒立ちと同じようなまっすぐな流れでも力強いポーズになったりと様々あるので皆さんかっこいいポーズやかわいいポーズをいろいろ考えて描いてみてください。

動きのある絵を描こう

ここまで来れば次はもっと動きのある絵にします。ポーズに動きをつけることで、キャラクターに"表情"を与えることができたり、絵自体に躍動感や流れを与えることができます。

"表情"を与えると言いましたが、今回は春ということで「元気」な感じにしていこうと思います。まずは先ほどと同じように背骨の流れを描いてから、全体の骨格の流れを描いていきましょう。

勢いで簡単な肉付けまでやってしまいました。元気でかわいい印象を持たせるために跳ねているポーズにしました。右足をつま先立ちにして動作の途中である感じを出しています。この時点でもかわいさや元気さが読み取れます。僕の表現力が足りないので読み取れないかもしれません。頑張って読み取ってください。ポーズだけでもある程度の雰囲気が出るので大事です。「描きたいけどこういうポーズ、どうなってるんだろう」ということがあれば画像検索で「○○ ポーズ」等検索してみてください。「posemaniacs」のようなサイトもおすすめです。自分で鏡に向かってポーズしてみるのも一つの手ですよ。みたいな次は身体の輪郭をしっかりとっていきます。

全体の大きさを見つつ頭身とかを調整しました。これで大体完成です。力及ばず上手く躍動感が出せなかったのですが、大まかな流れやポイントを拾っていただければと思います。

最後に

なんとなくポイントとかその辺のアレを感じ取っていただけたでしょうか。ただの棒立ちでも、いきなり描くことは難しいかもしれません。そういう時は球や立体を描いてみたり、模写をから初めててみましょう。僕の場合ははじめは模写もままならなかったのでトレス(ほかの人が描いた絵を上からなぞること)から始めたくらいです。そんな簡単なところからでも地道に練習すればそのうち自力で絵を描けるようになってきます。神絵師の腕を食べても画力は摂取できませんし、焼き肉の画像をアップしても神絵師には近づけませんが、練習すればその分画力がつきます。この記事を読んでくださったあなたもこの機会にはじめてみませんか。わからないことがあればどんどん自分で調べたり、絵描きの先輩に訊いてみるのをお勧めします。ここまでお付き合いいただきありがとうございました!

他にもCG研の皆さんがいろいろな役立つ記事を書いてくれているので、右上の「Blog」というところから過去の記事も是非探してみてください。加えて、今回の記事を書くにあたり参考にした本を一冊紹介しておきます→「アニメーターが教えるキャラ描画の基本法則

というわけで午前8時になって徐々に文章に説得力がなくなってきたところで終わりにして、先ほどのアタリを使ったみすちゃんのイラストと共にブログリレー最終日50代幹事長CHO-CHIさんにバトンを渡したいと思います。